第20章 外に出られたけれど…
幸は私たちを見回す。
そして私と真紀を見ると、
「ここは、学校の外、あの白い空間の中にある建物だよ?。」
と幸は答える。
「会長…覚えてないの?僕のこと」
と幸は言う。
「うん。あなた、幸くんって名前なの?」
と真紀は言う。
幸は俯き、口を震わせる。
今度は私の前にきて。
「はい!これっお姉ちゃんの勉強用タブレットでしょう?
これ、返すね?」
と言い私は両手に手錠で繋がれた状態でタブレットを受け取る。
なんだか脱出するためにロボットと戦ったり色々とたくさんありすぎてタブレットが懐かしくなったが
私はタブレットを床に置く。
この縛られた場所で学ぶのは…もういいや。
新しいステージに進まないとだよね?
ガラッ
ドアを横に引いてやってきたのは2人の男子学生だったけど
ん?幸の様子はなんだか俯いていた。
三人の男子学生は私たちを見回す。
「ああ、おまえら〜やっと捕まったんだな?
先生に見てこいって言われたけど…はぁだる〜」
「でもこれで授業が再開されるな?」
「あっ」
っと言い三人の男子学生の一人は真紀の方を見て質問した。
「あれ?おまえ生徒会長だよな?あの映像でもそれを見たし…
なんで一緒に捕まっているんだ。」
三人の男子学生の一人がこう答えた。
「ん?ああこいつ自分から先生の駒をやめたんだって!
生徒会長今この世界でいないみたいだよ?」
「へー、じゃ〜こいつら〜もうすぐ人生終わり…
「死ぬってってわけか〜」
と三人の男子学生は言う。
私たちは一生に三人の男子学生にこう言った。
「「「「「私たちは死なない!
他の可能性だってある! 外の世界はある!」」」」」
すると三人の男子学生の一人が笑ってこう言った。
「はっ!外の世界ね〜」
「外の世界…可能性…」
と幸くんが何かを呟いた。
すると三人の男子学生は一生に幸くんを見てこう言った。
「おい!あれっおまえって幸だよな?」
「えっお前…」
「わりい〜存在感なかったわ〜元処分者?」
処分者?
すると三人の男子学生はこう言った。
「そうこいつ処分者だよ?
「何十年間ずっと逃げていた…やっと捕まったけど…」
「こいつ…先生の駒になったんだよ!」
幸くん…駒に?
「ああ!
ちなみに俺らも駒だよ〜先生の〜おまえも駒か幸〜」
三人の男子学生のうち一人がそう言った。
幸は口をもごもごと動かしていると三人の男子学生のうち一人は、真紀と幸を交互に見てこう言った。
「あっそういえば
あのあとどうしたんだよ?採点のことや処分者ってバレちゃったんだろ?
こいつら一緒に勉強していたじゃないか?」
採点?勉強?
すると
「うっ!う〜」
と真紀が手錠で繋がれた状態のまま寝ながら手で頭を押さえ出してうなり声を上げた。
まっ真紀?
「真紀姉ちゃん?思い出した?」
と幸は言った。
真紀は幸くんの方を見てこう言った。
「ごめん!ごめんね?」
すると三人の男子学生は笑ってこう言い出した。
「へっ!もしかして仲間割れか〜」
「幸のこと忘れられてんの笑えるぜ」
忘れているんだ?真紀…幸くんのこと…
真紀は幸くんの方を向いて謝っている。
「ごめん!ごめんね?幸くんのこと…」
と真紀が何か言おうとするのをさえぎるかのように
三人の男子学生の一人がこう言った。
「ああ〜とりあえず!おまえも同じ駒なら…また遊んでやりますか?」
すると三人の男子学生の一人がなれた手つきでポケットから
鉛筆を取り出し
三人の男子学生の二人が
すぐに幸の後ろに周り男子2人は幸くんの両腕を抑え
「へい!鉛筆グリグリ!!」
と三人の男子学生の一人がそう言い
えんぴつで幸の横腹を思いっきり突つき出した。
「うわぁ〜〜、鉛筆痛い!痛い!それやめてくれ〜
そういうのマジで苦手なんだ〜」
と幸は言いしばらくすると泣きだした。
えっ鉛筆で幸くんの身体を突いてるの?
