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"Serenade Promenade"全力感想文(拾遺集)


まえがき

引っ越しと初出勤から生還したので戻ってきたよ。

ありがたいことに、初回の作品は本当に素晴らしい反響をいただいている
あれをきっかけにマリーの魅力に気づいてくださった方も複数名いらっしゃる。なんと光栄なことか。

とはいえ、1つだけ断言したい。
当たり前のことかもしれないが。
あの文章をこの世で一番気に入ってるのは筆者だし、一番読み返しているのも筆者だと。

何が言いたいかというと。
そうしているうちに、やはり気づいてしまうことというのはあるもので。

「なんかこの辺、もっと言っときたいことあった気がするんだが…」
「別に文句言われたわけじゃないけど、もうちょっと説明あった方が親切かなぁ…」

などと思ってしまいがちなのだ。

流石に、あの文にさらに論点を増やし記述を追加しようとは思わない。現時点で一万字超えてんのにさらに上乗せするとか何考えてんだアホタレという話である。
まあ演出とか趣味的なやつは追加してるので投稿直後から千字くらいは増えてるんだけどな。やっぱアホでは?

とはいえ気になるものは気になるし、なにより執筆継続を誓った身だ。
そこで「拾遺集」と題して、あの文に書ききれなかったことや後から気づいたことを書き留めてゆく。

ここでは項目ごとに完結した内容にするので、通しで読む必要性はそんなにない。
なんならふとした気づきでしれっと増えてるかもしれない。
そういうものとして捉えていただけるとありがたい。

一応記しておくが、先般の投稿を読了いただいた方を想定した内容としているので悪しからず。

始めよう。

(2024/11/10 「シナリオについての評価」追記)

私は如何にしてマリーを愛するに至ったか

のっけからぶっちゃけさせてもらう。

まず、筆者は元々マリーが特別好きというワケでもなかった
一応最推しを聞かれたら彼女の名を挙げるようにはしていたが、「何人かいる可愛いと思う子の中で銃の趣味が一番いいと思ったから」という何ともパッとしない理由である。
極論、デザートイーグル持ってたならイズナやアツコが最推しになってたかもしれない。本当にその程度の熱量だった。

実際ナイスデザインじゃない?

…尤も、シスターにデザートイーグルを持たせるという愉快なアイディアが大好きな作品をそこはかとなく彷彿とさせるので、そういう意味で「シスター」という要素にも間接的に惹かれていた節はあるか。
なんにせよ、彼女のパラメータ画面を見れば5秒でわかる程度の情報だけしか見ていなかったし特段それ以上を見ようともしていなかったわけだ。彼女の内面に向き合おうという姿勢を本格的に取るようになったのはごく最近、具体的に言えばそれこそ"Serenade Promenade"開始以降に過ぎない若輩者であることは明言しておく。

さらに言えば、その最推しがメインを張るイベントですらスタートダッシュ決められず3日目になってようやくストーリーに手を付けていたりする。多少リアルの都合もあったとはいえよくぞまあここまで来れたもんだと我ながら思ってしまう。

さて、ではそのイベント期間中において筆者は何を思ったか。
思い出せる限りを書き並べてみよう。


そこに気付いたのは…

実は、「マリーが経験したのは反抗期では?」 という着眼点に初めに至ったのはイベントシナリオ中ではない。

イベントシナリオを読んだ直後の感想は、「ああ、こりゃ皆あれだけ騒ぐわけだ」という程度のものだ。
そしてシナリオ中のマリーの言動に若干の消化不良感を抱きつつも絆ストーリーを読んでみて、彼女が先生の付き添いに半ギレで当てつけを言うシーンで不思議な感覚があったのだ。

違和感半分納得半分

言語化するならば…「マリーがこんなこと言うとは思えない」と同時に「こういう状況でこういうことを言いたくなる気持ちはわからんではない」といったところか。
確かに違和感でありながら同時に幾分か納得もしているという、なんとも矛盾した感想を持ったのだ。

この感覚が気になり、少々視点を変えてみた。
「これはマリーのセリフである」という前提を一旦あえて捨てて、「こういう言動をするのは主にどういう立場の人間か?」を考えたのだ。
結論はすぐに出た。「ああ、反抗期の子供かな」と。

天啓、とでも言えばいいのだろうか。
ここで初めて、イベントシナリオ後半のマリーを「反抗期の子供」とみなす視点を得た。

さらに。
その視点でイベントシナリオを振り返ってみると、マリーの行動について引っかかりを感じていた部分が一気に納得できてしまった。

ひょっとして。
正解…なのか?

