バンダイの日本製と何が違う?福万のウルトラセブンを徹底観察!
90年代の中国では、バンダイ・中国・香港の合弁企業「福万(福萬)」がウルトラマンの商品を扱っていました。もちろん、円谷プロやバンダイの許諾を得て生産していたのですが、両社の製品にはどのような違いがあるのでしょうか。
この記事では、バンダイと福万の同時期のウルトラセブンを比較し、具体的な違いについて分析します!
まずは、外箱をチェックします。当たり前ではありますが企業マークが異なります。福万のマークはバンダイの旧マークに似たデザインです。
また、手にとって感じたのは、箱の紙質の差です。福万はざらざらとして、劣化も激しく、当時の紙や印刷技術の低さを感じます。一方、バンダイの箱は30年以上経過しても、表面の照りを保っています。
本体を比較していきましょう。右が福万、左がバンダイです。成形色に違いがあるように思います。バンダイはオレンジがかった赤で、透明感がありません。思い返してみると、当時のバンダイはセブンの商品に、他のウルトラマンよりもオレンジがかった素材をつかう傾向がありました。
一方、福万は透明感のある赤。どのウルトラマンにも使えそうな色味です。推測ですが、バンダイのようにウルトラ戦士ごとに原材料を使い分けていなかったのではないでしょうか。それで、セブンもバンダイより赤が強いのではないかと想像しています。
ちなみに、このセブンはまだ日本製です。バンダイのウルトラヒーローシリーズ・ウルトラ怪獣シリーズは90年代から徐々に中国製にシフトしていきます。福万の創設と生産体制の確立が産地の変更につながったのかもしれません。
あらためて、観察していると不思議な違いを見つけました。バンダイと福万でナンバリングが異なるのです。バンダイは2番。ウルトラシリーズ第2作の主人公ですから、自然な番号です。一方、福万は「13番」。なぜ?!
セブンが13番というのはどういうことなのでしょう。あらためて、福万のカタログをみてみます。左下がウルトラヒーローシリーズです。
このカタログのウルトラ戦士の並びも不思議な配置です。ウルトラマン、エース、ウルトラの父、ゾフィー、帰ってきたウルトラマン、キング、アストラ、ユリアン、ウルトラの母、80、レオ、タロウ、セブン。合計13ヒーローです。販売順だとすると、セブンは最後の登場だったのでしょうか…
レオの前にキングやアストラ、80の前にユリアンがあるため、仮に中国での放映順だとしても、謎がのこります。
バンダイと福万のセブンを比べてみたところ、成形色やナンバリングに違いを見出すことができ、有意義な調査となりました。まだサンプルがセブンしかないので、今後も地道に、他のウルトラ戦士や怪獣たちを見つけ出し、調査を続けたいと考えています!