痛そう…これって!
いじめ!
「こっ」
私は幸くんを呼ぼうとしたが、鉛筆を持っている男子学生のうち一人はこう言った。
「遊んでるんだよ俺らは!
死ぬおまえらは黙って俺らの遊びでもみとけ!
口出しするな!」
はぁ!?
「相手は泣いてる…嫌がってんじゃん!それはいじめだよ!」
と私は三人の男子学生に言った。
その時、
「「「聞こえませ〜んへ〜いWキーック!」」」
ガタン
男の子学生三人が急にそう言い幸の足に思いっきり飛び蹴りしたため
幸は床に倒れてしまった。
幸くん!
ゆりこもその状況を見てこう言った。
「やめなよ!そういういじめは!」
「ちょっと何してんの!なんでそんなこと…」
となゆも言う。
龍鬼は未来人だからか?
その状況を見て放心状態になったかのようにぼぉっとしている。
すると男の子が手錠をかけられている私たちに近ずいてこう言った。
「うっせぇ処分者どもが、こいつは、いいんだよ。
図書室の中で、発達障害診断をしたら、こいつ障害者だって!
幸は障害者だから。雑魚
それに先生に選ばれてこいつは駒になってもこいつは下!」
ざっ雑魚?なんですって?それに誰が下とかなんて関係ないでしょ!
その時!
幸が
さっきまで蹴られていたが
三人の男子学生のうち一人の足を思いっきり蹴飛ばし、
男の子はバランスを崩す。
いじめっ子三人はその幸に怯えたのか
「やっやべ〜逃げるぞ!」「おう」
と言い逃げ出し、
部室から出ていった。
え?俺たちが上とか言っていたのに…なんだか…
はっ幸!
私は幸くんの方を見ると
幸は泣きながら、怒りの目でこう言った。
「ここでは合わせて行かなきゃ!先生の言う通りに!
僕は先生に駒にしてくれた…なら…そこでやっていくしかないんだ!
もういじめられないようにしないと!」
そう言い幸は部室から出ようとしていた。
「幸!!ちょっと待って!」
と私は呼びかけてこう言ったが
「僕みたいなやつ、発達障害は明るくなれる場所なんてない!
先生の駒になるしかない!
それしかない!」
幸くんは部室倉庫を出ていってしまった。
そっそんな…幸くん…どうしよう!
そんな時、私の目の前に何かが現れた。
ん?布?タオル?
ピロンと受信が鳴る。
月加さんだ!
私は手錠で繋がれた両手のままポケットに手を入れスマホを掴む。
画面を見るとこう書かれていた。
【今二足歩行のロボットをハッキングして保健室から
ガーゼを取りに向かわせてる! 】
「姉貴だったのか」
と龍鬼は言った。
月加さん!
私は真紀の方を見る
とりあえず真紀の足…
私は手を縛られているため、黒靴を脱ぎ両足の指でなんとか伸ばしてタオルを取る。
この手錠はどうにかならないかな?
ピロンと受信が鳴る。
スマホ画面を見るとこう書かれていた。
【ごめんね?手錠を今外そうとハッキングしているよ?
今はちょっと難解で?もうちょっと待っていてくれる?】
ああ手錠を外そうとしてくれていたんだ。
真紀の足は…手錠を外してからだし…
すると
「海緒…心配してくれてありがとう!今は少し落ち着いてきているよ?」
と真紀は言う。
私は真紀の怪我してしまった足を見て
「そっか…よかった…大丈夫そうか。」
と言った。
とりあえず月加さんを信じて待とう!
するとゆりこがこう言った。
「ねえ?あの男子学生三人が言っていたことなんだけどさ?
発達障害って何?」
「「「「えっ!」」」」
と私、龍鬼、なゆ、真紀はその言葉に驚いた。
そっか…ゆりこは昭和 年…からきたって言っていたよね?
…まだあんまり認知されていないのかもしれない!
ピロンと受信が鳴る。
【龍鬼?その幸くんの?発達障害のこと
真紀とゆりこに説明してあげて?