所詮はただの思いつき。どれだけ取り繕っても一つの仮定に過ぎない。
これを「解釈」と呼ぶには根拠が全く足りていない

彼女はまだ反抗期を経験していなかったのか?

彼女はそんなに自意識が薄弱で内面の成長が遅いのか?

そんなことあるか?

それを示唆する証拠が、ひょっとしたらあるかもしれない。
ダメ元で他verの絆ストーリーに目を通してみた。

自分が当然にやることは他人も当然にやる、と気づかない

あった。


ヒナタたちがやっているように自分も、とはならない

あっさり出てきた。


最初に気付いたのはこれ

それはもうぽこじゃかと。

変な笑いが止まらなかったのをよく覚えている。

しかも筆者がTwitterで見渡す限り、ここに言及している方は見当たらなかった。

もし本当にこれが自分だけが辿り着いた見解であるなら…誰かに、一人でも多くの先生に知ってほしいと感じた。
この見解は間違っているかもしれないが、知れ渡ればそのうち誰かが指摘してくれるだろう。
誰かの二番煎じだとしても同じことだ。ひょっとすれば、自分よりずっと進んだ誰かの解釈に繋がるかもしれない。
だから…発信してみよう、と考えた。

高校生の頃に多少嗜んだ真似事を除けば、執筆と呼べる行為はほとんど人生初だ。
想像以上に手間で、奥が深く、得るものがあり、そして楽しいものだった。

書きながら各種ストーリーを振り返ったことを契機に新たな気づきを得ることまであった。

「なのかもしれません」の解釈は本当に8457字書いた時点で気付いたものだったりする

非実在の少女に想いを馳せながらキーボードを叩き続けるという異常行動に手を染めたことで、どうやら図らずも筆者の読解力まで強化されたらしい。

そうしているうちに、「ブルアカでは一番好きな子」に過ぎなかった伊落マリーに、人生でも類を見ないレベルで沼ってしまっていた。
初めてのことなので自分に戸惑う部分もあるが、とりあえず後悔はしていない。するわけがない。


シナリオについての評価

これは、先般の記事には書けなかったこと…というよりは、敢えて書かなかった内容だ。
もっと言えば、これは公開してもいいのだろうかと少々悩んだ。

宣言しておく。
筆者にとって"Serenade Promenade"は間違いなくブルアカ史上最高のイベントだ。この評価を反故にするつもりはない。
当然だ。あのイベントのおかげで一世一代の熱量でハマれる最推しができたのだから。

が、飽くまで「筆者にとって」だ。
間違いなく筆者にとってブルアカ史上最高の一幕であったが、だからといって全人類が同じ感想に至るとは思わないし、至るべきとも考えない
そんな御目出度い思考で、あんな記事は書かない。

欠点は、間違いなくあった。
だから「非の打ち所なし」とは言えない。

筆者は欠点も含めて気に入っているが、欠点は欠点でしかない。
自分は気に入っているんだからみんなも欠点を許せ、と他者に求めるほど厚かましくなるつもりはない。

矛盾しているように思われるかもしれないが、何のことはない。
「自分にとって最高」であるために「完璧」である必要はないし。
むしろ「自分にとって最高」であるからこそ「もっと良くなっていたかも」と思わずにはいられないのだ。
そういうスタンスで、この項を綴る。

微妙なところ

シナリオの描写が足りていない。
「このときこの人物はこんなふうに考えたからこういう行動をした」という描写が不十分なのだ。
結果、それなり以上の分量を解釈なり妄想なりで補わないとシナリオの展開についていくことができない。

初っ端のバイク奪取がその最たる例だ。

何の責任が…?

なぜマリーがああまで責を感じているのか。いつの間にヘルメット団が彷徨くような地域にまで出向いたのか。
筆者が見た限り、イベントシナリオ本編中にこれらを説明する描写が見当たらない。
自分で補完もしたが、それは一旦置いておく。

サクラコの写真を破り捨てるシーンもそうだ。

マリーは、肌を見せることに人一倍の抵抗がある。

水着姿で撃ち合う生徒たちを日常的に見てるせいでこっちの感覚も狂いがち

煽情的に写されている写真を見せられて、お世辞にも心地よいとは思えないだろう。
それはいい。

そもそも怒りマーク付くこと自体が初めてじゃないか?

