たぬき、りんごに魚用薬浴剤を塗布していた。「皮を剥かん方が栄養があるよ」

昨夜、父親から送ってきたというりんごを食べた。たぬきは、「私はたくさんは要らん」と言ったが、お皿が小さくて、半分ずつ盛り付けて出した。

「皮を剥かない方が栄養があるよ」と、たぬきに言われたが、「いいや、私は剥くよ」と答えた。シンク横の水切りかごに、洗った後らしいりんごが一つ入っていた。しかし、すごく汚れた台所なので、一応、もう一度、流水で洗い、まな板も洗剤で洗ってから皮を剥き、ひと口大にカットした。

たぬきはノロノロと完食した。

まさか、魚薬浴剤を塗られていたとは。これ、量によっては死ぬんだよ。

もう、本当に怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い。

さっき、買い物から帰ってきたたぬきが、近くに来て、ラム酒入りチョコレートをボトっと落として行った。開封して、一つ食べていた。もう、それが、食べさせるための安全アピールみたいで、余計に気持ち悪かった。ゾッとして遠くに放り投げた。

「夕飯は作らんから、買い物してきた物で好きなように作って食べなさい」と言われたが、何に何を入れられているか、分かったもんじゃないので、絶対食べたくない。怖い。

羊は、今日来ると言ってるけど、宛にして飢え死にしかけたからなあ。

本当に来てくれないと困る。本当に怖い。

もう、こんな化け物狸、本当に無理。