また現実的なこと…社会的?なことを言うけど…】
あっ!龍鬼と話したあの現実的なこと…
天井裏で聞いた未来のこと…
「コース」や「制度」あれか…
私はスマホ画面をみんなに見る。
私、なゆ、ゆりこ、真紀は、龍鬼に視線を注目する。
「ああ…まじか?また話さないとかなぁ?ゴッホン」
と龍鬼は言い咳をするふりをする。
まぁ私も知っているけど…ごめん龍鬼…未来人の君なら…
龍鬼は真紀の方を見て
「と、その前に…俺の名は朝比奈龍鬼。」
と言った。
「園田真紀です…龍鬼くんあの時はごめんね?」
と真紀は言った。
「ああ。大丈夫か?足?」
と龍鬼は言う。
「うっうん、少し落ち着いてきたかな?」
と真紀は言う。
「えっと…ゆりこ…発達障害っていうのは…」
と龍鬼は言い特性を説明した。
…
そして説明し終えた。
私、なゆ、真紀、ほぉと納得していたが、
ゆりこは目を開けて不思議そうな顔をしていた。
ゆりこは1930年代だ。障害の子とかについてもあんまり認知していない。
そのためゆりこの眉は徐々に固くなっていく。
わからないからなのか?それとも…
人は知らないことを嫌うこともある?
「あっ待って!」
と私は呼び止める
龍鬼は説明した。
「確かに忘れ物が多かったり、時間通りに行動できなかったり。
一方的に話してしまったり、他の人のことを困らしてしまう
部分もあるが、でも、それは練習していけばいい。」
ほうほう!なるほど!と私、なゆ、ゆりこは聞いていた。
ゆりこも龍鬼の話を聞いていた。
ああ、ゆりこ…難しいから眉を固くしていたのね?
ってなんだか、今…これは…道徳?なのかな?そんな授業になってくるような?
でも、幸くんを救うためにも、これから理解してあげるためにも、
私たちが今後行動していけるために。
私は龍鬼の説明を聞く。
「でもいい点がある。
たくさん趣味に没頭できる。創造性があっておもしろい!ユニーク!
と捉える人もいる。中には人前で話すことに恥ずかしがらず
堂々と話せることもできる人がいる。」
「ようは見方を変えればその人たちが活躍していけるわけだ。
例えばコップの中に水が半分入っているとする。
その時、「あと半分しか入っていない」か「まだ半分もある」
と思うか
つまり、「静かにしてはいけないところ」だと周りから迷惑がられるが
「ステージ上」だとパフォーマンスやカッコいいことが
できて活躍できるって事さ。」
と龍鬼が話し終わる。
私、なゆ、ゆりこ、真紀の4人で龍鬼の演説に
私たちは今手錠で繋がれているため肘で拍手をした。
そうだよね。
例え不足やできない事があってもその欠点の中に実は強みがあったり
才能があったり、明るかったりするんだよね…
私の世界、2023年でもまだ偏見を持っている人たちもいる…
ネットとかで…
あの男子学生三人みたいに雑魚なんて言わないで…
私も…みんなも…
周りがもっと良いところを見てあげないとかな?
龍鬼は話続ける。
「幸は…障害だから…そこしかない!周りに合わせていかないと
って言っていたけれど、
明るく強みを出せる可能性があるんだ。
無理に苦手なことをする必要はないよ。
先生たちにはおおかた、悩んでいる部分を利用されたんだろう」
悩んでいる部分を…真紀も! 幸も!
自分の弱い部分を支えてくれる強い人にはついていってもいいけれど、
弱い部分を利用する人とは離れといた方がいいね?
ちゃんと自分で見わけるようにならなきゃだね…
そんなことを考えていると…
「ねえ海緒…みんな…それから
脱出する仲間たちにあやまろうかな?
