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結婚式のメモを見て思い出した、妻への思い
今朝、部屋を掃除していると、床の上に小さな紙が転がっていることに気がついた。
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おそらく子どもたちの誰かが、机の引き出しから引っ張り出したんだろう。
なんだろうと思って、折りたたまれた紙を開いてみると、それは、結婚式で使った「誓いのことば」だった。
結婚式を挙げたのは、令和元年の9月28日。
もうあれから5年以上経ったかと思うと、非常に時の流れは速い。
当時の気持ちを思い出しながら、誓いのことばに目を通していると、下の方に妻が当時書いたであろうメモに気づく。
そこには、
「晃太郎がこれを見たときに結婚式がもう終わってるか分らんけど、いっぱいいっぱいこれを読む練習をしたんやで!!」
と書いてあった。
そうだった。
妻は当時、脳出血を発症してからまだ半年も経っていなかった。
脳出血を起こしたことで、妻は構音障害を発症した。
話すときに言葉がゆっくりになって、上手く発声できない状態のことだ。
まだ、発症して日が浅かったこともあり、今よりも言葉はたどたどしかった。
結婚式では、誓いのことばを読む。
式に参加している人がいる前で、結婚に際して何があっても夫婦ふたりで助け合い、乗り越えることを宣言をするのだ。
僕たちは夫婦2人で、誓いのことばを読むことを選んだ。
僕だけでもよかったが、2人で宣言したかった。そのために、何度も妻と一緒に練習した。
言葉を紡ぐのに時間がかかる妻であっても、大好きな妻であることには変わらない。
構音障害で、以前よりもできなくなったことは増えたかもしれない。前の生活には戻れないかもしれない。
それでも、妻に対する想いは変わらないからと、時間はかかっても2人で読み上げた。
おそらく妻は、僕と練習する以前に何度も何度も1人で練習したに違いない。
だからこそ、下の方にこのようなメモ書きを残したのだろう。
このメモを見て、僕は当時の気持ちを思い出した。
なぜ僕は妻と結婚したんだろう。
それは、妻のことを愛していたからだ。
たとえ障害があっても、好きな気持ちは変わらなかった。今は3人の子どもにも恵まれ、家族5人でしあわせに暮らしている。
当時の僕の選択はまちがいではなかった。
そんなことを思い出した。