【雰囲気を作る「ノイズ」】 放送部 映像制作BasicTips #04
みなさん、こんにちは!なかちゃん です!
今回の「映像制作BasicTips」は前回の続きのお話です。
読んでいらっしゃらない方はぜひ読んでみてくださいね…!
では早速、今回の内容に入っていこうと思います!
0.前回のあらすじ
前回お話したのは、「『アフレコ』は必ずやるべきものなのか?」ということについて。結論から言ってしまうと、アフレコは「できるだけしないほうがいい」ということでした。
その理由として、「キレイに聞こえるからこそ生まれる『違和感』」が関係するというお話もしました。
では、今回はその「違和感」と解決方法をテーマにお話をしたいと思います。
1.今回のテーマ
今回のテーマは「雰囲気を作る『ノイズ』」です。
単に「ノイズ」と聞くと、いい印象を持つ人は少ないでしょう。なんとなく「邪魔なもの」とか「不必要なもの」みたいな感じしますもんね。
でも、ここでお話する「ノイズ」というのは、アフレコについて考えるときにとても大切になってくるものなんです。
2.「アフレコをする」ということ
では、その「ノイズ」のお話をする前に、「アフレコをする」ということがどういうことなのかをちゃんと理解しておきたいと思います。
「アフレコをする」ということは、現場で録音した音の代わりに、別の場所でセリフだけを録音し直した音を映像に乗せることになります。
こうすれば、聞かせたいセリフをキレイに聞いてもらうことはできます。
でも、これだけだとなんか「あとから付けた音」感がすごく目立ちます。
実は、アフレコという作業の裏側で「消えてしまう音」というものが存在していたんです。
それこそが、今回のテーマである「雰囲気を作る『ノイズ』」なんです。
3.雰囲気を作る「ノイズ」とは?
ここでちょっと、簡単な質問をしてみたいと思います。
例えば、あなたが静かな「キッチン」で撮影を行っていたとします。撮影しているのは、登場人物が1人で、その子だけが喋っているシーンでした。
では、その子が話しているセリフ以外に聞こえてくる音はなんでしょうか?
大抵の人は「何も音はしていない」「無音」と答えると思います。
でも、この世の中で全く音がしない「無音の空間」というのはほとんどありません。
今、例に挙げた「キッチン」でも、考えうる限りでこれくらいの音はしてくるんじゃないかな〜と思います。
……多分、もっとあると思うけれど。
こういった「その場所や環境でしている音」のことを『環境音』、またの名を『ベースノイズ』と呼びます。
つまり、アフレコをすることによって、この「ベースノイズ」がゴッソリ抜け落ちてしまう。だから、音に後付け感が出てしまうということだったんです。
でも裏を返せば、この「ベースノイズ」をうまく使えさえすれば、違和感の少ないアフレコを作り出すことができるというわけなんです。
4.「アフレコの違和感」を減らす方法
では、具体的に「ベースノイズ」を活用して、アフレコの違和感を減らす方法についてお話します。
と言ってもやり方は単純で、今までやっていた撮影の作業に1つ手順を加えるだけです。
それは「各シーンの撮影現場の音を録音しておく」ことです。
単にセリフも何も喋っていない、ほとんどの人が今まで「無音」だと思っていた、撮影現場の音を録音しておきます。
そして、その録音した音はこんな感じで使います。
キッチンのシーンなら「キッチンで録音したベースノイズ」を、通学途中のシーンなら「道端で録音したベースノイズ」を加えます。
こうすることで、アフレコの音を「あたかも撮影現場で録音した音かのように『装う』」ことで、違和感の少ないアフレコにすることができるのです。
ついでに言えば、画像にあるような「足音」のような効果音(SE)を加えてみるとより良くなったりもしますかね…
5.まとめ「『キレイに聞かせる』だけじゃなくて…」
では、2回に渡ってお話した内容をまとめると…
1.撮影現場で「している音」を「ベースノイズ(環境音)」と呼ぶ。
2.アフレコの違和感(後付け感)は、ベースノイズを上手く使って「セリフをあたかも現場で録音したように装う」ことで軽減できる。
ということでした。
アフレコをすることで、セリフをキレイに聞かせることは大事なことです。
でも、「キレイに聞かせること」だけに気を取られずに、あくまで「自然に聞こえる」ことに重点を置いてみるのも、同じくらい大事だということですね。
さて、またまた長くなってしまいましたが今回の「アフレコとベースノイズ」のお話はここまでです!ここまで読んでくださってありがとうございました〜!
ご質問、ご感想などありましたら、記事のコメントやオンライン放送室のTwitter、個人のTwitterにお寄せいただければ!(過去の記事についてでも大丈夫ですよ)質問には頑張ってお返しします…!
次回は「テロップ」についてお話しようと思います!
興味があればぜひ読んでみてくださいね!では、また次回お会いしましょう〜!
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