ごめん!…」
と真紀は急に言い出した。
私、龍鬼、なゆ、ゆりこは真紀の方へ一斉に振り向いた。
「どっどうしたの?真紀?」
と私は声をかける。
「ああもしかして俺の首…」
と龍鬼が言うと、
真紀はこう叫んだ。
「違う!いや…違くないけど…龍鬼のこともごめん…」
と言い真紀はこう言った。
「幸くんのことを聞いてもあるけれど…
みんなの脱出しようとしているところを見て…
私も本当はこの場所…縛られ続ける…この空間がずっと嫌だった。
生徒会長じゃなかったとしてもこの空間は嫌だったのに…
外の世界を知るまでは…海緒に友達からもらった封筒を見て思い出すまでは…
私もここでつらい思いをしていたのに…たくさん甘えだ!なんて言って。
本当にごめんね?
変わらなきゃだよね?私たち…」
真紀…
「だから…私もみんなと同じ…帰りたい!自分の…元の世界に…
脱出は…逃げることは甘えじゃない!そう思っているよ。」
と真紀は言った。
うん!帰ろ!
その時だった。
ガチャン ドントン
えっ?手錠が…はっ外れた?よっよかったぁ。
ピロンと返信がきたので私はスマホを確認する。月加さんからだ。
【ごめんね…遅くなっちゃって?やっと解除できたよ!】
うん!あ、そうだ。私からも返信を入れよう!
【ありがとう】と返信を送る。
その時、真紀が頭を抱えた。
「「「「だっ大丈夫?真紀…」」」」
と私たちで声をかけた。
もっもしかして?記憶を思い出せそうなのかな?幸くんのことの!
「幸くんのことはまだ思い出せないけど…頭痛は…大丈夫だよ」
と真紀はそう言った。
「そういえば先生が言っていたあの忘却空間って…」
と自分の気になる事を質問した。
朝か昼か夜かもわからない…白い空間を忘却空間って
忘却空間装置っていうんだよね?
この学校のあらゆる物や人に
私たち…捕まっている子供達の過去の元の世界の記憶のデータ
元の世界のきっかけを思い出さないよう
クラスも変えたりして学校の中あちこちに隠していた。
誰かが他の子の記憶のきっかけを触ってもそのことを忘れるように大丈夫なように
厳重に隠していたって先生が言っていた。
すると、ピロンと月加からメッセージががかかってきた。
【忘却空間のことなんだけど…
今ね?ハッキングしているんだけど…やっぱり…
中から…龍鬼たちがこの捕まっている子供達と関わって
思い出させてあげないとダメかも?。】
月加…ハッキングしているんだ。
その時、真紀がこう言った。
「あっあのさ〜私ってさ?40年間この世界にいて
小学一年生から高校三年…本当にループしていたんだね?」
と真紀は言った。
すると
「そうみたいだね?私も70年間もこの世界でループしていたよ!
なんだか…同じことを繰り返し…その中で私たちってこの場所にいて
なんの将来もやりたいことなどなくこの世界にきて
意味もなくいじめとか繰り返していたんだよね…」
とゆりこは言った。
ゆりこ…それでつらい思いしちゃったよね…
「あっ幸くんは…記憶を思い出しているかな?」
と私は言った。
その時だった。ドドドドドッドーンとなんだか床や壁から音が聞こえてきた。
まさか!ロボット?
私まだ教えてもらってないよ?
普通教室棟の二階で倒れた学生さんのことについても
私、今…頭痛はないけど…頭痛も…
黒服の先生が言っていたあの変われた先は?って?
私と竹下なゆの世界がどうこう…ってことも!
戦後 年から2023年の子供達がこの世界に閉じ込められているのに…
一人だけ…2048年の子…龍鬼がどうしてこっちに来ちゃったのかも
真紀に会う前に封筒を見たことも?
月加たち…教えてくれるんだよね?
って!
本当は話を聞きたいけど…でも!
今はロボット!
「とりあえず…動けるか?
もしかしたらロボットがくるかもしれない!
ってああ!ロボットスーツ…壊れているんだった!」
と龍鬼は言う。
すると、ピロンと月加からメッセージががかかってきた
私はそのスマホ画面を見る。
【スーツの機能は壊れてないから安心して?】
私はそれをみんなに見せる。
私たちは頷き龍鬼とゆりこは真紀の片を担いで移動する。
「真紀?大丈夫?出るよ?」
と私は声をかける。
部室のドアから出ると部室の外はアパートみたいな形をしていて私達は二階にいたのだ。
ドゴーンと音を立ててさっきまで私達がいたところから処分用ロボットが出てきた。
げっちょっと待って!?このタイミングで出てきたら!
