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僕の彼女は風俗嬢#蛇足編⑥

こちらは以下の続きです。
僕の彼女は風俗嬢#蛇足編⑤|K|note



僕の誕生日は平日だった。

会うのは土日の方がいいか聞かれたが誕生日を迎える瞬間に紗耶香ちゃんが他の男性と居ることを想像したくなかったので当日でお願いした。

風邪とかではないが体調に不安のあった僕のために紗耶香ちゃんは手料理をふるまってくれると言う。

とても嬉しかった。
どんな高級ディナーより価値があると思えた。

夕方頃から家に来て作っておいてくれるということで、家の暗証番号を教えた。
それもまた一歩距離が近づいたような気がした。

当日はそわそわしながら仕事をした。

会えるのが本当に楽しみで彼女のことを考えないようにしていたのが噓のように幸せな脳内だった。

もうすぐ仕事が終わる。

そんな時に一通のLINE。

遅刻しちゃったからゆっくり帰ってきて欲しいとのこと。

本当にこの遅刻癖はどうにかならんものか…。

可愛いから許せてしまうのだが。

何か考えがあるのかもしれないと思い、早く会いたい気持ちを抑えて少し会社で時間を潰した。

しかし最近は残業にうるさい。

特に仕事もせずに長々と会社に居られる空気感ではない。

ある程度くつろいだ後に会社を出た。

家に着くとキッチンに立つ紗耶香ちゃんが笑顔で迎えてくれた。
最高に幸せな瞬間だった。

まだ全然用意できていないらしく、くつろいでてと言われた僕は録り貯めた番組を見ることにした。

だが集中できるわけがない。
キッチン側から聞こえる質問の波状攻撃。
一緒に料理を見守ることにした。

終始なんか味がボヤボヤしてると心配そうにしている紗耶香ちゃん。
結局出来上がったのは僕が帰ってから1時間くらい経ってからだった。

いざ食べてみるとしっかり美味しかった。
汁物や副菜も揃えられていて久しぶりに家でちゃんとした食事にありつけた気がした。

食べている間はご飯と一緒に幸せを沢山噛みしめた。

食事が終わってしばらくするととトイレに行くことを勧められた。
初めてのことだったので何事かと思ったがとりあえず従った。

ケーキを用意して小さなサプライズ感を出したかったそうだ。
しかしトイレから出るとまだライターでろうそくに火をつける段階だった。
紗耶香ちゃんは熱さに苦戦していた。
愛らしかった。

電気を消してアカペラで歌いながら近づいてくる。
どうやら用意していたBGMをかけ忘れたらしい。
どこまでも愛おしい。

フルーツがふんだんに使用された高そうなケーキで味も抜群だった。

感謝を伝えて沢山キスをした。

平日にもかかわらず沢山愛し合った。

回数を重ねる度にお互いのツボが分かってきた気がする。

事後も傍で抱き合っていたくなるような愛らしさを感じるのは本当に初めてだ。

こんな姿は僕だけに見せてほしい。

早く辞めてくれないかなぁって思ったが心の奥にしまった。

翌朝紗耶香ちゃんに見送られて家を出た。

帰ると手紙とプレゼントが置かれていた。

Kが思ってる以上にKのこと好きだよって書いてあって来るものがあった。

僕が不安を口走るからそう言ってくれたんだなって。

直接的じゃない優しさに和を感じた。

惚れ直しました。

良い誕生日だったなぁ。


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