安宿が見つからない

安宿が取れなくなった。
とくに土曜日。
2週間くらい前に探しても、特に東京や大阪、京都では1万円以上出さないと宿がないということが起きている。

ビジネスホテルに泊まっている人は、それをもっと早くから痛感していたかもしれない。
8000円ほどで宿泊可能だったビジネスホテルが、当たり前に12000円ほどに値上がりしている。
食事も出ないのに、寝るだけでこの値段は高すぎる。

私は基本ドミトリーベッドでの宿泊を良しとしている。
周りの人は怖いというけれど、今までのところ怖い目に遭ったことはない。
不潔だと思う宿はあるけれど、そこは目が悪い振りをしてやり過ごす。
安ければ、隣のベッドに女性が寝ていようと、外国人が寝ていようとそれを拒否するものではない。
とにかく体を洗って、足を延ばして寝ることができる、
できるだけ安い宿を探している。

ブッキングドットコム、トリバゴ、トリップドットコム。
安宿を探す私の強い味方。
大抵はどこかを見つけてくれるが、ここのところ土曜日の大都市圏では、これらの業者のサイトを使っても、安宿が見つからなくなってきた。

一時は「快活クラブ」を愛用した。
でもある夜、一晩中人の足音が聞こえて、満足に寝ることができなかった。
あれが私の中の「快活クラブ」のイメージを悪くした。
快活クラブが悪いというより、その日の私の運が悪かったのだと思う。
でもそれまで壁が薄いことや、足を完全に伸ばせないことは、安いという魅力の前で、どうでもいいことだった。
でもあの夜はどうにも眠れなかった。
うとうとしたと思うと、すぐに足音で起こされる。
最悪の夜になった。
あんな夜を体験して、翌日のドライブに支障が出てしまうと、「快活クラブ」の利用に、二の足を踏むようになってしまった。
フリードリンクや、フリーソフトクリームなどが付く店舗もあって、今でも愛しているが、一番の定宿の地位からは転落した。

半年ほど前までは、新宿でも京都でも4000円出せば、宿泊できる場所が見つかった。
今でも平日であれば、大抵そのくらいで泊まれる宿が見つかる。
ところが土曜日の都心部は、本当に宿がないらしい。
コロナ禍のホテルが、一流どころでも驚くほど安売りをしていたのを思い出す。
どちらが幸せかと聞かれれば、自由に移動できる今の方が幸せに違いない。
でも一気に増えたインバウンド需要せいで、日本のリッチではない層が東京で一泊することもできないのは、何とかしてほしい。

今の私は、横浜や、八王子に安宿を探すようになっているが、都心部で人に会うことを考えた時に、宿までの移動時間がばかにならない。
かつては入れ替え制の無い深夜映画館や、サウナを利用したものだけれど、だんだんそういう場所も減ってきた。
朝まで空いているはずだったファミレスも、今は深夜12時ころにいったん店を占める店舗が増えてきた。
最初から東京に住んでいて、そこの地理に詳しい人たちはそれでも居場所を見つけられるのかもしれない。
でも田舎に住んでいて、東京に1年に1回か2回出かけていくものとしては、都心部の安宿は譲れない。
安宿経営者の皆様。
大変でしょうが、何とか宿を続けてください。
心から応援しております。

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