やっやばい!階段に向かう。
四足歩行のロボットと二足歩行のロボットが階段側、
や私達が捕まってしまった場所の隣の部屋
からやってきたため、私達は追い詰められてしまった。
二足歩行のロボット、四足歩行のロボットは銃を構え、処分用ロボットは私達を捕まえようとしている。
そこに私達が捕まってしまった場所やアパートの階段側とはとは反対の廊下の通路
から処分用ロボットが出てきた。
私達は完全に追い詰められる。…
どうしよう!どうしよう!
すると、ピロンとスマホがなる。
私はそれをポケットから手に取る
月加からのメッセージだった。
【飛んで!二階から!】
二階から?
私たちも真紀の同じように怪我してしまったら大変だよ!
その次も送られてきた。
【大丈夫!信じて!ロボットスーツの機能を!】
うん!
私は龍鬼となゆ、ゆりこ、真紀に見せる。
私たちは手を繋ぎ…真紀はゆりこが抱きしめて部室の二階から飛んだ。
すると私達の来ているロボットスーツから、パラシュートが開いた。
多分スーツが違うために真紀のスーツから出てこなかった。
しかし着地成功!
龍鬼とゆりこは真紀を担ぎ、私となゆはそれを手伝いゆっくりと歩き、
アパートみたいな部室から離れて逃げていく。
真っ白な空間の中、また走ってきて目の前に現れたのは、
四足歩行のロボットだった。
「クッソこうなったら!やり方を変える。」
そう言い龍鬼は真紀をおぶり出した。
そっか。それなら!
私たちはただ真っ白な空間をひたすら走るが、後ろを見ると
逃げても逃げても追いかけてくる、四足歩行、二足歩行のロボット達。
私達はついに囲まれてしまった。
ロボット達は銃を出してくる。
「あっそうだ!!月加さんのガードで何かできないかな?」
と私は言った。
ロボット達は銃を撃ち始めた。
ロボットスーツから銃から守るガードの道具が出てきた。
「みんな!一箇所に固まって丸くなろう。」
龍鬼はそう言い私達は外側に丸くなり銃を防いだ。
コツッコツッコツッコツッと誰かがくる足跡がした。
もしかして黒服の先生なんじゃ?
「やばいな、こっちくる!」
ロボット達もそれが伝わったのか。銃を止める。
あれっどうしたんだろう?急に
「あっ、そうだ。今のうちに!」
私達は飛びかかりスーツから出た銃から守るガードの道具で
ロボット達を叩く!
するとロボット達は大爆発を起こした。
壊れたって思っていたけど大丈夫だったんだこのスーツ!
月加さんすごい!
しかし私たちが一箇所に集まっている間に床から
数体の四足歩行、二足歩行のロボットが現れた。
うっ嘘!床から現れるなんてある?
どうしようこのままじゃ!?
四足歩行のロボットと二足歩行のロボットはそれぞれ一体ずつ
真紀をおぶる、龍鬼の方となゆの方に追いかけていき距離が出てきてしまった。
真紀をおぶった、龍鬼となゆは全速力で逃げる。
ちょっと待って!龍鬼!真紀!なゆ!
私とゆりこは追いかけようとするが、
ガシッとゆりこは両腕を捕まれて二足歩行ロボットに捕まってしまった。
「ゆりこ〜」
と私は言い月加がつくったガードを持ち、全速力で走り
二足歩行ロボットに猛突進した。
そのため、二足歩行はグラリとよろける。
その隙にゆりこはロボットの手をから脱出!
しかし今度は四足歩行が迫ってきた。
ゆりこは追いかけられてしまった。
四足歩行!足が四本あるから、ゆりこ1人じゃまずいかな?
私はゆりこの方にかけよろうとするが二足歩行ロボットが起き上がろうとしている。
起き上がってきたらまずい!