いつの間にあんなに思い切った行動ができるようになったのか。
そこの描写も、やはり見当たらない。

筆者としては「自我を確立させた一環として『自分本位の怒り』という感情を会得したが、その成長が急速であったためにまだ感情表現の加減がわからない」といった具合の解釈をしているが、飽くまでこれも自分で用意したものだ。

マリーの行動以外にも、もうひとつ。

着せかえカメラとかお持ちな感じ?

いや、どこから出てきたんだよ。
仮にも主人公である先生が、いつの間にか身に覚えのない準備をしている。こればかりは本当にわからない。

ついでに、この直前の時点で「衣装の調達が間に合わない」という切実な問題を指摘されていたにもかかわらず。

ドヤ顔してる場合ではない

何なんだ、その余裕は。
先生が準備してなかったらそのまま頓挫まであった状況だろうに。


全体的に「描写の不足」と断じざるを得ない。
それより好意的な評価は、ちょっと期待できない。

言い換えれば、もう少し描写を充実させるだけで、これらは容易く解決する
だからこそ、余計に勿体なく感じてしまう。

マリーが調査結果を提出してから、バイク奪取を敢行するまで。
マリーがユニットのリーダーを引き受けてから、ステージに立つまで。
明らかにマリーの内心を察していた先生が、調査を終えてから謝肉祭を訪れるまで。

いずれも現状空白になっている時間帯だが、シナリオの説得力を増すような描写を加える余地は十分にあるし、そうしておけば上述のような超展開じみた印象は避けられた可能性が高い。

と、いうのも。
本来はそうするつもりだった、そのための布石を敷いていた…無論確証はないが、そうとも見做せる描写が散見されるのだ。

例えばここだ。

この子は…!

心当たりなどまるでない、どころか状況も掴めていないはずなのに、目の前の衝突を自分のせいかと疑ってしまう姿。
幸いこの時は、当事者がすぐに否定し説明を挟んでくれた。

この的確な気遣い、さすがは救護騎士団

おかげで、この時マリーが思い詰めることはなかったが。
もし仮に、ここで誰も止めてくれないような状況だったなら。
「全ての責任は、私にあります」という早合点を、やりかねない。
その可能性が示唆されている。


ここのシーンもそうだ。 

ウタハの言及を通じて、プレイヤーの気付きを促す
これが世にいう「狂言回し」か

ウタハとの会話を通じて、「マリー自身がアイドルに興味を持っていること」「先生がそれに気づいていること」をプレイヤーに強調するシーン。
先生が何故かマリーの衣装を用意していた件について、わざわざ「動機」を明示している。

さらに、先ほど疑問として挙げたこのシーン。

別の意図が本来あったように見えてならない

仮定の話として捉えてほしいのだが。
もしこれが「裏でマリーの衣装を確保する算段をつけていた」…と考えれば、納得いくのではないか?

まずサクラコは、言うまでもなくシスターフッドのトップだ。
また、シスターフッド独自の装いである修道服は、シスターフッド自身が製作あるいは発注していると考えるのが自然だ。

そう考えると、修道服を用意するにあたり、シスターフッドは全メンバーの採寸結果を取得しているとみられる。
そして…言っては何だが、サクラコが少々決めつけがましく配慮を欠く面があることを踏まえれば、他人の採寸結果の目的外利用という問題行為を悪気なく行ってしまう可能性は考えられる。

こことかね

また、ちょうど先生もいることだし「今回は結果オーライだったけど本来よくないことだよ」とでも小言を挟んでおけば、この後の「良かれと思って撮った写真について、広める前に許可を取りに来る」という(いい意味で)サクラコらしからぬ良識的な行動も説明がつく。

事後報告してきてもおかしくないと思ってた

そもそも盗撮がダメだろという話はあるが。

無論、一から十まで仮定の上に立った話であるし、探せば粗だらけの流れであろうことは承知している。
要するに、あの謎のドヤ顔について「ただのミスマッチな反応」ではなく「何らかの齟齬で本来の展開から外れた形跡」である可能性を指摘するものだ。

