最近読んだ本 死刑にいたる病 櫛木理宇

2023年はほとんど本を読まなかったことに気がつき絶望している最中のらおです。
2022年は週に三、四冊は読んでた気がするんですけど昨年は二進法使えば片手で数え切れるくらいしか読んだ記憶が無い。

そんな私が今年一発目に読んだ小説のお話をば…

というわけで、今回だらだらと感想を書き散らかしていく本の名は「死刑にいたる病」です。
作者は櫛木理宇先生。

ホーンテッドキャンパスとかも書いていらっしゃる方で、そちらも読んだことはあるのですがかなり印象が違って驚きました。
ご本人曰くどちらかと言うと暗い方が合っているそうな(巻末参照)

本作品は、Fラン大学に渋々通っているプライド高めな男子大学生手紙が届く所から物語が進みます。
その手紙の送り主は昔、実家の近くででパン屋を経営していた青年で、現在は連続殺人犯として逮捕され、控訴審をあらそおうとしている男。彼は9件の事件で起訴され、第1審ではその全てが彼の犯行であると認められたものの、9件目の事件だけは自分の犯行では無いとして、主人公にそれの調査を依頼する。
主人公の青年は少し歪んだ家庭で過ごす中、男に良くされていたこともあり、迷いながらもそれを了承し、調査を進めていく…

といったストーリー。
作品の各所に伏線が張られており、最後には全てが繋がるので読んでいて非常に楽しい反面、やはり推理が当たるはずもなく。
まぁ、最後に推理の2歩も3歩も上をいく答えをお出しされ、「畜生、作者の手のひらの上かよ」と地団駄を踏んで悔しがるまでがこの手の小説の楽しみ方だと思っているので今回もやられたなという感じ。
また、主人公の心理の汚いところも描写されており、ギクリとさせられる場面も多々ありました。過剰に人の目を気にしすぎたり、相手を過大評価しすぎて勝手に縮こまってしまったり、自分より明らかに劣った相手に対等な関係として話しかけられるとイラッとしてしまったり、道行く誰かをみてちょっとイケナイことが頭をよぎったり、etc……。
多かれ少なかれ誰もが通る道なのかなと。

そして、それらが周囲へ何か危害を及ぼすきっかけになるかもしれない。案外、犯罪者と私の間にある壁は薄いのかもしれない。それこそちょっと触れたり、寄りかかったりしただけで向こう側へと突き破ってしまえるほどに。

なんて言ってみたり。

ちなみに、原題が「チェインドッグ」らしいのですが、鎖に繋がれた犬を意味するのか、それともチェーンの輪のように連鎖していく伝染病的な意味を含んでいるのか、作中の描写を見るとどちらにも取れて、思わずニヤリとしてしまいました。

昨今、題名が長くなる傾向にあり、それはそれで利点があるとは思いますが、やはり私は短い題名の中に工夫が詰め込まれている方が好みではありますね。
改題後の「死刑にいたる病」も、やはり…彼には人を惹きつけ、伝染し、変えてしまう何かが……?
なんて。



最後に、これから将棋の話題が非常に少なくなると思います。理由は2つ。
①局面をいちいち作るのが面倒臭い。
   本当に将棋系のブログやっている方はよく続きますよね、あれ。
それと終盤型の棋風なのであまり書くことがないのもあります。終盤のコツとか語れるほど強くないしね…。

②将棋以外に描きたいことが沢山ある。
    もともと倫理学、哲学などなどが大好きな文系畑の人間なのでそっち方面で書きたいことは沢山あるのです。あと文章書くだけで盤面作らなくていいから楽だし。

最近5手詰め千本ノックを解き終えて7手に進んだ所。春休み中には9手まで行きたいと思っています。

ではまた。

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