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アドラーの「共同体感覚」に学ぶ温かなつながり

前回はちょっと人生をラクにする考え方「課題の分離」についてお話ししました。
「相手の課題には踏み込まない」「変えられるのは自分だけ」と知ることで、人間関係の悩みがぐっと減るという考え方でしたね。

でも、「なんだか冷たく感じる……」と思った方もいるかもしれません。
私もはじめそう思った一人です。

「他人と関わらずに生きるの?」
「そんなの寂しくない?」

そう思った方にこそ、ぜひ知ってほしいのが、アドラー心理学のもうひとつの重要な考え方——「共同体感覚」 です。

「課題の分離」と「共同体感覚」はセット になって初めて、バランスの取れた人間関係が築けます。

今回は、この共同体感覚について詳しくお話ししていきますね。


1. 共同体感覚とは?

アドラーが提唱する「共同体感覚」とは、「人はみんなつながっていて、お互いに貢献し合う存在である」という考え方 です。

「課題の分離」は「相手と自分を切り分ける」ことですが、それは「孤立する」という意味ではありません。

むしろ、「適切な距離を保ちながら、他者とつながる」 ことが大切なのです。

たとえば——

「彼氏を変えようとしない」 = 彼の意思を尊重する
「子どもに勉強を強要しない」 = 自分で考える力を育む
「他人の期待に応えすぎない」 = 自分も大切にする

こうすることで、無理なく、お互いを大切にしながら関係を築くことができます。

他人の人生に介入しすぎず、でも、決して一人ではない。
これが、アドラーが大切にした「共同体感覚」です。


2. 「課題の分離」だけでは不十分? 冷たく感じる理由

「課題の分離」を実践すると、人間関係の悩みが減るのは確かです。

でも、「私は私、あなたはあなた」と考えるだけでは、どこか孤独を感じたり、周りとのつながりが薄くなったように感じることもあります。

「じゃあ、私は誰とも関わらずに生きるの?」 という疑問が湧くのも自然なこと。

そこで大切なのが、「課題の分離」と「共同体感覚」をセットで考えることです。

「私は私、でも私は一人じゃない」
このバランスを取ることで、相手も自分も大切にできる関係 を築くことができるのです。


3. 「相手を尊重する」とはどういうことか?

「相手の課題に踏み込まないこと」と「相手を突き放すこと」は違います。

本当の意味で相手を尊重するとは——

相手の考えや気持ちを認めること
相手の人生に介入せず、見守ること
自分の意見も大切にしながら、相手の意見も尊重すること

たとえば、夫婦や恋人の関係でも、
「私の思い通りに変わってほしい!」ではなく、
「この人はこういう考え方なんだな」と受け入れる。

子どもに対しても、
「勉強しなさい!」と押しつけるのではなく、
「この子はどうしたいんだろう?」と考える。

自分の価値観を押しつけるのではなく、相手をありのまま受け入れる。
これこそが「相手を尊重する」ことなのです。


4. 共同体感覚を持つことで、人生がラクになる

「課題の分離」と「共同体感覚」が身につくと、こんな変化が起こります。

人間関係のストレスが減る
他人に振り回されなくなる
相手を変えようとしないことで、関係がラクになる
孤独ではなく、心地よいつながりを感じられる

他人を変えようとしなくても、私たちはつながっています。
無理をしなくても、お互いを尊重し合う関係を築くことができるのです。


5. 今日からできる「共同体感覚」の実践リスト

最後に、「共同体感覚」を意識するために、今日からできることをリストにしました。

「相手を変えようとしていないか?」と意識する
「この人はこういう考えなんだな」と受け入れる
「私も大事、相手も大事」のバランスを取る
「見守る」という選択肢を持つ

こうすることで、相手を尊重しながら、でも自分も大切にできるようになります。


まとめ:相手も自分も尊重する生き方へ

  • 「課題の分離」は、相手と自分を切り分ける考え方

  • 「共同体感覚」は、適切な距離を保ちながら、つながる考え方

  • この2つがセットになることで、相手も自分も尊重できる

あなたはあなたの人生を、相手は相手の人生を生きる。
でも、それは「一人ぼっちになる」ということではなく、「心地よいつながりの中で生きる」ということ。

相手を無理に変えようとせず、自分を犠牲にしすぎることもなく、ちょうどいい距離感でつながること。
それが、本当の意味で豊かな人間関係を築く秘訣 なのかもしれませんね。
あなたの人との関わりでの悩みがへり、心が軽くなっていきますように^^

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