私は二足歩行の足首を持ち後ろに倒した。
その時、二足歩行の背中が壊れて何かを発見した。
私はロボットを壊した跡に散らばったカードを見つけたので拾って見ると
【令和5年8月27日】
ん、令和?なにこれ?どうして私の時代のカードが?
そういえば真紀を救うときも、この真っ白な世界で龍鬼と見つけた
画面が浮き出ていてカードを入力してくださいっという
文字が表示されていた場所があった気が…
もしかしてこれを差せば、元の世界に戻ることができるんじゃない?
でも…私だけ戻っちゃダメだ!なゆたちも元の世界!いやみんなで帰らないと!
とっとにかく、龍鬼と真紀が危ない!
カードを持ち、私は真紀をおぶる龍鬼の元へ駆け寄ろうと走る。
あっあそこは?
私の目の前に現れたのは前に龍鬼と一回、この白い空間の中にきたときに
見つけた。
タブレットもないのになぜか…文字だけが浮き出てる画面が見えた。
また「カードを差し込んでください。」って声が聞こえた。
しかし四足歩行のロボットと二足歩行のロボットに道を塞がれてしまう。
背後にいたNo 2の熊の先生に気がつくことができず私は手を拘束されてしまう。
「ちょっくっ離して!」
「カードをこちらに渡してもらおうか?」
とNo 2の熊の先生に言われて私は背負い投げをされる。
いったっ。
その隙にカードを奪われてしまう。
「かっ返して!」
No 2の熊の先生はNO1の黒服の先生に投げる。
NO1の黒服の先生はNo 2の熊の先生が投げたカードを持ち、
すごい速さで走っていく。
だっダメ!早く追いかけなきゃ!!黒服の先生は何をする気なんだろう?
あっあそこは?龍鬼と見つけた
カードを入力してくださいという文字が浮き出た場所!
そこにNO1の黒服の先生とNo 2の熊の先生は私が見つけたカードを挟もう
としていた。
「君はこれを使って戻りたいんだね?
しかし変わることはできても失うものもあるんだ。」
とNO1黒服の先生が言う。
え?失うもの?
ピロン、【転送を開始します。】
と言う声と共にジリリリリリっと砂嵐音の幻聴や頭痛がした。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
大人サイドの海緒。
【元の世界の記憶とここに来たあなたの記憶を戻します!】
真紀…もう一人の真紀…記憶が戻ったんだ。
もう一人の子供姿の私、なゆ、ゆりこ、真紀、
そして私の子供龍鬼…白い空間の中の部室で
捕まって一時はどうかと思ったけど
白い空間の建物部室から無事脱出できたね?
幸くん…三人の男子学生にいじめられていた
幸くんはどうなるの?助けられるかな?
もう一人の子供姿の私だけ脱出しちゃったね?
【あるクラスメイトサイド…
私は目を開ける。
すると私はなぜかクラスのみんなと一緒に教室の椅子の席に座っていた。
海緒を除いて…
そしてあたりを見回す。
ん?ここは…教室?
なんで…私…薫と一緒に…他の生徒に任せて
体育館の倉庫…寝場所にいたはず、
先生の駒になった真紀はあの処分者を捕まえに行ってしまったきり
戻ってこない!
真紀?
クラスの男子や女子たちは
「ん?なんで俺たち教室に?」
「あれ?寝場所は?」
と騒いでいた。
そこには
「麗華…」
と私の名前を呼ぶ薫もいた。
みんなも一緒だったんだ。
「ああもう!俺次のテストやべぇんだった。」
とクラスの男子は言った。
「処分間際にならんようきいつけろよ!」
と言っていた。
そして私たちは教室を出ようとドアを開けるしかし…
開かない!】
【四回目の未来やり直しのもう一人の子供時代の元の世界です。
愛と紗希が転送先近くにいます。】
えっ?みんな…教室に閉じ込められているの?
何?四回目?もう一人の私の…
元の世界の…愛と紗希?
未来やり直し世界…
やっぱり、自分と繋がっているもう1人の私って…
別世界の…未来が変わる前の…世界からきた私なの?
【元の世界の記憶とここに来たあなたの記憶を切断します!】
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
子供海緒サイド。
うっうーん!
