生物と無生物のあいだ

皆様、「生物と無生物のあいだ」という本をご存知でしょうか。
「生命とは何か」という問いに対し、「流れゆく分子の淀みである」という回答を提唱した本です。
当時大学院生だった私の、長年の疑問を晴らしてくれそうな気がして、本屋さんで見つけてジャケ買いしました。
なかなかこういうことってないんですが、この本は絶対読みたい!と衝動的に思ったのを鮮明に覚えています。

生物と無生物って何が違うのか、皆様も一度は考えたことがあるでしょうか。
よく、自己複製能力だとか、恒常性だとか言われますが、本当にそれが生物だけのものなのか、自信をもって答えられないのではないかと思います。
また、死ぬ直前と死んだ直後、構成している物質はほぼ同じなのに、いったい何が違うのかなど、生物についての疑問はわからないことだらけです。

この本が提唱している内容は、専門家の間で賛否あります。
また完全に答えが出せたというわけではないです。
しかし、一定の納得感のある説明がなされています。

私たちの体は数か月で物質的にはすべて入れ替わるそうです。
であれば、物質そのものは生物の本質ではないということになります。
そこでこの本で提唱されている考え方が、前述の「流れゆく分子の淀みである」というものです。

川にある水は絶えず入れ替わっているのに、それが○○川として存在していたり、生徒は毎年入れ替わっているのに、それが○○中学校として存在していたりすることに似ているかもしれません。

科学の本としてはむちゃくちゃ売れた本なので、ぜひとも一度読んでみてください!

ちなみに、著者の福岡伸一先生は、青山学院大学の教授です。
テレビにもちょくちょく出ているので、知っている方も多いかもしれません。
この福岡先生、私が所属していた研究室の横に研究室を持っておられ、たまに遊びに行ったりしていました。

だからというわけではないのですが、福岡先生の著書はいくつか読みました。
純粋に物書きとしての福岡先生のファンです。

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