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【エスキス4】1/400編
令和4年から令和6年にかけて3年間
Nに2回とSに1回通いました。
令和6年にはUの本も購入し手法を取り入れた筆者なりの完成形です。
3年掛かりで習得し洗練して来たエスキス手法を
令和6年本試験課題を使って紹介します。
今回は1/400編です。
※1/400を省略する人もいますがあまりお勧めしません。
時短が目的だと思いますがチビコマやバイコマから作図できるのであればそもそも1/400にあまり時間はかからないはずです。
むしろ作図中に考えることが少なくなり作図スピードは上がると思います。
作図のためという意味もありますが1/400の後の中間チェックにより作図前にミスを発見・修正することが目的です。
Sでは「チェック無くして合格への道なし」「チェック前の図面はランクⅢ〜ランクⅣ相当でありチェックによりランクⅠまで押し上げる」という指導を受けます。
「そもそもやらない」と「できるけど省略する」では雲泥の差があります。
まずはセオリーを実施、理解してから省略するのはいいと思います。
エスキス各記事まとめ の記事
読取り編 の記事
条件整理 の記事
チビコマ編 の記事
中間チェック編 の記事
簡単なプロフィール
アラサー高卒 独身男
現場監督
地方中小企業の建築施工管理の会社員
1級建築施工管理技士
R6年一級建築士試験合格
※Amazonのアソシエイトとして、当メディアは適格販売により収入を得ています。
敷地枠の記入
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赤ボールペンで記入してます。
4面平面図が描けるように作成します。
答案用紙Ⅰでは3平面+1断面の作図をしますので同じ配置で作成すると作図場所を間違えることも少なくなります。
断面図の位置はエスキス用紙では面積や高さの計算にも使います。
要チェック項目書き出し
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Sでは
建、容、斜、防、特、延、2、重、通
の「法規9項目」として教えられます。
これはここ2、3年の教えだそうです。
覚え方は
「建ぺい違反容赦(斜)無し、防火は区画(特)で縁(延)を切り避難は2重の通路へGO」
だそうです。
私は最後に寸、階、PS、室 を加えています。
覚え方は
「建ぺい違反容赦(斜)無し、防火は区画(特)で縁(延)を切り避難は2重の通路へス(寸)カイ(階)ピース(PS)室」
かなり無理矢理です。
スカイピース室
自分でも意味がわかりませんが何故かすんなり覚えられました。
各項目の意味
建(建蔽率)
容(容積率)
斜(斜線制限)
防(防火設備)
特(特定防火設備)
延(延焼ライン)
2(2方向避難)
重(重複距離)
通(敷地内通路)
寸(寸法)
階(階段)
PS(パイプスペース類)
室(要求室)
柱位置記入
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フリクションの蛍光ペンを使います。
描き間違いが多いので消すことができるようにしたほうがいいと思います。
描いた後にヘリアキを確認するとずれてないか等を確認できます。
(仮)アプローチ・ゾーニング
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シャーペンで薄く描きます。
濃さのイメージは下書き線です。
風除室、アプローチ矢印、管理部門の範囲を薄く描きます。
薄く描くということは後で消さないということです。
最後にこの薄線を元に仕上げ描きします。
この時に廊下の幅の意識は必要です。
(仮)大空間・コア・吹抜け・屋上庭園
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ここからは全フロア同時進行で進んでいきます。
基本的にはチビコマ編で検討済みですので課題文の要求室欄を確認ながらの記入をお勧めします。
必要面積や廊下幅を確認しながら記入します。
チビコマの通り
講堂は56×8コマ
屋上庭園は2コマ
で納まることを確認しながらの作業です。
コアはどこのコマに置くかの確認です。
◯と/でマークします。
これもチビコマで既に決まっています。
エレベータとの関連は後で考えます。
(仮)中規模空間
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製図、教室AB、図書室などの100㎡以上の室を配置します。
大空間と同様にチビコマ時に決まっているはずです。
(仮)小規模空間
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小規模の空間を配置します。
トイレを忘れないように配置しなくてはなりません。
チビコマでの検討が不十分だとこの辺りで時間がかかってしまいます。
そうなってしまった場合はチビコマに戻って再検討が必要です。
実際にはチビコマを移す作業ですのでスピーディーかつ確実に進めていきたいところです。
(仮)管理部門内諸室
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ここからはチビコマ時には検討していないところです。
必要室面積に廊下係数を掛けて算出した面積が確保できているはずなのでよっぽど蛇行した廊下でも無い限り入るはずです。
どうしても無理という場合は検討が甘かったと割り切って更衣室などを2階に移動したり最小限の面積で配置してみるなどの工夫をします。
事務室やゴミ保管庫のように配置がおおよそ検討のつくもの、受水槽などの面積の大きい室から配置するとスムーズだと思います。
更衣室や職員用トイレは最後にねじ込めばいいと思います。
今回は 事務室→階段→階段と事務室をつなぐ廊下をアプローチ元に延長→受水槽により廊下やや蛇行→他諸室 の順番で行いました。
事務室はエントランスホールに面して受付カウンターが求められており、階段はチビコマで検討済みなので位置がほぼ確定します。
これらには廊下が必須なので一旦仮に直線廊下で繋ぎます。
廊下を避けて受水槽がまとまりを持って配置できないと感じたので廊下に曲がってもらいました。
(仮)屋外施設
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駐車場、植栽、Exp.J、駐輪場などを記載します。
基礎免震においては変位も考えてNでは3 m、
Sは2.5 mのヘリアキという指導でした。
この辺りは条件整理編でも確認済みです。
基礎免震がない場合も柱芯から植栽までの通路部分は2 mを基本とします。
何も考えなくても確実に敷地内通路1.5 mを確保できるからです。
後で書き換えたり作図中に考え始めると手が止まってしまいタイムロスとなります。
仕上げ
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入れたい室が入ってしまえば完成に向けて一気に仕上げるだけです。
作図の際に柱を描かない、PC梁、これを受ける柱に印をつけておきます。
この時に
入れない室は無いか?
変な余りスペースは無いか?
階段やエレベーターがずれていないか?
など最低限確認しながら仕上げていきます。
面積記入・高さの決定
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作図中に手を止めないための準備です。
作図中に電卓を叩いていてはかなりのタイムロスが生まれます。
作図の時にはこれを書き写すだけの作業となります。
建ぺい、容積、高さもチェックできるので合理的だと思います。
また、私のように階段などの作図中に時間がかかるところは部分詳細的に書き出しておくとこちらも写すだけで済むので迷いもミスも生まれません。
近年の傾向として下記のように面積表に主要室の面積が要求されています。
・R6 製図室、 講堂(控室は除く。)
・R5 一般開架スペース、児童開架スペース
・R4 貸事務室A、貸事務室B
面積表には「算定式は、算出過程がわかるものとする。算出結果は、小数点以下第 1 位までとし、第 2 位以下は切り捨てる。」
と記載されているのでエスキス段階から少数第1位まで書くように癖付けておいたほうがいいと思います。
まとめ
・1/400は作図時短とチェック用の手段
・基本はチビコマで検討済みのためあまり時間はかからない
・手が止まる場合はチビコマに一度戻る
・基本的にはチビコマと同じ手順で下書き線で配置し最後に仕上げる
・チビコマやバイコマでは小さい室は検討しきれないためボリュームだけ確保しておき1/400で配置する
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