【最新】大学病院医師の給与実態


大学病院で働く医師の給与は、大学からの基本給や外勤先からの給与など、複数の要素により決まります。
まず、大学からの基本給は月額約30万円(基本給25万円+当直代4万円/月)です。これは、大学によらずほとんど変わらない額です。
外勤先からの給与は、大学から指定された曜日に関連病院で働くことから生じます。医師の時間給はおおよそ1万円/時間で、2コマ(1日)勤務すると8万円の収入となります。また、外勤日前日に外勤先へ移動し、当直してから翌日に臨むパターンがあり、当直代として6万円が加算されます。
これらを年間に換算すると、大学からの給与が360万円、外勤日勤が400万円、外勤当直が300万円となり、合計で1060万円になります。ただし、これは外勤2コマ/週、当直を大学4回+外勤4回/月をこなした場合の額です。外勤日数は実際には年間47~48日程度となることを考慮した上での計算です。
また、医局で持ち回りの土日当直のバイトなどもあり、これを年間5回こなすと100万円が加算されます。
さらに、年次を積むことによって外勤日が増え、専門医を取得するとわずかながら時給の上乗せもあるため、大学病院勤務医であっても1500万円近くになる可能性があります。
このように、大学病院医師の給与は思われがちなほど低くはなく、入局1年目、2年目であっても、1000万円かそれを超えるぐらいは稼ぐことが可能です。

しかし、大学病院医師の給与が低いと言われることもあります。これは、大学からの基本給が低いためです。しかし、これを安いと判断するかは人それぞれです。
また、医局次第で外勤日が増えることがあり、最大で丸2日(4コマ)になる場合もあります。この場合、上記の給与に外勤分400万円が上乗せされ、さらに専門医を取得すると時給もわずかに上がります。そうなると、大学病院勤務医であっても年収は1500万円近くになります。
しかし、診療科によっては時給が高い診療科以外では、大学で1500万円を超えることは難しいかもしれません。ただし、当直のバイトを積極的にこなせば到達できる数字ではあります。
また、医師の給与について誤解を招く情報もあります。例えば、「大学病院医師の給料は看護師よりも安い」や「医師の平均年収は1000万程度」「20代後半は600万、30代になると800万となり、40代で1000万を超えるというように段階的に昇給していく」といった情報は誤りです。
実際には、医師の給与は年功序列で上がっていくわけではなく、医師でも1500万円は可能であり、数年経つだけで2000万円程度まで視野に入ることが可能です。
しかし、医師の給与と一般企業の給与を比較するときは、医師は福利厚生が一般企業とは違うことを考慮しなければなりません。特に、医師の退職金はほとんどないという点は重要で、これを考慮すると、医師は一般企業の社員よりも年間300万円余分に稼がなければならないという計算になります。


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