ベンジーは気合いの12色展開。いろいろと「色」のお話し。
はじめに
一般販売に先がけて、ファインルアーズ様で先行販売をいたしましたベンジーですが、おかげさまで好調なスタートを切れたようで、ホッとしております。
お買い求めいただいた方、本当にありがとうございます。
また、買えなかった方もすぐに再販しますので、その際はよろしくお願いします。
▼ベンジーの基本情報はこちら
一般販売のベンジーは12色
ハンドメイドで12色って、いまどき多くね?(笑)
そう、多いんです。
「あのカラーもいいな、このカラーもいいな」と、頭の中でアイデアが湧いて止まらなくなってしまい、優先順位をつけられなくなった結果
「えぇぇええい!! 全部塗ってしまえ!!!!」
と、向こう見ずで、思いつくままに仕上げていきました。
自分の場合、古き良きアメリカンクランク、日米問わず先輩ビルダー方の作品、有名メーカーのマスプロダクト品などからインスパイアされ、カラーを決定することが多いです。
他にも、10代の頃に触れたファッションアイテム、モビルスーツ(ガンダム)、キャラクターなど、さまざまなものが脳内にインプットされ、ヒントとして蓄積しています。
とくに、スニーカー。
スニーカーは数々のカラーやパターン(セメント柄など)を、「一つの作品の中に落とし込み、まとめる」という点で、ルアーのカラーリングと理論が似ていると思っています。
ともすればとっ散らかって見えてしまうような、一見めちゃめちゃな配色が、絶妙なバランスでもって成り立っている。
思わずコレクションしたくなるのも、クランクベイトと同じだったりして。
こんなことを言ってはなんですが
僕自身、じつはルアーのカラーによる釣果の違いというのを、あまり実感したことがございません(笑)
極論1色展開でもいいんですけど、それは道具選びをつまらないものにします。
僕が細々とビルダーを続けている理由は、「もっと道具を選ぶ楽しさを、みなさんに知って欲しいから」に他なりません。
釣りの楽しみは、なにも釣りに行くことだけではないですから。
ロッドにこだわり、リールにこだわり、ルアーにこだわる。
釣れなくても、それだけで釣りという趣味の80%は完成します。
ただ、“過去のいい思い出”から、なんとなくモチベーションが上がる色というのはあるので、釣果の違いは感じませんが、「こういう色が好き」という拘りは人一倍強い。
だから、自分が欲しいと思えない色は塗りたくないんです。
全カラーを解説
くどいですが、以下の解説は使い分け方ではありません。
カラーはみなさんの感性で、好きな色をお選びいただければ嬉しいです。
「何をイメージして、どう塗ったか?」という事実だけを書きますので、「へぇー、そうなんだ」くらいに、力を抜いて読んでください。
70's CSD
「70's」の意味するところは、そのまんま「70年代」。初期バグリー特有の“発色の悪いくすんだイエロー”を調色し、ブラックバックメッシュで仕上げた一色です。
僕たちビルダーにとって、バグリーは音楽でいうところのビートルズ。“元祖にして至高”と化している名作にリスペクトを込め、塗り上げました。
Citrus Shad Splatter
パールホワイトにイエロー、スカイイブルーを組み合わせたカラー。メッシュではなく、荒々しいスプラッターで背面にアクセントを加えました。
説明不要にして永久不滅。だいたいのクランクベイトにラインナップしていますね。水質問わず愛用者が多いイメージです。
Chili Tomato
オレンジをベースにレッド、背面にはカーキグリーン。まさしくトマトのようなカラーです。チリっぽさはレッドフレークで表現。カップヌードル食べたくなる……(空腹)
「赤」って、なんだかやる気が満ちてくる色ですよね? 闘牛士って感じで。
Okeechobee Craw
今までブルーが主体のカラーは塗ったことがなく、今回がお初です。シルバーを下地に、発色の良いクリアブルーを重ねた、いわゆるキャンディー塗装がベースになっています。
このカラー、どうやらフィールドの名前が由来みたいですが、オキチョビ? オキチョービー?
