3か月でデザイナーになるという罠

Webデザイナーやグラフィックデザイナーのクリエイティブなお仕事。
デザイナーはとても人気がある職種です。

デザイナーになる方法をネットで探すと、多くの情報がヒットします。

そこで目にする「3か月でデザイナーになる」というキャッチコピー。

このコピーを見て、あなた様はドキッときますでしょうか?

そのキャッチコピーに興味を持ち、詳細を知るためにサイトやHPに誘導される。そして、数十万円の情報商材やサービスに飛びついてスタートするも大失敗する。

わたしは「3か月でデザイナーになる」という謳い文句、簡単ですぐに結果が出る餌に飛びついてしまう人は、情報弱者であり、自分自身のことを全く分析ができていない人だと感じます。

・・・と、偉そうにこの記事を書いているわたしもデザイナーになれていないのだから、そんな人間です。

デザイナーになりたい人に向けて「簡単で短期間のうちに結果がでる」商品の問題(罠)というテーマ。
個人的に興味があるため、今回の記事を書きました。



立ちはだかる問題

◆デザイナー大大大飽和状態!

結論です。
デザイナーなりたい人多すぎ、デザイナーも余りまくるほど多すぎ!!

です。

人材不足といわれる3Kのお仕事とは違います。
デザイナーはかっこいいですもの。キラキラしてて華のある職業です。

わたしは、30代になってから3年間イラストを学ぶためにアートスクールに通いました。
そこの教室には小さな子供から大人まで絵を学びに来ているのですが、子供がとても多いのです。

子供のうちから将来の準備をして、なりたいであろう職業(漫画家やイラストレーター、画家)に向かって牙を研いでいるのです。
小さな子供たちが絵に向かっている姿を見て、とても脅威に感じていました。

この人たちも全てライバルなのです。実力で勝たなければならない。
簡単なことではありません。

デザイナーが余っている状態で、重視されることは実績や肩書きです。
実力重視も加味されれば、ふるい落としに残れる人でないと、実績や実力があるデザイナーに全て持っていかれてしまいます。

仕事が余っていたとしても、ふるいに落とされた人に対して、依頼主が仕事をお願いすることはないでしょう。

◆デザインのデもわからない超初心者は完全スルー

短期間でもデザイナーになれる人はいると思います。

「3か月でデザイナーになる」という美味しすぎる情報商材やレッスンを使ってデザイナーになれる人材は、デザインのデもわからない超初心者のことは完全に無視していると考えます。

短期間でデザインのお仕事をできる人は、なにかの武器を既に持っている。

「イラストが描ける」「デッサンが得意」「デジタルイラストが描ける」
「photoshopやillustratorが得意で、チラシやロゴなど大体のものは作れる」
「営業経験があり、マーケティング知識が豊富」
「フリーランスでライティングの仕事をしている(仕事を獲る能力やコミュニケーション力を身につけている)」

などです。

デザインのお仕事をするにあたり、必要になるスキルを既に持っているか、持っていないかで、猫がライオンに勝負を挑むくらいの差がつけられていると思います。

・イラストは描けない。
・photoshopやillustratorのソフトの使い方は全くわからない。
・自分を売る営業経験やマーケティング知識はない。
・DTP知識はない。
・Webデザインとグラフィックデザインの違いすら知らない、何をどうやったらいいかもわからない。

仮にこのような状況の人がいた時に、すぐ結果を出すコンセプトの商品を売りたいと思っている人が、右も左もわからない超初心者の層を親切に拾い上げて面倒を見てくれるでしょうか?

◆必要なスキルはデザイン能力だけではない

わたしは、グラフィックデザインのスクールにも通いました。
デザインスクールでは確かに、デザインのカリキュラムとしてロゴや名刺を作成し講師からフィードバックをもらうことで勉強にはなります。

しかし、課題で作るデザインには大きな欠陥があると思いました。
どんなデザインを作ろうとも、実戦で求められるデザインとは違い「デザインの答えがない(正解も不正解も何もない)」ことです。

課題で良い作品を作れたとしても
実戦で相手が求めるものを作れなかったら、全く意味がないのです。

「デザイン力を上げたい」「自分もこういうテイストを作れるように真似てみたい」そのようなことばかりを考えているところに、さらに落とし穴はあります。

ここで情報弱者と言わざるを得ない問題が出てくるのです。

デザインのお仕事で必要になるのは、デザイン力だけではないことに気づきます。

デザインコンペに参加する場合は、自分が提案するデザインを売り込むためにプレゼンをしなければなりません。
ライバルが多い中、見せ方や伝え方の工夫が必要になります。

バナーを作成するというサービスを売るのであれば、マーケティングの能力も必要になってきます。
お仕事をするためには、機械と仕事をするわけではないので人とのコミュニケーション力も大切になります。

相手の求めることを聞く能力、良い提案ができる能力も必要になる。

デザインスキルを得るための勉強量は、とてつもなく多いのにプラスして、小中高や大学で学んできたスキルも必要になってきます。

このような能力も持っていなければ、デザインにプラスして勉強しなければならなくなり、途方もない勉強への道を耐えていかなければなりません。

おわりに

すぐに結果が出ることをアピールしたレッスンのサービスや情報商材。

上手い話には裏がある

もし情報商材を売る立場になって考えた場合、どうやって誘えば効果的かを考えると思います。
「3か月でデザイナーになる」というキャッチコピーには、面倒なことが嫌ですぐに結果を出したいと思っている人をターゲットに、売れさえすればよいという裏があるのでは?と予測も立てられるでしょう。

これは言語技術でも必要になる批判的思考、クリティカルシンキングを使う習慣がある人なら、やみくもに飛びつくことはしないとも思いました。


誰でも短期間で目的を達成できる商品やサービスがあるなら、それはお宝です。
みんな買うでしょうし、全員がデザイナーになっているはずだから。

正しい情報を見分ける目を養っていきましょうという、注意喚起でもあるように思えてしまうのです。




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