中居君が引退した

中居君が芸能界を引退した。

次々と中居君の冠番組が終了していく。中居君を擁護する声は響かない。そんな中、有料のファンサイトで、突然引退を発表したと報じられた。

芸能人は、引退していようとしていまいと、求められなくなれば世の中に出ることはできない。でも引退を宣言することは、これからの復帰の可能性を自ら断ち切ること。

個人事務所であり、いつ復帰できるかわからないまま、事務所の経営を続けることは、スタッフを無駄に傷つけることになるのかもしれない。どんな理由があったのかわからないけれど、一番はモチベーションが保てなくなったということなのだろう。
 
中居君が女性との間にトラブルがあったことは本当らしい。いくらかのお金を払って、そのトラブルの内容については、お互い話さない約束もできている。示談が成立している。

だとしたら、2人の中で何があったかは、2人の中の問題でしかない。その問題が、フジテレビ全体を巻き込んで、どんどん大きく成長した。

接待に使われたと言われるフジの女子アナ。そこに連れて行って、上納したとされるフジの社員。こちらの組織的な問題については、そこで取り調べが進むのだろう。

でもそのことと中居君のことがどこまでリンクするのか。そもそも中居君のトラブルの対象が、フジのアナウンサーかどうかもはっきりしていない。

類推に、類推が重ねられて中居君はとんでもない「性のモンスター」のような印象がもたれてしまった。

権力を利用して、共演者の女性のうち、気に入った人を自分のところに呼んで、性の奴隷にする。本当にそれをしていたのなら、類推ではなく、はっきりと事実関係を調べて、逮捕するべきだ。性犯罪者として、逮捕されたのなら、中居君が引退しても納得する。

そんな人間が、毎日お茶の間に笑顔を届けられても困る。でも事実を確認しようという動きにはならなかった。嘘かホントかわからないような、断片的な噂だけが飛び交う。その中の最悪のシナリオが、事実であるかのように認識されていく。

今、中居君が、自分のSNSで何かを語っても、火に油を注ぐ様なことにしかならない。私たちは、自分で自分の言葉で語る場所を得たと言われるけれど、一度炎上状態になると、何も伝わらなくなる。

中居は悪。そいう言う色分けがなされると、当面の間はこの色が変わることはない。半年か、一年後に、何故あんな風に思っていたのかと、冷静に反省することはあるだろうけれど、その反省をした時に、傷つけて、葬り去った芸能人はいない。
 
怖い世の中というと、この世の中を変えられない気がするから、嫌な世の中になったと言おう。

世の中が、もともとそうだったわけではない。

多くの人は、この感じを快適だと思ってはいない。でも止められない。止める方法がわからない。もし止める方法があるとしたら、「安易に個人攻撃をして、世界から追放するのは辞めよう」という言葉が、もっと多くの人によって共有されることだ。

社会人として生きている人は、誰もが共通してこんな仕打ちを受けるという訳ではない。芸能人として、世の中を明るくしたり、笑顔を届けようとしたりしてくれている人たち。

彼らを陥れることは、私たちが見ているエンタメをつまらないものにしてしまうと思う。

悪を許せというのではない。
雰囲気だけで人を裁くのは辞めよう。
やめてほしいと思う。

いいなと思ったら応援しよう!