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20220614TOKYO BRIGHT GALLERY × Locker Room Gallery クロストーク

今日は梅谷が2017年まで所属していたLocker Room Galleryの渡邊遊可さんと牛垣嶺さんに、梅谷自身のイメージも含めて、お話を伺います。Locker Room Galleryはここ神田から一駅隣のお茶の水でメンバー4人で運営していた自主ギャラリーです。

梅谷)2人は見たことのある写真もいくつかありますが、最近は今までの写真も新しい写真も使って、空間づくりをしたいなとなってきました。当時との写真の雰囲気はどうでしょうか。

渡邊)写真の視点や構図の感じとか画面の中で写したいものがはっきりしていて、これが好きというのがあると思います。Locker Room Galleryの時はドアップのスナップでよく怒られないなという感じでバシャバシャ撮ってましたね。

梅谷)大人になって一歩引いちゃったのかな。

渡邊)興味を持つものが変わったのかなという印象がずっと見ていてあります。

梅谷)以前は目の前にあるものを今撮らないと消えちゃうような気がしていて。

渡邊)当時は単純に面白いとか人に興味があって、ちょっと面白いというか、ちょっとエッチな独特な視点があったんですけど、それがやや減って、植物や小動物が増えましたね。心境の変化かなんか?

梅谷)キャプションにある写真学校を休学したことは知ってると思うんですけど、Locker Room Galleryを閉めてからここに参加するまで潜伏期間みたいに活動できたりできなかったりというところで、自分と社会とのつながりを考えるようになりました。繋がったり自分の中に戻ったり。それが簡単にできるようになったらいいなと思うようになりました。猫の写真は、猫についていくと違う世界が現れるんじゃないかという気持ちの表れです。

一同)笑い

梅谷)でもそれは異世界のような極端なものじゃなくて、違うコミュニティ、Locker Room GalleryとTOKYO BRIGHT GALLERのようなもので、それも含めて自分が形成されているのかなと。

牛垣)僕はそんなに昔と変わらない気がします。ただ飾り方が同じサイズで一列に並べることが多かったですが、今回はインスタレーション的ですね。これは?

梅谷)2020年にニコンサロンで展示させてもらった時、これとは全然違う明るい風景の写真でした。それまでLocker Room Galleryの時のようなスナップを何度か応募して落選していたので、次で写真活動を一休みしようと理由づけのためにあまり力を入れていなかった作品を応募したら、ありがたいことなんですけど展示することになってしまいました。それが悔しくて、このような夜のストロボ写真でそのニコンでの作品を超えたいと思うようになりました。ニコンの展示でも、配置やサイズを違ったものにしたんですけど、それを本格的に応用しようとなりました。

ニコンサロン梅谷隆介写真展「遠回り」

牛垣)写真の捉え方が変わったんですね。撮って出す、じゃなく、使うという感じ。

梅谷)いろんな展示を見るようにもなって。写真もアートのひとつかなと思うようになりました。ウッシー(牛垣)がモノクロを展示していて、それは単にモノクロ写真じゃなくて、モノクロという質感を使って展示してるんだなとか。それから遊可さんの大きなシートにプリントしたり、ドライフラワーを使ったりという展示も思い出して。自分の中で使わせてもらいたいなと。

渡邊遊可2017年ニコンサロン個展

牛垣)キャプションも以前は単純でしたよね。

渡邊)俺はこれが面白いから、これを集めてきましたみたいな。顔や鉄オタがドンとあって。生活している環境が変わってきたからかな。

梅谷)今まで世界とのつながり方を知らなかったかも。

渡邊)それが写真を使ってつながれたら楽しいのかなと思ってみたんですけど。この大きくなってる口の写真好きですよね。(笑い)

口の写真

梅谷)撮った時は口の写真ばかりで展示しましたね。今回はest a dreamと名づけて、自分の「夢」こうなったらいいなっていうようなよく言えば理想という意味の夢、悪く言えば写真を食い散らかすという意味で、小さいスナップ写真を口元にばら撒きました。スナップは大変と言われますが続けていきたいなと思います。


ここからはTOKYO BRIGHT GALLERYの齊藤小弥太と前田宏人も参加してギャラリーをやっていく事についてトークします。

梅谷)(Locker Room Galleryの2人は)これをしたかったとかあります?

牛垣)ギャラリー自体を始めたこと。

渡邊)絶対回帰が回ってくるというプレッシャーが原動力になったり。ウッシーはそこでやってたのが写真集になったり。

牛垣)TOKYO BRIGHT GALLERYはドキュメンタリー系が多いですけどコロナとかでとりに行くっていうのは変わってますか?

