「若草物語」正直不完全燃焼だ
堀田真由演じる主人公の町田涼。
一ノ瀬楓演じる行城律。
二人の恋の行方が最後まで描かれた「若草物語」の最終回を見た。
4人姉妹の次女である涼は、長女の恵と、三女の衿が結婚をし、末っ子の芽が留学したことで一人になる。
脚本家の仕事のチャンスがやってきたために、充実した毎日。
でも結婚を申し込まれたことで関係が壊れてしまった律とのことを解決できないでいた。
最終回。
涼がどんな結論を出すのか。
結婚を受け入れるのか。
それともそれ以外の方法があるのか。
律から、友情の証であったボールペンを返却される涼。
その後、涼に、どんな精神的葛藤があったのかはよくわからない。
私は、そこのところが一番興味があった。
でも私には理解できない状態で、涼は、そのボールペンを律に返しに行く。
返しに行くものの、涼から律への明確な言い訳も、自分の心に関する説明もなかった。
少なくとも、そういうものが無いままに、涼は律との友情の回復を依頼した。
そして律は、そのことを受け入れた。
律の涼に対する思いは、友情などではない。
一貫して恋心。
でもそれが恋であることを告げてしまえば、2人の関係が終わることを、ずっと涼のことを見ていた律は感じていた。
だから、離れてはくっつき、離れてはくっつきしてきた。
二人は大人になり、結婚をしてもいい年齢になった。
涼はその年になっても、恋愛とか、結婚とかは考えられないという。
律は、それが耐えられなくて、涼の心をわかっていながら結婚を申し込み、振られる。
振られて、友情も解消される。
これはもう、ここまで描いたところで、恋愛をした男と女の物語になったと思った。
友情の物語でいたかったのは女性だけで、男性はそうはいかなかった。
だとしたら、今回の最終回で描かれた、涼と律の友情は、今後も好きになったものの弱みで、律の一方的な我慢によってのみ成立する。
女は、これは友情であって恋愛ではないと主張する。
キスもさせないし、ましてや抱かれることもない。
男は、恋心を抱いた女性を抱きたいと思うし、結婚したいと思う。
女性の側に、明確な抱かれることができない理由があるわけではない。
ただ自分は恋愛したくないという説明だけ。
その説明だけで、一人の独身男性を、飼い殺しにするのはどうなのだろう。
涼は、律のことを好きでいる限り、ずっと童貞を貫くのか。
それとも、他の女性と恋愛をして、結婚もするのか。
結婚相手に選ばれた女性からしたら、自分の亭主が、かつて結婚を申し込んだ人と、友情という名前でずっと付き合い続けているのはどうなのか。
新しいドラマのカタチを描こうとしたのはわかる。
涼は、本当に恋愛も、結婚も考えない。
でも友情は大切にしたいと考える、
今どきの女性としてあり得るかもしれない。
そこまではドラマの設定についていくことができた。
でもやはり、最後に律の気持ちとか、律の人生を解決してやらないと、このドラマは気持ちが悪い。
涼のことを、我儘で、自己中心的な女性だと思って終わりたくはない。
でも結果として、そうなってしまった気がする。
なんだか不完全燃焼だ。
ドラマの見方が、浅かっただろうか。