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速達の返信〜こぼれ梅、咲いた日|エッセイ
《ここからの続き》
日暮れまえ。
いつもより早めに
川沿いを散歩した。
小雨が時折降ったせいか、
足もとの芝草が
艶かしく息づいている。
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空は
透明なBlueと
白く 斑に浮かんだ雲
鉄塔は いつものように聳え
鴛鴦、鴨、鶺鴒、
鴫、千鳥たち
海に近く 色んな鳥が棲む
平和な水辺を眺めていた。
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―――まだ、私は 鬼太郎を待っている。
『生まれ出づる悩み』を救って欲しくて。
カラン、コロンとやってきて、
私の悩みに標しを付けて欲しくて。
火の玉を呼び出して、
何処かへ導いてほしい。
此処ではない、もっと遠くの何処かへ。
そうすれば、『わが身よりあくがれ出づる
魂』になれる・・・
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零れ梅が咲いていた。
春はもう 手許まで来ている。
何も 手に持てていないのに・・・
遣る方無くて 携帯の音楽を聴いた。
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―――鬼太郎が 居た。
鬼太郎は 速達で手紙をくれていた。
鬼太郎は私の耳に語りかけた。
“ 泣かないで、 ひとりで
ほほえんでみつめて。
あなたのそばにいるから・・・
夢にまで、涙があふれるくらい
恋はこわれやすくて。
抱きしめる腕のつよさでさえ
なぜか、
ゆれる心を とめられない。
でも、 泣かないで、ひとりで。
ほほえんでみつめて、
あなたの そばにいるから・・・ ”
鬼太郎・・・
―――春は、零れ梅とともに
新しい匂いを
届けてくれたかもしれない。
✠F I N✠
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《参考サイト》
▶生まれ出づる悩み
拙noteより深いサイト。必読。
▶和泉式部
あくがれ出づりたいものです。
▶安全地帯/悲しみにさよなら
初期の玉置浩二氏のVocalは神です。
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