ショートショートに挑戦/二重人格ごっこ
「二重人格」というと治さなきゃいけない病気と思われる。まあこれって普通の反応でしょう。でも何故二重人格、というか複数の人格ができるのか。それって幸せに生きるために心が使うひとつの手段に過ぎないと思うわけです。
本来の人格、辛い体験を引き受けてくれる人格、愛されるために生まれた人格、全部の人格の調和を取るための人格などなどが、良い塩梅に助けあっていれば無理に治す必要はないと私は思います。
見方を変えれば人間はみんな二重人格ごっこをしてます。だって社会が求める役割って必ず複数ですもの。
TPOに応じて複数の顔をうまく使い分けていればいるほど「出来るやつだ」とか「素敵なお母さんだ」とか「いい妻だ」とか言われちゃうわけです。
大人になるって実は、二重人格ごっこが上手くなるってことなんだと思います。
社会が求めるものに応じて役割を演じれば「ごっこ」、自分を守るために心が生み出すと「二重人格」
それだけの違いなのですよ、きっと。
(本文408文字)
*たらはかにさんの「毎週ショートショートnote」参加用です。
今週のお題は「二重人格ごっこ」