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『生まれる前の世界』について流産手術〜入院生活④〜


分娩の日のことについて↓

最初で最後の夜

 私は入院2日目の夜、木箱に入った『はるちゃん』と一緒に寝ることにしました。
自宅では上の子らと一緒に寝ているため、今日が、はるちゃんと2人きりで寝れる最初で最後の日だったためです。
その夜、私は眠ることができず、はるちゃんに話しかけていました。
 その時、急に4年前にみた夢を思い出しました。

 それは、4年前の2人目を妊娠しているとまだ気づいていないときの夢です。




 新生児のベットに寝ている赤ちゃんが沢山います。その横に、とても長ーいすべり台がありました。
そのすべり台の前に、2人の赤ちゃんが話しています。
1人の子がすべり台を滑ろうとしていますが、
『こわいよー、こわいよー』と言って、滑るのを躊躇しています。
するともう1人の子が、『僕が先に滑るよ。準備ができたら滑っておいで』と言って男の子が先にすべり台を滑ったという夢でした。



 その夢を見た朝は、ただの夢だと思っていました。
しかし、数日後に2人目を妊娠していることがわかり、その夢を見たことを思い出しました。そのため、「2人目は男の子かなぁ〜」となんとなく思いました。
するとたしかに2人目は「男の子」だったのです。
 旦那にもこの夢をみたから男の子だと思うと話していました。

 現在、3歳になる第2子ですが「しっかりして何事にも挑戦する子。人のお世話も好きな男の子」でまさに「こわいと言ってる子を助けた子そのもの」だと思ったと同時に、
「こわーい」と言っていたのは、
『はるちゃん』だったのかぁ!とハッとしました。

 そして、横にいる『はるちゃん』に、
「あのすべり台にいたのは『はるちゃん』だったんでね。」
「こわかったのに、勇気をもってママのお腹の中に来てくれたんだね。ありがとう。」
「はるちゃんはママの3人目の大事な子どもだよ」

 自分の頭の中で『はるちゃん』をぎゅーと抱きしめました。





 退院後に、
鮫島浩二先生の「天国郵便局より」の詩をよみました。
印象的だった一部を引用します。

 天国を出発する前、神様から「おとうさんたちと一緒にいる時間は短いですよ。それでも行きますか?」と聞かれたとき、本当にショックで、悩みました。
 しかし、あなたたちが仲睦まじく結びあっている姿を見て、わたしは地上に降りる決心をしました。
たとえ あなたたちに悲しい思いをさせても たとえ 一緒にいる時間は短くてもあなたたちの子に数えられたかったからです

鮫島浩二 天国郵便局より おとうさんおかあさんへ


を詠んでやっぱり「はるちゃん」は私たちと一緒にいれる時間が短いとわかっており、来ることがこわかったけど、それでも私たちを選んでお腹に宿ってくれたんだと確信しました。


 今まで「生まれる前の世界」について、考えたこともなかった私ですが、『はるちゃん』をきっかけに、自分は何か目的をもってこの世界に来ているのかななどと考えたりします。
今までになかった自分の世界観、思考が広がったと思います。



 作者の鮫島浩二先生は、不妊という言葉を使わず、「赤ちゃんを望む」ということで、「望児」という言葉を使っておられるとのことです。

 誕生死を経験された方、不慮の事故、ご病気でご家族を亡くされた方々、望児の戦いに疲れて一休みしている方々、悩みや病気を抱えながら病院へ行く勇気を失った方々に、寄り添ってくれる詩です。

天国郵便局より おとうさん、おかあさんへ


つづく


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