イカレポンチとポンチ絵
たまに官公庁のサイトで、制度説明のために使われる「ポンチ絵」というものがある。例えば、下記サイトには法律概要の「ポンチ絵」が掲載されている。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/ca/pss/page22_003958.html
私は初め、この「ポンチ絵」という文言に少々戸惑った。以前から知っている言葉に「イカレポンチ」というものがあったからだ。官公庁でそんな言葉使っていいの? と思っていたのだが、改めて意味を調べてみた。
まず、「ポンチ絵」の意味だが、これは明治時代に流行した1コママンガで、そこからわかりやすく示した絵/図を示すようになったらしい。語源は、『パンチ』というイギリスの風刺漫画雑誌→それを範に外国人居留地向けに発行された『ジャパン・パンチ』の「パンチ」らしい。
一方、イカレポンチは若旦那を意味する「ぼんち」の音が変化したものだそう。
つまり、「イカレ”ポンチ”」と「”ポンチ”絵」は何の関係もなかった。そもそも語源が違う。残念(?)
ついでに、「イカレポンチ」の「イカレ」の方についても考えてみたが、これは「イカレタ」「ポンチ」だろう。ただ、「イカ」が「行く」なのはわかるが、「レタ」は尊敬の助動詞なのだろうか? だとするとちょっと皮肉な表現である。
そういえば、芸人のナダルさんが「いっちゃってるー」という決め台詞をよく使っているが、「イカれてるー」ではないのは、あえて尊敬の念を言葉上で示すというアイロニーを外して、純粋に客観的な立場から対象を叙述するという科学的な態度を表現しているのかもしれない。態度の悪さを売りにされているので、あまり好きではなかったのだが、ストレートな物言いをするという姿勢に私の中での好感度が少しあがった。
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