私は目を開けると、
学校の周りは今までずっと真っ白な空間だったが徐々に色々な景色が見えてきた。
大きな建物、歩く人々、目の前には本屋さん。
だけど私が向こうの世界にいた学校やロボット達は徐々に消えていった。
私が着ていたロボットスーツはいつのまにか
向こうの世界の学生服に変わっていた。
私は上を見あげた。
わぁー
すごく懐かしい雲や空!
ずっと白い空間にいたから…っ
外が薄暗い夕方だった。
グッグ〜とお腹がなる。
そういえば…私と龍鬼、昼ごはん食べてないよね?
もしかして夕方までずっとロボットと戦ったり逃げたりしていたのかな?
あれ?ずっと白い空間だったからいつが何時か…
なんか…私元の世界に戻るまで…ずっと
カーテンも閉めきってひきこもっていたみたいな感覚?多分?
でも今、私は…やっと空を見て今が朝か夜かがわかる!
外ってこんなに気持ちいいんだ。
ってそんなことしてる場合じゃない!
なゆ?真紀?龍鬼?私だけ…戻ってきちゃった。
幸は?大丈夫かな?
みんなはどうすればいいのだろう。
No.1の黒服の先生が言っていた変わることはできても失うものってなんだろう?
ってあ
私の制服が真っ黒なため歩く人々は私を不思議そうに見つめていた。
どっどうしようか?とりあえず自分の存在に気づいてもらうには、
う〜ん、携帯でとりあえずお母さんに連絡をしてみよう。
ポケットから携帯を取ると久しぶりな人の声が聞こえてきた。
「海緒?」「えっお前、やっやばっ」
その声は、沙由里の取り巻きでいた愛と紗希だった。
「海緒、お前どこに行ってたんだよ。」
と愛は言う。
それに続いて紗希も私の方へ来て
「沙由里は?沙由里は一緒じゃないの?」
と言い私の周りを探す。
えっ沙由里って?沙由里は…
それは〜
なゆと天井裏で再会して移動用ロボットに乗ってあの世界で特別教室棟に
行き、保健室でゆりこと出会いテントの中でロボットスーツを着る前に
話していた内容を思い出す。
【
「それと…いじめっ子…沙由里のことなんだけど…あの子…
さっきは…私…ひどいよねって言っていたけれど…あの子ね…実は…」
そしてなゆはいきなり、私の方へ振り向き早口でこう言った。
また頭痛に襲われて私はまた手で頭を抑えて声を上げる。
「うっ!」
するとゆりこがこう言った。
「海緒…沙由里は…うーうん!いつか…話すね?」
えっ?どうしてゆりこも沙由里のことを知っているの?
沙由里の…本当のこと?
するとなゆ私に手を合わせこう言った。
「ごめんね?今は言えないんだ。」
なっ何だろう?
「大丈夫!いつかちゃんと話すから!」】
ってなゆが言っていたけど…
沙由里は…あの世界にいたのかどうかはわからないけど
沙由里も行方がわかっていないんだね?
私…まだ向こうの仮想空間で
今…頭痛はないけど…頭痛も…
黒服の先生が言っていたあの変われた先は?って?
私と竹下なゆの世界がどうこう…ってことも!
戦後 年から2023年の子供達がこの世界に閉じ込められているのに…
一人だけ…2048年の子…龍鬼がどうしてこっちに来ちゃったのかも
真紀に会う前に封筒を見たことも?
教えてもらっていない!
でも私は元の世界に戻れた。
なゆたちは?
すると愛は私に聞いてきた。
「沙由里、あいつ、海緒、お前が行方不明になった時からずっとうちらLINEで送っているんだけど、まったく返信をくれなくてさ、
海緒なんか知らない?沙由里のうちとか…さ。」
沙由里のうち!?
