尊敬する恩師① 山田耕介先生 - 前橋育英高校 - 令和元年11月8日 人とチームのハッピーファースト 12号
Brilliant Future Consulting代表石原孝尚です。
このnoteは、
高校、大学教員を経てサッカーコーチとして世界も経験し「人とチームが幸せに」という思いで2019年10月28日から毎日お届けする、みんなの未来を明るくするきっかけを提供するノートです。
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筑波大学大学院を修了し2年間、前橋育英高校サッカー部にお世話になっていました。体育の非常勤講師として授業も持ちながらサッカー部のコーチをさせてもらっていました。
前橋育英は松田直樹さんをはじめ、細貝萌(ブリーラム・ユナイテッドFC)、田中亜土夢(セレッソ大阪)、青木拓矢(浦和レッズ)など多くのプロも育てています。
【頭でっかちの理屈っぽい石原】
筑波大の大学院でサッカーも学び、ある意味、理屈っぽくなっていた僕が指導者を山田監督のコーチとしてスタートできたのは本当に良かったと思います。
僕は筑波で勉強してきた「より効果的な練習」みたいな話を山田先生に話しても「いいんだよ、いいんだよ」と笑顔で流されていました。
後になってサッカーに一番大切な情熱の部分を山田先生からたくさん学ぶことになりました。
【指導者の免許はいらないから大型バスの免許を】
山田先生にコーチになる条件はという話で「大型バスの免許だけ」と笑。今、指導者が運転することは議論されていますが、僕がコーチをしていた時は全国どこにでもバスを運転して出かけていました。僕も指導している時間よりバスの運転をしている時間の方が長いと思う時があるぐらいでしたが笑、「選手に成長するチャンスを与える」ということをそこで学びました。
運転手さんを雇ってバスをお願いできれば安全ですしコーチの負担は減りますが、経済的に選手や家族が負担することになりチャンスを失ってしまうこともあります。
山田先生は前橋育英で監督になった時、山田先生ひとりでした。長期休みに新潟合宿をすることになり100名の部員を一人で初日にバスを運転して3往復。最終日に3往復するような人でした。観光バスを頼めば済む話ですが生徒の負担を考えての行動だっと思います。
【ゆずる美学 - 負けて勝つ - 】
地元の中学生チームがグランドを貸してくれないかという話がありました。山田先生はいつも通り「いいよ」と。次の日、トップチームが大切な試合で午前中に練習をやりたいタイミングでしたが午前中はその中学生たちにグランドを使ってもらってトップチームは午後4時からやりました。僕は「なんでトップを優先しないの?」と山田先生に少し苛立ちもありましたが、今、考えると山田先生は自分だけではなく、選手だけでもなく周りのことも本当に大切にしている指導者でした。周りのサポートが結局、選手たちを助けることになると学ばせてもらいました。
【カツ丼食べながら朝から晩まで】
学校が休みの日は朝から晩までいろいろなカテゴーリが試合をします。今は立派なクラブハウスから試合も観れますが、当時はないので昼になるとグランドに机を出して「スタッフはカツ丼食べながら試合を見ていました」。対戦チームには失礼な話ですが山田先生は150人いる部員の試合を全部見ていました。監督の中にはAチームの試合だけを見る人も多いですが山田先生や僕らは全員の試合を見ていました。スタッフが弁当を順番に食べてまた戻ることもできましたが、選手全員を大切にしている監督でした。
【選手の長所だけを見てあげる】
先日、久々に山田先生にお会いした時に「石原先生(今でもこう呼ばれます笑)、1年生にめちゃくちゃ足が速い選手がいるんだよ〜」、「でもね、めちゃくちゃ下手なんだよ〜」と嬉しそうに笑顔で話していました。「こないだも市立船橋戦に使ったら、ぶっちぎるけどシュートはちゃんと外してね」と。多くの指導者が「あいつはスピードあるけど技術がない。技術を伸ばさないと試合に使えない」という中でその選手の長所だけを見てあげて信じてチャンスを与える山田先生の選手はすごく幸せだろうなと。当時の僕もどうしてもうまい選手が好きでした。でも、特徴のある選手を信じて使い続ける山田先生のもとで僕が技術的にはまだまだかなと思っていた選手がどんどん成長し大学でもプロでも活躍していく姿を見て多くを学びました。
朝から晩まで、そして年末年始は高校選手権、負けても次の日から御殿場に移動して練習試合。サッカーにあけくれて、そして、コーチ1年生の自分にチームも任せてくれて大きく成長することができたのは山田先生との出逢いのおかげだと思います。
ありがとうございます。。。
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★ 石原 孝尚(いしはらたかよし)
Happy First Achievement 「幸せの先に成果がある」
サッカーコーチ・グローバルディレクター・自治体スポーツ振興アドバイザー・サッカー解説・企業研修講師
1977年4月8日生まれ 愛知県春日井市出身
金沢大学卒業、筑波大学大学院に進学しサッカーU21男子日本代表や女子日本代表スタッフ。大学院ではコーチングとともに健康教育学を専攻、修士論文のテーマは「母親のメンタルヘルス」。
大学院修了後、前橋育英サッカー部コーチになり現在タイでプレーする元日本代表細貝萌やセレッソ大阪田中亜土夢を指導。帝京高校ではプロ野球ソフトバンク中村晃や日ハム杉谷拳士、阪神原口文仁を教員としても指導。清水エスパルスの大久保拓生やサンフレッチェ広島の稲垣祥など多くのプロ選手も育て、新宿歌舞伎町ホストで活躍中のROLANDも指導。
大学教員を経てINAC神戸監督として澤穂希、川澄奈穂美らと史上初の四冠。その後アメリカに拠点を移しアメリカ女子プロリーグSky Blue FCのコーチに就任。アメリカ代表キャプテンChristie Ramponeなどアメリカ、オーストラリアなど各国代表選手たちを指導。その後、浦和レッズレディース監督、オーストラリア女子プロリーグMelbourne City FC Ladiesコーチ。
現在、FCふじざくらグローバルディレクター、岡山県高梁市のスポーツ振興アドバイザー。自身の経験を生かしてHilton Tokyoなど企業研修も行う。
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