浴室での死亡事故2万人

先日、中山美穂が亡くなった。
浴室での死亡。
自殺ではないかという雰囲気もあったが、単純に事故だったということがわかった。
風呂に入っていて、死ぬなどということがあるのかとのんきに考えていたが、割とそういうケースはあるらしい。
 
なんと年間2万人。
風呂の中に浸かっていて、死亡する場合もあるし、入る前のヒートショックで亡くなることもある。
いろいろなケースがあるにしても、交通死亡事故の約3倍。
風呂に入りさえしなければ、死ぬことがなかった命が、風呂に入ろうとしたことで失われたことになる。

年をとったら、浴槽を温めてから、風呂に入れということは言われる。
できたら、脱衣所も温めておいた方がいいという言葉も聞いたことがある。
でも交通ルールほど厳格に教えられた覚えはない。
「歩行者は右側を歩け」
「赤信号は止まれ」
「バイクや自転車はヘルメットを被れ」
このくらいの勢いで「風呂を温めてから、服を脱げ」を徹底できたら、死者は減るのではないか。

私は、風呂がそんなやばい奴だと知らないまま、ここまで来てしまった。
睡眠不足で風呂に入って、うとうとしていたことがある。
心地いい。
寝落ちすれば、水を飲んで起きるだろうと簡単に考えていた。
でももしあの時、本当に寝落ちしていたら、水を飲んでそのまま死んでいた可能性もある。
風呂は癒しの場所で、安心を与えてくれる空間だとしか思ってこなかった。
 
でも年間2万人の命を奪うということは、立派な殺人兵器だと考えていい。
言い方は大げさだが、もう少し、きちんと警告することで、風呂で亡くなる人を減らすことができるのではないか。
かつて交通事故で亡くなる人は3万人を超えていた。
その時から現在までに、警察署もだけれど、自動車メーカーのたゆまぬ工夫と、改善があったから、死亡事故が減っていると言える。
無くならないけれど、努力によって死者の数を大幅に減らすことができている。
 
入浴に免許を発行しろと言ったら、大変な暴動が起きそうだ。
でも風呂の改善はウエルカムだろう。
新しく作られる風呂からでいいから、安全装置を工夫して行ったらどうか。
浴室内と、脱衣所はお湯がたまるまでの時間の中で、20度までは温度を上げるとか。
浴室内をAIが監視して、おかしな動きがある時は警告音を鳴らすとか。
現在の技術でも、死者を減らすための工夫はできそうだ。
そしてそれを既存の風呂にもつけることができるようになれば、もっと嬉しい。
私自身も自分の風呂の改良をしたいし、親の風呂にもそんな機能を付けていきたい。

なかなか、脱衣所を温めてから風呂に入ることはできない。
もったいない気がするし、入りたいときが服を脱ぐ時だから。
服を脱いで寒いと思ってから、暖房していなかったことに気づく。

このことのリスクがどの程度かは知らない。
でも年間死者が2万人あるのなら、ヒートショックによる死者数も、馬鹿にならないだろう。
調べてみると年間17000人。
入浴中の事故よりも、ヒートショックによる死亡の方が多い。
人間には習い性があって、年をとってから習慣を変えることは難しい。

何とかメーカーの力で、死者数を減らせないものだろうか。

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