鉄道防雪林という言葉を初めて聞いた

北海道新幹線の新青森駅から、青森駅は奥羽本線が走っている。
でもその先を普通列車で盛岡まで南下したいと思うと、もうJRの線路はない。
そこから先は「青い森鉄道」と「IGR岩手銀河鉄道」を乗り継ぐことになる。

青森駅で、どうやって青い森鉄道に乗ったらいいのかを駅員に聞いたが、駅員が乗り方を知らない。
事前に買っておいたRYDE PASSの「盛岡割引切符」3500円を見せたが、そのチケットで通過できるかどうかわからないのだという。

青森駅の改札から少し離れたところにある「青い森鉄道」のチケット販売所で確認をするように言われる。
仕方なくチケット販売所まで足を運び、チケット販売所の女性に、RYDE PASSを見せるとこのチケットでいいと言われる。
もう一度青森駅の改札に立っていたおじさん駅員に、携帯の画面を開いて「盛岡割引切符」を見せながら、「このチケットで良いそうです」と伝える。

それによって問題なく改札を通過することはできたが、駅員が対応できないスピードで、チケットの電子化が進んでいることがわかった。

この青い森鉄道に乗って、ぼんやりと車窓を眺める。
すると飛び込んできたのが「日本最古の鉄道防雪林」という看板。
野辺地という、海沿いにある駅。
特別雪が多いようには思えない。
でもそこに、初めての鉄道防雪林が植えられたらしい。

鉄道防雪林という言葉を初めて聞いた。
驚いてよく見ようとしたが、間もなく、列車がスタートしてじっくりその正体を確認することができなかった。
でも後から確認すると野辺地駅ホームの西側2キロに渡って続く700本の杉林が、「日本最古の鉄道防雪林」ということらしい。

鉄道防雪林というのは豪雪から、鉄道を守るために植えられた杉林ということのようだ。
 
そう言えば、青い森鉄道の周辺には、杉林があちこちに見受けられる。
鉄道に寄り添うように、杉林が現れる。
でもその林は、杉の木を真剣に育てているにしては、細い杉が多い。
きちんと手入れのされた杉林。
でも杉を育てるには、少し密植すぎるように思える。
でもこれが鉄道防雪林で、雪深い青森の鉄道の周辺には、この鉄道防雪林が植えられてきたに違いない。

言われてみれば防雪林に限らず、国道の一部も、横風から道路を走る車を守るための防風柵が設けられているところが多い。
私が通過した日は、それほど風が強い日ではなかったが、おそらく強風が吹き荒れる日があるのだろう。

遮るものの無い水田の真ん中を走る国道。
この国道に吹き付ける風から、車を守るために作られたのが防風柵。
そして同じく鉄道を守るために作られたのが、防雪林ということなのだろう。

この防雪林。青森県だけではなくて、岩手県に行ってもしばしば見受けられた。
青森県側が青い森鉄道。
岩手県側がIGR岩手銀河鉄道。
この境界にあるのが「目時(めとき)駅」。
青森県最南端の駅ということになる。

岩手県に進むと、次第に雪の量は減り、空も明るくなる。
それでも、防雪林は鉄道付近の景色を作るのにも貢献していた。
江差追分を流しながら、銀河鉄道が走る。
この銀河鉄道の最南端が盛岡駅。

盛岡からは、東北本線につながる。
せめてこの主要な区間くらい、JR線として維持することはできなかったのかと思う。
その一方で、地元の人たちの指示を圧倒的に受けて、愛されているという感じがする鉄道線でもあった。

どちらが地元の人にとって快適なのだろう。

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