「愛と紗希、沙由里の家知らないの?いつも一緒にいるのに?」
と私は尋ねた。
愛は
「私たち、教えてもらったことはないの。
沙由里、いつも私たちに隠していて。それにムカつくよね。」
そう言い
「私たち、沙由里が戻ってきたらハブにしようって決めてるんだ!!」
紗希もそう言った。
「そうそう あいつ、家ないんじゃね?あっあと海緒、
去年はいじめをして本当に、ごめん。」
と愛は笑いながら話した。
てっ手のひら返し?だっ大丈夫かな?ハブとか言って?
確かにいじめられたけど、あれっなんかこの世界麗華や薫もいじめをしていたし、
私がいた仮想世界にどこか似ている気がする。
でも、私だけ…出れたんだよね?
「ともかく、どうする?お母さんとかかな?連絡を取るしか、ないのかな?
スマホはある?貸してあげようか?」
と愛が言ったが私は…あの仮想空間にいた時に
なゆと再会しこの世界から仮想空間になぜかわからないけれど
自分のスマホを持ってきてくれたおかげのためスマホがあるので断って…
まずは連絡しなきゃ!
【お母さん、心配かけてごめんね。帰ってきたよ】
私は自分のスマホ画面の中のラインに連絡する。
というかなゆは!!!
「なゆ、同じクラスメイトの竹下なゆ、竹下さんも行方不明だよね?」
と私が言うと、
「ああ あの窓際にいた子もいないよね?」
「つうか竹下さんもいないじゃん。」
と愛と紗希は言った。
「というかうちのクラスに竹下さんも消えてるのってどうなっているの?
怖いんだけど!
つうか、海緒、いつのまに仲良くなったの?なゆって呼んじゃっているし」
と言う愛。
ああそれはね?
スマホの画面の中、脱却!!というアプリを触る。
【なゆ!!】と送る。すると
今度はなぜだか頭がふわふわとしてきた。
ん?なんだろう?これ?
まあいいか?私はスマホ画面を見ると
どんどんとスマホの画面の中、脱却!!というアプリ
が消えていった。
「なっ、なんで?そんな!なゆ?みんな!?」
と私は叫ぶ。
どっどうして!なゆが作ったスマホ画面のアプリが突然消えちゃったの?
もしかして向こうで何かあったんじゃ?
私は顔をあげると壁の張り紙を見つけた。
「海緒?」
と心配そうに愛と紗希は、私を見つめる
私は張り紙を見る。
【相園沙由里 高校2年、行方不明探してます。見つけたら連絡を】
あっ沙由里の張り紙?
【岩下海緒、高校2年、行方不明探してます。見つけたら連絡を】
あっこっちには自分のことへの張り紙が何枚も貼られていた。
そして、【なゆ】の張り紙も見つけた。
【竹下なゆ 高校2年、行方不明探してます。見つけたら連絡を】
あっなゆのも張り紙が…
だけど突然【なゆ】の張り紙が消えていく。
そして沙由里の張り紙と私の張り紙だけが残った。
「なっなんで?どうして?なゆの張り紙が!?」
と私は叫ぶ。
なゆの張り紙が突然一枚一枚と一瞬にして消えてしまった。
えっなんでなゆの張り紙だけ…消えているの?
後ろにいた愛と紗希は驚きのことを口にした。
「えっなゆ?」
「竹下さんって誰?竹下なゆって誰だよ。怖いんだけど!」」
私は愛と紗希の方に振り向いた。
私は嫌な予感がした。
「愛?紗希?どうしたの?なゆ、竹下なゆだよ?
さっきまで行方不明だね?って言っていたじゃん?
張り紙だって!」
と私は愛と紗希に呼びかける。
すると愛と紗希からかえってきた答えは、
「張り紙?張り紙なら海緒のと沙由里のがあるじゃん
というか竹下なゆって誰?」
「さっきまでいないし行方不明って話してたじゃん!どうしたの?愛と紗希?」
と私は呼びかけると、
忘れている?愛と紗希が…元の世界に戻ってきたのになんだか変な感じ。
どうしてなゆが…
愛と紗希は
「海緒?大丈夫?」
と心配そうに見つめていた。
するとピロンと私のスマホから受信が来る。
もっもしかしてなゆ!?よかった
私はスマホ画面を見るそこに書かれていたのは
【海緒、海緒なの?】
とお母さんからのラインだった。
お母さん!!!
…