なお、キャラ下げ寄りの言及が続いてしまったので補足しておくが、筆者は何もサクラコが全く無神経な人物だと見なしているわけではない。
ユスティナ聖徒会というキナ臭い存在を前身に持つが故に求められる配慮と誤解の多さに頭を悩まされながらトップを張る身として相当以上に世間ズレが避けられない立場であること、その中でもシスターフッドが周囲に馴染めるよう日頃から心を砕いている苦労人だと認識している。
此度アイドルデビューを決意した動機もその延長であったことは、筆者も忘れていない。

元々よく気が付くタイプではあるのだろう


ただ、少なくとも今回のストーリーでは何かと配慮を欠く面が強調されがちであり、それでいて写真の件では配慮を見せていることに予てより違和感を持っていたためこのように言及させていただいた。何卒ご容赦願いたい。


話を戻す。
先述した「何らかの齟齬で本来の展開から外れた」可能性について、もうひとつ言及したいシーンがある。

いつもと違って右手なのも気になるところではある

このバイク奪取のシーン。
これまた仮定の話だが。
筆者の先般の記事にて最大の要点に据えた「マリーは反抗期を迎えた」という解釈が、もし正鵠を得たものであった場合。
このシーンは、それを暗示するために組み入れられたものである可能性が出てくる。
何を隠そう、「15歳の子供が」「盗んだバイクで走り出す」…露骨なまでの構図が敢えて用意されているのだから。

勿論、「だからやっぱりマリーは反抗期なんだよ」とここだけで主張するつもりはない。その話はもう語り尽くした
そういうふうに読めなくもないよね、程度の与太話と笑って流していただいて結構である。

ただ。
描かれなかった3人揃ってのレッスンや、ライブ中のマリーの心境など。
そういった部分でもっと明瞭に、彼女の反抗期が描かれていたなら。
そして、バイク奪取の件もよりスムーズに前後の流れと繋げられていたなら。
一通り読み終わった後に改めて読み返して、ふと。
「ひょっとして、これはそういうことだったのかな…?」 などと。
巧みな暗示に気付いた時に特有の妙味が、もしかしたら味わえたのではないかと。

そんな風に、思えてしまってならないのだ。


良かったところ

もちろん、全部が全部そんな調子だったとは言わない。
光るところも多くある。そうでなければ筆者はこうなっていない。

マリーが助っ人としてアイドルについての調べ物をしているうちに、年相応の興味が顔を覗かせる…という流れからして素晴らしい。

先生が見落とすわけがない

コサージュを巡る絆ストーリーで描かれた、シスターとしての在り方と15歳の少女としての在り方に葛藤するマリーの姿。まさにその延長そのものだ。

サクラコとミネがアイドル活動を志す動機付けも、両団体の評判を踏まえれば極めて合理的かつ説得力あるものだった。

突飛なようで切実


また、「緊急支援要請」というメーデーコールじみた連絡で突然呼び出されてこの人騒がせな誤解に付き合わされ、それでも悪態一つなく協力を買って出るマリーにも注目してほしい。

この時のマリーは、間違いなく我々が良く知るあのマリーだ


板挟みになったマリーが先生の下に駆け込む件も良かった。

👺<判断が速い

最初期の彼女であれば考え難いが、絆ストーリーを経た後と捉えればむしろ自然だ。
あれだけ意固地に誰の世話にもなろうとしなかったのに、今はこれだけの信頼を寄せてくれている。
体操服版の彼女も知る者であれば、尚のこと感慨深いだろう。

