「まなみ100パーセント」と、あの頃。
もう二度と戻ることのできない“あの頃”を振り返る青春映画はたくさんあるけど、本作は“あの頃”として振り返ることを拒絶するような、青春の生々しさと痛々しさにあふれているところがとても良かった。そして、まさに青春の道標のとしての“まなみちゃん”と“瀬尾先輩”の存在感が素晴らしかった。
いわゆる青春の“あるある”や強烈なエピソードだけを寄せ集めて物語を作るのではなく、久しぶりに再会した先輩と夜の公園で飲むみたいな、たわいのないシーンが印象的でした。そして、そういうたわいのない思い出の断片こそが、自分の人生の道標にもなるのだと思う。
ぼくは本作の監督と(世代は二回りくらい違うけど)同じ大学の同じ映画研究会の出身ということもあり、大学構内や部室がロケ地として使われていたのも嬉しくて懐かしかった。
まさに自分も主人公と同じように、映研の部室で何をするわけでもなく、ただ仲間が来るのを待っていたり、ときに映画を撮ったり、女の子とおにぎりを食べたりしていたんです。思っていた以上に、映画研究会の部室が、あの頃と同じ雰囲気でびっくりした。
【追記】
川北監督からご連絡頂きまして、あの部室は映画の美術部の方に再現してもらったとのこと。あの当時の空気感まで伝わってきたのですごい!
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