逸脱が発生しました!

”逸脱”と聞くと心がざわつき、どうしたらいいのか分からない。何なら”逸脱”としない方向にどうにか持っていけないか。私がCRAになりたての頃はそんな空気を感じていました🙈

なんか”逸脱”って言葉からして強いですよね。起こしたら最後、上司にも怒られ、CRAの今後の道は閉ざされる。。。プロジェクト目標(=個人目標)に逸脱0件なんて書いてあったので目標未達でマイナス評価😩

当時の私にはそれくらいに強烈なインパクトがありました💦

今なら逸脱として淡々と処理するだけなんですけどね。

当時の私が逸脱を極度に怖がっていたのは、”逸脱とは何なのか?”を分かっていなかったことが大きいと思います。

その逸脱が何に影響するのか、逸脱に対する対応が分かっていなかったことが大きいです。逸脱と言っても防げたものもあれば不可抗力のもあるし、試験への影響が大きいものもあれば軽微なものもあります。

”逸脱”についてちゃんと理解していれば、恐れる事なかれです。

治験をやっていれば逸脱は起こります。逸脱発生時に必要な対応はどんなものがあるでしょうか。CAPAはよく聞きますが、それ以外の用語はいかがですか。

実は逸脱で出てくる用語は4個だけです。これを抑えておけば基本的に問題ありません。以下、用語と簡単な例でご紹介します。

ただ、例で示した対応はケースバイケースで、事例のような欠測に対してどこまでやるの?ということは考えなければいけません。それについては別の機会に改めて説明を加えたいと思います👍


1. Correction(修正/是正)

定義: 発生した問題を直ちに修正し、影響を最小限に抑えるための応急対応です

目的:
現在の逸脱状態を是正し、問題が広がるのを防ぐこと。

:
XX検査が未実施の場合、直ちに検査を手配して未実施分を補います。また、未実施となった理由を記録します。

2. Root Cause(真因の特定)

定義: 問題の表面的な原因ではなく、根本的な原因(真因)を突き止めるプロセスです。

目的:
• 同じ問題が再発しないよう、根本原因を把握すること。

:
XX検査が未実施となった原因を深掘りします。たとえば、システム設定エラーや、担当者が検査項目の重要性を認識していなかったことが真因である可能性を検討します。

手法: 「5 Whys(なぜを5回繰り返す)」などの分析ツールを使用します。

3. Corrective Action(是正措置)

定義: 真因を取り除き、問題を根本から解決するための具体的な対応策です。

目的
• 発生した逸脱の再発を防ぐこと。

:
• システム設定を修正し、脂質検査が必ずスケジュールに含まれるようにする。
• 担当者に脂質検査の重要性を説明するトレーニングを実施。

4. Preventive Action(予防措置)

定義: 同じタイプ(原因)で起こるだろう逸脱を”未然”に防ぐための長期的な仕組みや対策を導入することです。

目的:
• 類似の問題が他のプロセスでも発生しないようにすること。

:
• 定期的なシステムレビューを実施し、設定ミスを未然に防ぐ。
• 全検査項目のチェックリストを作成し、訪問ごとに確認する手順を追加。
• 全スタッフに対して年1回のトレーニングを義務付ける。

まとめ
以下の用語を適切に使って、逸脱を適切に処理してください!
1. Correction: 問題を迅速に修正
2. Root Cause: 真因を特定
3. Corrective Action: 真因を解消して再発防止
4. Preventive Action: 予防策

*繰り返しになりますが、CAは”起きてしまった”逸脱に対しての”再発”防止、PAは”まだ起きていないけど”、同様の原因で起こりうる逸脱に対する”予防”策です。

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