もう少し細かいところを語るなら。

初期版絆ストーリー3話
今回

流れと字面こそ似通っているが、表情と口調がより和らいだものになっている。
甘え上手になったことが、暗に示されている。
感動すら覚える描写だった。


その後は暫く、先生ならではの顔の広さを活用して調査に励むシーン。
これもまた、先生らしいやり方でありつつ他校生徒の出番を作るという意味で秀逸な展開といえる。

というかツカミとして無敵すぎる


さらに、その道すがらで例によって人助けに奔走するマリーも見どころだ。

名シーン

困っている人を見つけたら、マリーは絶対に捨て置かない。
滑稽だろうと不格好だろうと、危険を伴う状況でも、できることがあるならば一切躊躇せずそれをする。

そもそも彼女は、事件現場に急行するヴァルキューレ生に即断で同行した。

しれっと付いてくる

そして、発案者のキリノよりも早く「ダンスによる時間稼ぎ」という択を見出し、先生の制止も聞かず即敢行。
そして成功させてみせた。

そりゃそうなる

全力で人助けに取り組む、初期版絆ストーリーでは見えそうで見えなかったマリーの日常が垣間見えた。

そして何より。
常日頃からこんな風に分け隔てなく人助けをして、謝礼も受けずに去っていくヒロイックな活躍を、息をするように重ねてきたなら。
そんな佇まいを、トリニティのあちこちで見せてきたのなら。

みんなマリーのことが大好き

この扱いも当然だ。
彼女の助けに行き逢って、その優しさに癒されて。
彼女の努力を垣間見て、その純真さに惚れこんで。
学年・立場の区別なく、好きにならないわけがない。

然り!!

これまでの絆ストーリーでは、マリー自身を中心に据えて、彼女の内面や成長を描くことを重視していた。
だからこそ、「先生以外の他者から見たマリー」という像は、意外にも盲点になっていた。
それが今回、これ以上なく克明に示された。
そして、アイドルとなった彼女に向けられた熱狂的な支持を裏付ける、有無を言わせぬ説得力として活かされた。

マリー以外は誰も驚かない、無論先生も

白眉の構成。
一切の留保なくそう断言できる。
マリー推しを自認する者として、これを見せてくれたというだけで、今回のイベントを絶賛する理由として余りある。

追い討ちのごとく、もう一つ。
少なからぬメンバーを抱えるシスターフッド、それを束ねるサクラコが真っ先にアドバイザーとして挙げたのがマリーであること。

でももうちょっとプレッシャーってものを考えてあげてほしい


さらに、別勢力の長であるミネまでもがマリーに全幅の信頼を寄せていること。

所属で言えばサクラコ側の相手なのに…

最初にこれを示されたときは、いくらなんでも出来過ぎてないかとも感じたが。
シナリオを一周すれば、もう頷くしかなくなる。
因果応報、善因善果。情けは人の為ならず。

そう。
このイベント、全てはマリーが始めた物語だ。
彼女が今日に至るまで、一日たりとも絶やさず欠かさず。
積み上げ編み上げ織り成した、無数の努力と献身を。
誰かがそれを見届けて。誰かがそれを語り聞き。
そうしていつしか成り立った。
何より厚い「信頼」が。

だからサクラコに頼られた。だからミネにも任された。
地位も権威も持たぬまま、人望ひとつで選ばれた。

ただの助っ人に留まらず、リーダーにまで指名され。

ここで2人の意見が完全一致するの、最高


手探りで始まったユニットを。
見事成功に導いた。

満員御礼、バイブス絶頂


決して、彼女だけが貢献したわけではない。
発案したのはサクラコとミネだ。
他校生の手引きも欠かせなかった。

だが、それでも1つ確かなことは。

誰もが目を奪われてく、君は…

マリーがマリーだったから、"Antique Seraphim"は羽ばたけた。
それを否定できる者はいないだろう。


だがそれを直接教えても、彼女はきっと真に受けない。

彼女の軸はブレてない

ご冗談をと言わんばかりに、はにかみ顔で受け流し。
何事もなかったかのように、今日もシスターとして歩むだけ。

だが構わない。それでいい。それがマリーという生徒。
そういう彼女だからこそ、筆者が惚れるに値する。

だから、代わってそれを語り継ぐ。
それが筆者の仕事と見定めた。



…とはいえ、やはり。

先生とマリーは、鏡みたいなもんだ

いつかは気付いてくれるかも。
そんな期待は捨てられない。

総評

繰り返すが、筆者にとって"Serenade Promenade"は間違いなくブルアカ史上最高のイベントだ。
筆者自身は、上述した欠点もまた楽しみのタネにしていたりする。

バイク奪取のシーン、なぜマリーがああまで責を感じていたのか。
妄想してたらなんか3500字ぐらい書けた。

シナリオを通して、マリーはどうしてああも変貌したのか。
色々考えて語ってたらなんか10000字を超えた。

そしてまだまだ書き足りなかった。
なのでこの拾遺集もご覧の有様である。

何も、「筆者は懐が深いから」とか「物語はこういう風に楽しむものだよ」とかそういうマリオ映画をコケにしてゲロカスポリコレ映画をマンセーする役立たずのクソ評論家みたいなご高説を垂れるつもりはない。