齊藤)今まで撮影していたインドに行きにくい中で、何を撮影するかと。私は身の回りのことをビジュアル的にアートにしながらどれだけドキュメンタリー性を見せられるかとコロナの時撮影を進めていました。

齊藤小弥太「一鍬田」

前田)僕は写真がっこう出ていなくて、バックパッカーで旅をした後にカメラマン募集の広告を見てなりました。今でもバックパッカーの延長で撮影を続けています。ドキュメンタリー寄りにはなってきているけれど。最初は旅の流れをとっている感じでしたが、今は何を撮るか調べて現地に行っていますが。興味本位のものが変わってきました。

前田宏人「高原浄土2016〜2017」

梅谷)(齊藤)小弥太が言ったようにこのギャラリーはテーマを持って撮っていることが多いですね。Locker Room Galleryの時は遊可さんが言ったように会期が回ってくるという切迫感から、それまでに何か作っていかなきゃいけないので、テーマのタイミングを待っていることができないというのがありましたね。

前田)どれくらいのスパンで展示していたんですか。

渡邊)1人3週間を4人で。3ヶ月に1回は回ってくる。

前田)厳しい!

渡邊)行きたい場所に行けない時期は別のテーマで日常的に写真を貯めていかないと。

前田)各人軸になるテーマは持ちつつ、それ以外も並行してやってたんですか。

渡邊)自分はハッセルのフイルムをやってたんですけど、それだけじゃ常に持ち歩けないし、コンパクトカメラとか、スマホとかも併用して。

牛垣)若かったというのもあってそれが糧になることもありましたね。

渡邊)違うこともやっていくうちに、もとのテーマに戻ってきたり、違う見方ができるようになったり。人の反応見ながら、こういうほう面白いとかわかったり。

梅谷)ウッシーは何度もテーマの鹿児島に行ってましたね。

牛垣嶺写真集「家の風」

牛垣)LCC乗って行ってました。同じテーマでやっても、変化が見えてくるから、それが自主ギャラリーのポイントだと思います。実験的なこととか。メーカー系とか応募するギャラリーだと、完成系を応募展示しなきゃいけないけれど。経過まで見せられると思います。
どういうギャラリーをやっていきたいとかありますか。

梅谷)ドキュメンタリー系が多いので、ちょっとこっち(アート寄りの)勢力を伸ばしていきたいなと思います。

齊藤)好きにしていいですよ(笑い)

梅谷)他のギャラリーとコラボしたいですね。

渡邊)特別枠で招待とか。

牛垣)ドキュメンタリーが多い自主ギャラリーってあまり聞かないですね。

齊藤)新宿に一年くらいあったらしいですけど、なかなか難しかったみたいですね。今ないじゃないかなと思います。

梅谷)尊重していかないといけないですね。

一同)笑い

前田)いいですよそこは、やりたいように。この間HPの展示順見たらいろんな組み合わせがあって。僕はそれがいいじゃんと。僕の次の福島くんの展示もアートよりになると思う。

齊藤)ただ、若いと言っても30以上ですからね。

渡邊)どこまでが若いか(笑い)35歳までっていう応募資格ってなんなのか。

前田)四捨五入すると40か。うーん

梅谷)少子高齢でそれが上がってくるかな。

牛垣)写真は時間かかりますよ。

齊藤)自分が36になったんですけど、若い時より写真と向き合えていると思うから、
年齢上がってできることもあると思いますけどね。

梅谷)今の方が写真学校通いたいですね。夜間部とかそのためにあるのかも知れにですけど。そういう意味でここで誰か招いて特別講義とかやってほしいですね。

牛垣)そういう場所でしょう。

前田)Locker Room Galleryはワークショップとかしてたんですか。



Locker Room Galleryでの外部作家との企画

渡邊)外部との対談とかは。外部の人が展示したらその人たちとメンバーが話すとか、ZINEの販売会とか。メンバーが4人しかいなかったからというのもあったかな。

梅谷)必ずメンバーの展示でも4人で座談会しましたね。

渡邊)残ってたら見てみたいですね(笑い)

Locker Room Galleryメンバー

梅谷)批評家の方が先日来られて、ギャラリー史を作ることが、写真史になるとおっしゃってましたね。残せるものは残したいですね。

齊藤)作品づくりですね。人生という作品作りが始まりましたね。(笑い)

前田)展示して、冊子を作ってギャラリーとして残しておく。作るのは難しくない。

齊藤)作家に展示している作品の話を聞くことはあっても、それに至るまでの話って聞く機会なかったですけど、それまでに与えた影響とかギャラリーで話すこととか残す。観察日記とか。メガネ変えたねとか。(笑い)そんな感じでやっていけたら楽しいですね。

渡邊)ちょっと羨ましいですね。

牛垣)懐かしいですね。

梅谷)いつでも待ってるんで(笑い)。
またこんなふうにいろんな人と話をして、写真を深めていけたらと思います。

一同)ありがとうございました。

渡邊遊可
日本写真芸術専門学校卒
「朝日を知らない」ニコンサロン
「utopie」ニコンサロン

牛垣嶺
日本写真芸術専門学校卒
「caseless traffic」コニカミノルタプラザ
「家の風」蒼穹舎刊


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