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本の中のティータイム。神の恵みの地方の神秘。

彼女は私に暖かいワインとジンジャーブレッドを持ってきて、とても気さくに見えました。リントンはアームチェアに座り、私は暖炉の石の上の小さなロッキングチェアに座りました。私たちはとても陽気に笑い、おしゃべりし、私たちはどこに行くか、夏に何をするかを計画しました。話したい事はたくさんありました。

ー『嵐が丘』(原題:Wuthering Heights )1847年エミリー・ブロンテー

冬の晴れ間が美しいこの季節、木枯らしが庭の木々を揺らします。
暖かい家の中でホットジンジャーを飲みながら、外の景色を見ると春はまだまだ先のようです。
そんな時は、あの独特な世界観のケイト・ブッシュを聞きたくなります。木枯らし舞う冷たさが厳しい季節に、なぜか文学の香り漂う雰囲気に浸りたくなるのです。

1980年にリリースされたアルバム『魔物語』。「バブーシュカ」や、「デュリアス」、「アーミードリームス」など名曲揃いで、よく聞いておりますがケイト・ブッシュといえば、「嵐が丘」の印象が強いです。

  ヒースクリフ。私よ。キャシーよ。
  戻ってきたわ。とても寒いわ。
  私を窓から入れて。


エミリーブロンテの小説「嵐が丘」から構想を得て、この曲を作成しているので、歌う姿がどこかバンシーのようでとても幻想的です。
(日本では某番組のオープニングソングの印象がつよいですが・・・・。)


嵐が丘


19世紀初頭にエミリー・ブロンテによって書かれた「嵐が丘」は、今ではゴシック小説とも言われ、神秘的で幻想的な物語の作品として位置づけられていますが、当時は非道徳的な内容で理解しがたいものとして酷評されていたようです。

1818年生まれのエミリー・ブロンテはブロンテ三姉妹の一人として英国文学に名を馳せる有名な作家です。1847年29歳の時に「嵐が丘」を発表した後、翌年病気により若くして亡くなっています。

「トップ・ウィゼンズ」という荒野の廃墟をモデルに書いた『嵐が丘』は、ヨークシャーの荒野の厳しさを力強く描いていると評されています。

風がビュービューと吹き荒れる様がまるでバンシーの叫び声のように聞こえ、この物語の冒頭はここから始まります。主人公ヒースクリフは吹き荒れる風の中に亡きキャサリンの声を聞きます。バンシーになって会いに来たキャサリンを探しにヒースクリフは荒れ狂う風の中、荒野に探しに行きます。

バンシーはアイルランドやスコットランド地方に伝わる妖精で、バンシーの叫びが聞こえた家では近いうちに死者が出るとされ、また故郷を遠く離れて暮らしている者にも、故郷にいる一族の死を夜ごと伝えたといわれています。


神の恵みの地方


ヨークシャーは、自然が豊かな地域で、大都市のまわりにも、昔のままのカントリーサイドの風景が残されています。

ヨーク地方のカントリーサイドは、一般に「神の恵みの地方(God's Own County)」と称されます。かつて「イングランドの庭園(Garden of England)」と言われていたケント州に対して用いられていた名称が、近年、ヨークシャーを指すようになりました。
また「嵐が丘」「ジェーン・エア」などの小説で世界に愛され続ける名作を残したブロンテ姉妹の跡地巡りなど、ハワースはヨーク地方の人気の観光地になり、ブロンテ地方(ブロンテ・カウンティ)の異称もあるそうです。

ブロンテ姉妹が住んでいたハワース村には小説の舞台である荒野が広がります。ハワースを囲むムーアにはウォーキングができる歩道が網の目のように張り巡らされていて、19世紀の教会とブロンテ一家が住んでた牧師館などもあり、トップ・ウィゼンズへとつづく小道もあり、またブロンテの時代からつづいているパブ「ブラック・ブル・ホテル」はブロンテ姉妹の兄弟ブランウェルが通った酒場として有名です。

『ウィキペディア(Wikipedia)』より


モルドワインとジンジャーブレッド


ヨークシャーの料理は、特有の食文化があり、ヨークシャープディングのようにイギリス全土で知られている伝統的な料理で、主にローストビーフの付け合わせとして提供されます。ローストビーフ、野菜、グレイビー・ソースがたっぷりしみこんだヨークシャー・プディングなどを盛り合わせた英国の伝統料理サンデーローストが有名です。

作中にでていたジンジャーブレッドは 生姜を使った洋菓子の一種で英国には生姜を使ったお菓子がたくさんあります。またジンジャービスケットはヨークビスケットと呼ばれ、ヨーク地方での紅茶の添え物の定番です。1790年に当時のヨーク公とプロイセン王女の婚礼の宴で提供されたのが始まりとされています。

モルドワインはスパイスやフルーツを加えた暖かいワインの飲み物で英国のクリスマスの風物詩として親しまれています。体を温める効果があるので冬の寒い日に飲むのにぴったりです。


Brocante #307では


ジンジャーシロップを作っておくとホットジンジャーやクッキーやケーキなどいろいろ活用出来て便利です。

木枯らし舞う冷たさが厳しい季節にこそ、神秘な出来事が起きそうです。
文学の中の香り漂う音楽と共にティータイムを楽しんでみてはいかがですか? 

ブロカント307でみなさまの幸せな気分に浸れるもの探しのお手伝いになれば幸いです。


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