たまたま、最推しキャラがメインを張っていたので興味があった。
たまたま、直前に絆ストーリーを読んでいたのでマリーへの解像度が高まっていた。
たまたま、「自分で補完する」という創作物の楽しみ方を身につけていた。
たまたま、補完の起点になりそうな取っ掛かりを閃いた。
たまたま、手探りの執筆に挑めるだけの時間があった。
だから、最高に楽しめた。

偶然の連鎖、あるいは奇跡と呼ぶべきか。
それが出来るだけの要素が、どういうわけか揃っていた。
そんな己が特異な例であることは重々承知しているので、余人がこれと同等の評価を下さないことについて特に異議はない。
だが、だからこそ。
筆者にとって"Serenade Promenade"は間違いなくブルアカ史上最高のイベントなのだ。

ちなみに筆者が一番好きな洋画はバトルシップである。俺はこういう人間だ


最大の見落とし-トモダチOneStep-

そんなこんなで粗方書き上がり、スクショもいい感じに揃い、さて最後にライブシーンのスクショを追加してみようと最終話をまた再生してみた時のことだ。

「♪幼い願いがかないますように」
…えっ

「♪前に一歩踏み出したいけど 思うより上手く行かなくて」
うん????

「♪いつもね 困ってるの 気付いてくれるかな」
ちょっと待て、この曲って


「♪そっとそっと近づきたくて」
誤解されがちなシスターフッドと救護騎士団が


「♪もっともっとおしゃべりしたくて」
皆に親しみを持って欲しいと願う曲


「♪ずっとずっと隠してたの」
…というだけでは、なかったのか?


「♪未熟な気持ちでも素直に向き合いたい」
これはまさか

「♪だから心の扉たたくよ」
いや、そうだ

「♪すれ違う感情とかして」
当たり前じゃないか

「♪混ざり合えるように」
当たり前の、大事なこと

「♪君とつないだこのメロディー」
そうだ、この曲は


「♪世界中に響かせよう」
この曲を選んだのは

「♪どこまでも届くように」
他でもない

どうして気付かなかったんだ

マリーじゃないか!
節制を重んじるくせして、柄にもなく夜更かしまでして!
夢中で悩んで見比べて!


一時でも見落としていた自分が憎い

先生に捧ぐべく、選び抜いた一曲じゃないか!!


答え合わせをされた気分だった。

よくよく考えてみれば、マリーの資料を受け取ったサクラコとミネは、いきなりダンス練習を始めていた。

そこからひと悶着あったがそれはそれ
最早漫才じみている

最初あれだけ紛糾していた歌選びは、言及すらされなかった。
おそらく、その時点で曲の選定は完了していたからだろう。
言うまでもなく、マリーの手によって。

表面的には、両団体のイメージアップという最終目的を重視して。

同時に、彼女がその幼い内面に抱えていた、かわいらしくも悩ましい、シスターにあるまじきアイドルへの憧れを。

皆がどれだけ待ちに望んだと思って…!


そこで一歩踏み出せない自分へのもどかしさを。

本人以外は気付いていたが、教えたところで意味がない


そして、普段はシスターとしての在り方ゆえに中々表に出せない、信頼する先生へのいじらしい独占欲を。

可愛すぎるよこの子…

そうした気持ちを解放出来たら、どんなに素敵だろうと。


マジでいいこと言ったよキミ

ウタハの語った「アイドルになりたい理由」「アイドルの役割」「気持ちを言葉に乗せて、感情を伝える」という問い。
それに対する彼女の答えが、「トモダチOneStep」だったのだろう。

それは、「トモダチになるための一歩」という意味なのかもしれないし。
または、「トモダチ以上の相手に至るための一歩」という意味なのかもしれない。

…ということをぜひともあの感想文に書きたかった! という話。


あとがき

正直どうしても3連休中に投稿したかったので、拙いことは承知の上で一旦完成とする。
上述の通り、「そういえばこれも書きたかったな」ということを思い出して追記したりもしているし、あまり増えるようならまた別記事を投稿するかもしれないが…その時はその時ということで何卒。

では、一旦これにて。

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