第21章 自分らしく生きられない!

何度か愛と紗希になゆが存在したことを話すが、

愛と紗希はなゆのことを知らないと言うばかり…

脱却アプリは私のスマホから消えたまま戻ってこない。

そのため…月加にも連絡できないまま

私は麗華と薫と一緒に警察署に行き、本人だと証明した。

その時はなんだか…2人に連行されている気分だった。

私は竹下なゆさんの住民票や戸籍?を警察署で見たが入っていなかった。

今までのことを警察署に話そうか。

でも自分が今まで仮想空間にいた。

戦後    から令和5年の2023年にいる子供たちが

最下位になったら処分される、最下位前はいじめられるという

仮想空間にいましたって?

2023年でそんなことを言ったら、

どこかのアニメみたいなことだと言われるかもしれない。

なゆはいない存在になっていたし…

もしかして、今までのは夢だった?

でもなゆの行方不明者の張り紙から消えていったのを

この目で見た。

私は

夢じゃないだけど、どうしたらいいんだろう?

私たちは警察署から出て私のお母さんを待つ…

数分後お母さんが車で向かいにきてくれた。

車に降りて私に近ずいてくるお母さん…

お母さん!

「海緒!」

「お母さん!!」

私とお母さんでお互いに抱き合った。

「あら、そっちの方はお友達?」

「えっとまぁその、」

私がモゴモゴしていると

「はい、私たちが海緒を見つけました。」

お母さんは愛と紗希に

「ありがとう」

とお礼をいい

お母さんは私の方に視線を移し、すぐに私の異変に気づいてくれて言った。

「あら?海緒?どうしたの?」

すると愛が代弁するようにお母さんにこう言った。

「海緒、行方不明時に誰か友達がいたみたいだけど

その子がいなくてガッカリしているみたい…です。」

お母さんは一瞬瞳を曇らせ高い声で

「そう…」

と言った。

おっお母さん?

「さぁ、うちの子海緒を見つけてくれてありがとう

愛と紗希ちゃんだっけ?車に乗るわよ?お礼にうちへいらっしゃい?」

そう言いお母さんは車に乗ってしまった。

愛と紗希はいや悪いですよ〜といっていたが

「じゃちょっと海緒ん家寄って行こう!」

と言い出してちゃっかり乗ることにした。

「後で、テレビや新聞で取り上げられたらどうしよう?行方不明のクラスメイトを見つけました。って」

と愛の声が聞こえてきた。

「ねぇ?」

と紗希は言った。

うっうーん 愛…紗希…もしかしてそれが目的だったりしないよね?

というか…お母さんなんか様子が…なんだか…

どうしたんだろう?

あっそういえば!

「2人とも?学校は?」

と私が聞くと紗希は

「あ〜今、夏休みだよ。うちらショッピング寄ってきたとこなんだ。」

と言った。

そっか…今は夕方だし…

私たちは車に乗る。

お母さんは前の座席の運転席に乗り、私、愛、紗希は後部座席に乗る。

「お願い、許して、いじめしていたこと…だまっててくんない?」

と隣から愛にささやかれる。

わっわかったよ〜というか一年も経っちゃったし…。

ロボットに追いかけられた時の方が衝撃的というか…私はうんと頷いた。

私は久しぶりに自分の街を見るために車の中から窓を開けた。

これが外の世界!久しぶりだなぁ。

小学校の時遊んだ公園 家族小売店、大型ショッピング…

歩行者と車道用がある駅の踏み切りを渡り家の近くで食べていた食堂屋さんを通る。

そっそういえば先生が言っていた変わることはできても失うものもある

どういう意味なんだろう?

失うもの?

なゆ…だっけ

あの子がいないことになっていた…

あの仮想空間で…

未来人の2人がいっていたこと未来を…私が覚えているから防げるんじゃ?

昭和時代や70年後の子…………!

あれっ未来人2人?あの子?なんで?どうして!

私は頭を抱えた。

「うう〜ん!」

おっ思い出せない!一緒に脱出していた仲間が!誰だった…け?

愛と紗希はどうしたの?大丈夫?って声を掛けてくれていたが

お母さんは静かに運転をしていた。

おっお母さん?やっぱり何か様子がおかしい?

自分の久々の我が家に帰り部屋に入る。

玄関を入り、玄関前の収納部屋、トイレを通り過ぎ、

二階に登り愛と紗希で部屋に入る。

はぁ なんだろうこの感覚。

部屋に入り目の前の遠くを見ると朝になったら太陽の日差しのよくなる窓

右に机そして、

私の愛しのベット!隣には熊のぬいぐるみ。

私は思いっきりベットにダイブしぬいぐるみを抱きしめる。

ただいま。

家がこんなにありがたい存在だなんて、

もっもう体育倉庫のマットじゃなくていいんだ。

はぁ、やっぱりみんなのことが思い出せない!

あの子たち…大丈夫かな?

私はベットで仰向けになりぬいぐるみを抱きしめる。

その時、お母さんがドアから入ってきた。

お母さんは私と2人のためにジュースを持ってきていた。

部屋に入ってきたお母さんは静かだった。

ん?あれ…お母さん?

私はお母さんの表情をみていた。

しかしお母さんの目の色がおかしかった。

お母さん?

次の瞬間!