謎は深まるばかり。
Hunter
サンドベージュにブラウンやダークグリーンを組み合わせ、アースカラーを主体に“迷彩っぽさ”を表現したカラーです。腹部のオレンジは狩人(ハンター)が着るベストをイメージしています。
アースカラーと蛍光色の相性の良さは、多くのスニーカーやウェアが証明している通り、とてもカッコよくまとまります。なにげにまぶしてあるパープルフレークがダメ押しのアクセント。
Plemmons
クランカー界隈において、大定番にしてカルト的人気を誇るカラーですね。このカラーを最初に考えた人は本当に天才だと思います。
例えるならばイケてるトリオバンド。最小限の楽器で説得力を感じさせる。とにかく少ない手数でかっこよく見えるのは、カラーリングの究極形です。
Golden Craw
日本で定番となっているカラーの一つに、キンクロという配色がありますね。よく濁りに強いと言われていますが、「濁っていなくとも投げたくなる」を目指して塗りました。
そんな天邪鬼でキンクロフェチな人に投げてほしい、“金のザリ”です。お財布に入れておくと、金運も上がるとか上がらないとか!?
Bama Shad
ホワイトにシルバースケール、クリアイエローなどを重ねた、BRISKY的解釈のナチュ系カラー。
「ザ・ワカサギ」みたいなカラーが好みではないので、蛍光色など適度に組み合わせ、ちょっとバタくさくしているのがポイントです。
Green Craw
ボーマーのモデルAなどに存在した、チャートベースのクローカラーを意識して塗りました。(現在、モデルAのカラバリでは廃盤っぽい?)
端的に言えば、いわゆるホットタイガー系。これも定番中の定番ですね。なんとなく村田基氏のイメージが強く、カスミ系を彷彿とさせます。古からの刷り込みでしょうか?(笑)
Bloody Red & Mustard
ホワイトとイエローをブレンドしたマスタードカラーに、深みのある暗いレッドを組み合わせた一色。ブラッディレッドというのが、“厨二”っぽくてお気に入りです。
案の段階では「ケッチャプ&マスタード」という、ファストフード的ネームであったのは、ここだけの話。
いや、そうしなくてよかった。ホントに。
High Rock Shad
ハンドメイドクランクの伝説的ブランド「WEC」にラインナップしていた、同名カラーをサンプリングしました。
完成してみたら全くの別物になってましたが、まぁこれはこれで(笑)
頬に塗られたメタリックパープル、カッパーのスケールがアクセントです。
Reyburn Red Craw
シルバーをベースにクリアレッドを重ねた、こちらもキャンディ塗装がベースのカラー。
クロー系カラーの定番ですが、ホワイトのスプラッターは少ないので試しに塗ってみたところ、これが中々に馴染む。
赤と金。じつはとってもおめでたいカラーだったりして。
最終的には30色展開を目指してます
半分冗談で、半分本気の宣言です。
カラーが釣果に及ぼす影響をあまり信じない自分ですが、カラバリは多ければ多いほど、人間側が幸福になるのは一理あるんじゃないかと。
迷いが生まれると、人は考えて検討します。その時間がとても愛おしかったり、いい思い出になったりして。
こだわって選んだルアーに魚がバイトして、ヒヤヒヤしながらランディング。そして、一緒に写真を撮る。妄想しただけで気分も上がります。
ただでさえ釣れにくくなっている現代で、サイズなんて二の次。デカいの釣れたらラッキーくらいで楽しみましょう。
どんな状況でも、クランクベイトで釣ることに価値を見出しているユーザーの方々には、本当にリスペクトしかございません。
自分との戦いを楽しむアングラーに、ぜひ手にしていただきたいクランクベイトです。
BRISKY LURES
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