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【事務長業務実践書を作成してみる】⑤事務長と病院コンサルの業務の狭間と事務長の責任について

 「病院経営コンサルに思うこと」で述べたように、コンサルは事務長の日々のトラブルバスター的なお仕事を助けてはくれません。コンサルの仕事は、経営者から経営方針や課題認識を聞き出し、商材として有している解決手法を経営者に買っていただくことです。
 勿論、トップダウン的に、他院での成功事例や、ひな形を流用して試行することには一定の価値はあります。しかし、病院が主体の自律的かつ目的的な取り組みに繋げないと、途中で停滞、解体してしまうリスクがあります。
ですから、事務長は、経営者がゴーサインを出した時には、何をすべきかをあらかじめ考えておく必要があります。

1.コンサルのメニュー(テーマ)

主なテーマとそのキャッチコピーは以下の通りです。

①    戦略立案

 病院の長期的なビジョンや目標を策定し、それに基づいて、長期的な戦略計画を策定します。市場調査や競争分析を通じて、病院の強みや弱みを把握し、戦略的な方向性を示します!

②    組織・業務手順の改革

 経営方針に基づいて、組織改善: 病院内の組織やプロセスを評価し、改善点を特定します。効率性や効果性の向上のために、組織の再編成や業務プロセスの最適化を図ります!

③    品質管理

 医療の品質向上や安全対策に関する支援を行います。品質指標の設計や監視体制の確立、患者満足度の向上などを目指します!

④    財務管理

 病院の財務状況や収支改善のための戦略を策定します。収益改善やコスト削減策の提案、財務分析やリスク管理の支援などが含まれ経営の安定化を図ります!

⑤    マーケティング

 病院のブランディングやマーケティング戦略の策定、広告やプロモーションの企画を行います。市場ニーズの分析や競合環境の把握を通じて、病院の市場シェア拡大や患者の獲得を図ります!

⑥    ICT(情報技術)の活用

 医療情報システムの導入や運用に関する支援を行います。電子カルテの導入やデータ分析の支援、セキュリティ対策の提案など、情報技術の活用による業務効率化やデータ管理を向上させます!

⑦    人材育成

 医療スタッフの教育・訓練プログラムの策定や実施、人材採用や評価制度/目標管理制度の構築など、人材育成に関する基盤を構築します!

2.コンサルテーマにおける事務長の責任

 これらのテーマに関して、経営者が納得すれば、コンサルの思惑通りの進め方で、コンサルの商材を受け入れる形で漕ぎ出すことになります。
 テーマで設定された狙いに問題はありません。問題は「実践するのは経営者でもコンサルでもなく現場のスタッフだ」ということです。事務長には運営の責任がありますから、事務長の責任は重大です。

 コンサル側もそれは十分にわかっていて、大抵は旗振りを、キーマンという位置づけで事務長に託して、テーマの推進と定着化の業務を引き継ごうと画策します。歯車がかみ合わないとせっかくの経営者が承認した改革が進まなくなります。つまり、事務長は自ずと責任重大ということになるのです。

3.コンサルと事務長の役割分担(表付き)

 では、どこまでをコンサルがやり、どこからを事務長をはじめ病院側でやるのが、合理的且つ効率的な役割分担なのか、その線引きが最重要になります。いつのまにかコンサルは手離れしている、逆にいつまでもコンサルがコントロールしようとして現場が動かない、など問題が生じてしまいます

 上記①から⑦のテーマごとに、それぞれの役割・業務を具体的に表にまとめ、Excelファイル化しました。
              ↓以下のイメージ

主なコンサルティング業務の主要分野と、それを受けた病院事務長の業務・役割について (解)

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