エッセイ:「個性」を信用しちゃいけない
ㅤバイトの帰りに図書館に寄って月刊シナリオ掲載『LOVE LIFE』のシナリオを読んだ。息子が不慮の事故で亡くなったのをきっかけに、夫と妻がそれぞれ元カノ元夫の鞘に戻るもまた戻ってくるって話。夫は妻が浮気相手で、元カノを捨てて結婚してるんだね。で、妻は妻でそもそも息子は元夫との連れ子で、元夫とまたくっつくも元夫にも実は前妻と子供が居て......という。これをクソ真面目にしんみりとやるのが今の日本映画って感じで嫌になる。映画本編を観てないからなんとも言えないけれど、こんなん軽いコントでしょう。息子の死を乗り越えるなんて口実で、ただ昔の男女を忘れられないってだけじゃねえか(笑)しょうもねえなあ、と。
ㅤ昼食を摂りながら美輪明宏が悩み相談に答える番組を見る。女子中学生が私は皆から信頼されてるけど、本当の私は承認欲求が強い悪い子なんです。これで良いんですか?ㅤみたいな。
ㅤ最近の若者はこんなんばっかだな、自分を特別な何かと勘違いしてる奴。自分で「信頼されてる」なんて言っちゃう奴が人に信頼されてる訳ねえだろ(笑)個性的でありたいと願うことがどれだけ没個性的なことか、非凡でありたいと願うことがどれだけ平凡な願いであるかを一度考えてみて欲しいんだな。勉強不足を「個性」として棚上げされて喜んでちゃいけないよ。