(98)十三機兵防衛圏 レビュー
2019年11月にヴァニラウェア×アトラスにより発売された「十三機兵防衛圏」をプレイしたので、ネタバレありでレビューしていきます。
ジャンル
SFアドベンチャー+リアルタイムタワーディフェンス
プレイ時間
35時間(難易度STRONGでストーリークリアまで)
良かった点
綿密に作りこまれたストーリーと世界観
なぜロボットに乗って戦うのか、なぜ年代の違う登場人物がいるのか、なぜ似たような顔をした人物が登場するのか等、分からないことが多すぎて、とにかく?マークが頭に浮かびながら雰囲気でプレイしていました。
というのも本作は、専門用語が多く、10人を超える登場人物の視点で断片的に物語を読むことに加え、時系列がつながっていないためこれがいつの話なのか分からず、ゲーム中盤までは全く理解できませんでした。
しかしプレイしていくうちにそれも杞憂に終わり、最初に思った疑問がどんどん解明していく展開は素晴らしいゲーム体験となりました。
また、時系列がつながっていない「セクター」と呼ばれる概念や外見と中身、記憶の持ち主が同一でない可能性などミステリー的な面白さが多分に含まれていたように感じました。
登場人物全員がそれぞれ異なる目的で行動してしまった結果、衝突が起きてうまくいかない。それでも最後のループで残されたセクターに各年代の人物が集まり、敵に立ち向かう展開はとても面白かったです。
ゲームシステム
本作は、ストーリーと戦闘、解説パートに分かれているのですが、私が特に気に入ったのは解説パートです。
難解なストーリー展開故、分からないときはどうしてもモヤモヤしてしまいましたが、解説パート(ミステリーファイル)を読むことで、専門用語や時系列の理解にとても役立ちました。加えて、ゲームの進行に合わせてミステリーファイルの内容もアンロックされていくので、ストーリーを読んだ後に解説を読んで内容を理解するという流れが自然と出来ていき、難解なストーリーを理解するハードルが幾分下がったように思いました。
また、戦闘パートも私はすごくハマりました。戦闘ジャンルは、リアルタイム形式のタワーディフェンスで、初めてやったジャンルでしたが(というのもこのジャンルをこのゲーム以外で見たことないくらい珍しい)、考えながら敵のタイプに合わせて戦略を考えるのがとても楽しかったです。作られた年代によって機兵の性能が異なっていたり、戦闘パートがそのままストーリーに組み込まれていたり、戦闘パートをストーリーに内包した作りに感心しました。
ビジュアル
ヴァニラウェアのゲームお馴染みの、淡い色使いのかわいいイラストでとてもよかったです。私はとても好きな絵柄でした。
不満点
1回プレイしただけでは完全に理解できないほど、とにかくストーリーが難しいことです。私はクリア後、ストーリー解説動画を見て、ようやくストーリーの全貌を理解することができました。
総評
スコア
98/100 万人におすすめできる非常に面白い作品
こんな人におすすめ
濃厚なストーリーを期待しているひと
タワーディフェンス系ゲームが好きなひと
多くのプレイヤーが本作を評価していることは事前に知っていたため、私もプレイする前からかなり期待していましたが、期待以上の出来のストーリーに圧倒されました。これほど完成度の高いSF作品は見たことないです。
ストーリーだけでなく戦闘も面白く、あっという間にクリアしました。本作をプレイできてよかったです。