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フィクトセクシャル、主人公たちの墓場 1971年映画「成熟」感想
今朝、散髪をするために、近鉄電車に乗って、京都駅に着いた。
宇治市小倉町に今月、ニンテンドーミュージアムが開設され、いつもの地元客のほかに、観光客と見受けられる乗客も座席に陣取っていた。
60歳になったら楽しみにしていたことが幾つかあって、その一つが割引料金で映画を観ることであった。
しかし、どういうわけか知らない他人様に、己の年齢をさらけ出して、おいそれと、シニアでございます。となかなか告げることが出来ないものだと言う事が理解できたのも成長の一つと苦笑交じりに納得している。
他人の老い自慢がうすら寒いので、歳を意識しすぎる事は、自戒しているが、2時間半の映画を観る気力が萎えている。
amazon primeで1971年の大映映画「成熟」を観た。
1時間半 ストーリーは山形の鼠ケ関、そこでは農業高校(関根恵子)と水産高校(篠田三郎)がウエストサイド物語の如くいがみ合っていた。その後
高校生の男(篠田三郎)女(関根恵子)が村の風習に打ち勝ち、お互いの交際を成就するのだが、最後はサブストーリーの高校教師(早川保)と芸者の浜奴(赤座美代子)の別れで終了する。
この年の時分は、まだ、蒸気機関車が現役で国鉄がディスカバージャパンのキャンペーンで国内旅行を推進していた頃だった。
映画のストーリーや脚本には、サブストーリーの高校教師と浜奴の絡みはさわり程度であるが、当時の観客の鑑賞能力では全てくみ取れたのであろう。
それとも、関根恵子の魅力(当時16歳)で集客を図った映画であろうか?
前に観た、スエーデン映画「短くも美しく燃え」の主演女優も確か10代の女優であった。
フイクトセクシャルと言う言葉があるみたいだ。この場合、フィクション(架空)のキャラクターへ恋愛的に惹かれる事を指すらしい。
私は、川端康成の「伊豆の踊子」を連想した。男性はいくつになっても手が届かない月への心残りを抱いている。
山形県の酒田や鶴岡が全面的に協力していて、当時、風景が2024年の現在によみがえったかのように、錯覚を起こす。外国人のいない昔の田舎、
喫煙、ボウリング場、俳優の伴淳三郎。
自分が幼かった頃の物語はいつも、主人公たちの映画が終わった後のお話しがとても、気になる。
赤座美代子が演じた浜奴はその後、幸せな人生を送ったのだろうか?
私が本当に知りたい事は、それだけである。