ガッシャーン!!!と音がして私と2人のためのジュースが

こぼれてしまいガラスが割れてしまった。

「あー〜〜〜〜ジュースが!!!」

お母さんはそう言い

「ごめん、ごめんね?今あたらしいのを持ってくるね?」

と言いながら、こぼしたジュースを片付ける。

愛と紗希は

「あっ大丈夫です。」

「手伝います。あっ、タオル…」

愛と紗希は私のお母さんがこぼしたジュースを拭き取るために廊下を出て

一階で私のお母さんからタオルをもらう。

私も一階に戻り脱衣所からタオルを持ってきて

愛と紗希と一緒にこぼしたジュースを拭き取り、部屋を片付けていた。

リビングに行き、タオルを持って、台所で洗おうとしていると

受話器の音がしてお母さんがその受話器を取る

お母さんはリビングで受話器を持ってお話をしているみたいだった。

「あっあなた海緒が帰ってきたのよ。どうしてまた仕事仕事って!」

すると受話器側からお父さんの声が微かに聞こえてきた。

「すまない、真紀!」

そっか。お父さんはまた仕事か、お父さんはいつも忙しいからなぁ。

ってあれ?今さっきお母さんのこと真紀って…

真紀?

あれ?確かあの子の名前は!

あれ?なんだったっけ?

「海緒?」

「大丈夫?」

と呼ぶ声がする

気づけば愛と紗希もリビングへとやってきた。

「もしかしてまだ…あの子のこと?」

と愛が言う。

あの子…たくさんのロボットと戦った仲間。

黒服の先生が言っていたけど…失うものってなんだろう?

「愛ちゃんと紗希ちゃんだっけ?2人とも?今日…晩御飯食べていく?」

とお母さんの声が聞こえてきた。

お母さんはお父さんと話が終わったからなのか…

受話器を置いて 愛と紗希に聞いていた。

あの子…というか今は…何時だろう?

私はリビングの時計を見る

8時!

そういえば私…お昼食べてないや…ロボットに襲われたりして…

お腹空いてきちゃった…

「あっいえそろそろ帰らないと私んち弟がいてお母さん、

仕事で忙しくて弟の塾の迎え行かなくちゃなんで、」

と愛は答えた。

そっそっか。確か。愛のお母さんは忙しくて…

愛は5歳の弟の塾を送り向かいしているんだっけ?

確かにこの時間は危険だよね。

「海緒!私は好きなアニメを見るために帰らせてもらう。

一年前は沙由里に逆らえぬかったから」

と紗希は右手と左手を前に手のひらを見せて顔に持ってきて

何かポーズをとりながらそう言い

そっそっか、ぬ?ぬって、そのポーズはなんだろう?

ふふっ 別にここで見ていいのに…

「あっありがとう!2人とも!夜遅いのに…」

と私は言った。

すると愛と紗希2人は「いえいえ〜」と言って笑っていた。

愛と紗希は帰ってしまった。

そして…お母さんとの沈黙時間が続く。

私はテレビをつけて今やっているのは何かチェックしてみようっと!

しばらくして晩御飯の用意ができたようで呼ばれて私はテレビを消す。

私にお母さんは皿を用意してくれた。

パスタをもってくれた。

で…私もお母さんに皿をもってあげた。

お母さんは「ありがとう海緒。」

と言っていた。

あれ?様子が変なのは気のせいだったのかな?

私とお母さん2人で「「いただきます。」」と言い食べる。

十数分後私たちは食べ終えた。

んん〜お腹いっぱい!ふう…

あっそうだ…ちゃんと言わなきゃ!

私は皿を片付け改めて席に座る。

お母さんと話ししていたあの場所。

あの学校のこと…

私、お母さんを困らせて不登校になっちゃって一年も

行方不明になっていた。

お母さんを困らせたくない!って思ったけど、私、

いじめは…一年前の出来事で私…不登校になってしまった。

仮想空間にいてこの場所…この町で行方不明…学校も一年も休んじゃって……

私、あの仮想空間にいた時、

数十年も閉じ込められているあの子を助けた時

【大丈夫!君を理解してくれる人はきっといる。】ってこの言葉。

どこかで聞いた覚えがあるような気が…

特別教室棟の二階で…ヤンキーの男の子に答えられなかった

外の世界…

図書室で、昭和…お母さん達世代の子の封筒を取り返して

見た記憶…

自分らしく学べる場所?

あっ!思い出した!確かその名前は!

私はスマホに検索しながらお母さんに言った。

「おっお母さん?あのさ…私…

一年も学校不登校になっちゃったじゃん

私、入るよ!あの学校!」

私はポケットに入れていた。スマホを出し

【通信制高校】を検索した。  

しかし…

その中は…こう書かれていた。

【2010年から通信制高校は廃校しました。】

【2010年から通信制高校は廃校しました。】

【2010年から通信制高校は廃校しました。】

【2010年から通信制高校は廃校しました。】とずらっと並んでいた。

なんで…どうして…廃校になっているの?私の知らない2010年代に何があったの?

そういえば、この学校を見つける前に…もう一つ…見つけた気が…

フリースクールだっけ?

そこも調べてみよう!

私は【フリースクール】と検索をしたが…

あっあれ?いくら検索しても…出てこない…

そんな…

外の世界はあるんじゃないの?

可能性があるんじゃないの?

昭和…お母さん達世代の…あの子は…その子は行くことができたんじゃ?  

未来はその学校はいつか個人コースになるって龍鬼も言っていたし…

変われるんじゃないの…私…

外には…可能性があるんじゃないの…

私は嫌な予感がした

ドックン!

その時、お母さんがこう言った。

「海緒。

その学校はね?10年前から廃校済みよ

フリースクールはとっくの昔から潰れてるわよ

はぁうちの子が人生終わりだなんて!」

おっお母さん?

嘘…私…変われないかも…

私は席から立ち上がってリビングから出て自分の部屋に駆け込んだ。


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