合同会社定款例:一人合同会社

 以前私が作成した一人合同会社の定款です。実際に作成、登記されたものを一部変更しています。



合同会社〇〇〇〇定款

第1章 総 則

(商号)
第1条 当会社は、合同会社◯◯◯◯と称する。
2.カタカナ表記は◯◯◯◯◯◯と表示する。

(目的)
第2条 当会社は、次の事業を営むことを目的とする。
1.
2.

X.前各号に附帯関連する一切の事業

(本店所在地)
第3条 当会社は、本店を◯◯県◯◯市◯◯丁目◯番地に置く。

(公告の方法)
第4条 当会社の公告は、官報に掲載する方法により行う。

第2章 社員及び出資

(社員の氏名、住所)
第5条 社員の氏名及び住所、出資の価額は次のとおりである。
金◯◯◯万円 ◯◯県◯◯市◯◯丁目◯番地
       ◯◯ ◯◯【注:社員氏名】

(加入)
第6条 新たな社員を加入させるには、総社員の同意を要する。

(社員の責任)
第7条 当会社の社員全員を有限責任社員とする。

(相続による持分の承継)
第8条 財産を出資の目的とした社員が死亡したときは、その相続人は、他の社員の承諾を得て、持分を継承して社員となることができる。

第3章 業務の執行及び会社の代表

(業務執行社員)
第9条 社員◯◯◯◯を業務執行社員とする。

(代表社員)
第10条 当会社の代表社員は◯◯◯◯とする。

第4章 計算

(事業年度)
第11条 当会社の事業年度は毎年◯月1日から◯月31日までの年1期とする。

(計算書類の作成)
第12条 業務執行社員は、各事業年度終了後、各事業年度に関する計算書類を作成しなければならない。

第5章 附 則

(最初の事業年度)
第13条 当会社の最初の事業年度は、当会社成立の日から20◯◯年◯月31日までとする。

(定款に定めのない事項)
第14条 本定款に定めのない事項については、会社法その他の法令の定めるところによる。

 以上、◯◯◯◯合同会社設立のため、本定款を作成し、社員が記名押印する。

20◯◯年◯月◯日
社員 ◯◯ ◯◯


各条項解説:メモ

各記載事項について

 定款の記載事項は、必要性などに応じて3つに分かれる。
①絶対的記載事項:定款に絶対に記載しなければならない事項(会社法第576条第1項)
②相対的記載事項:定款に定めが無ければ効力を生じない事項。
③任意的記載事項:絶対的記載事項及び相対的記載事項以外の事項で、会社法の規定に違反しないもの
 相対的記載事項については、以下の記事も参照。

商号【絶対的記載事項】

(商号)
第1条 当会社は、合同会社◯◯◯◯と称する。
2.カタカナ表記は◯◯◯◯◯◯と表示する。

 商号は絶対的記載事項。また、この定款は商号にアルファベットを用いていたため、カタカナ表記について第2項で規定しているがこれは任意。

目的【絶対的記載事項】

(目的)
第2条 当会社は、次の事業を営むことを目的とする。
1.
2.

X.前各号に附帯関連する一切の事業

 これも絶対的記載事項。なお、実際に作成した定款では10程度の目的を記載。

本店所在地【絶対的記載事項】

(本店所在地)
第3条 当会社は、本店を◯◯県◯◯市◯◯丁目◯番地に置く。

 これも絶対記載事項。

公告の方法【相対的記載事項】

(公告の方法)
第4条 当会社の公告は、官報に掲載する方法により行う。

 公告の方法は相対的記載事項(会社法第939条)。ただし、定款に規定がなければ「官報に掲載する方法」になる(同法同条4項)ので、上記の場合はなくてもいいが、記載する場合が多い。

社員の氏名、住所、出資の価額【絶対的記載事項】

(社員の氏名、住所、出資の価額)
第5条 社員の氏名及び住所、出資の価額は次のとおりである。
金◯◯◯万円 ◯◯県◯◯市◯◯丁目◯番地
       ◯◯ ◯◯(社員氏名)

これも絶対記載事項。代表社員については、書面で登記申請をする場合、個人の印鑑証明の住所と一致しているかどうかを確認。

加入【任意的記載事項】

(加入)
第6条 新たな社員を加入させるには、総社員の同意を要する。

 社員の加入に関して会社法は直接決定方法等を規定していない。
 ただし、持分会社では社員の氏名等は定款の絶対的記載事項であるため、新たに社員が加入する場合には定款の変更が必要になる。定款の変更は、原則総社員の同意が必要だが、定款でその要件を変更できる(相対的記載事項)(会社法第637条)。本件定款は、定款の変更については定めていないので、この条項はあってもなくても事実上同じ。

社員の責任【絶対的記載事項】

(社員の責任)
第7条 当会社の社員全員を有限責任社員とする。

 これは絶対的記載事項。宣言しなければならない。

相続による持分の承継【相対的記載事項】

(相続による持分の承継)
第8条 財産を出資の目的とした社員が死亡したときは、その相続人は他の社員の承諾を得て、持分を継承して社員となることができる。

 合同会社の社員が死亡した場合、当たり前だが退職になる(第六百七条)。一人合同会社の場合、持分の相続を定めていないと会社は解散する(第六百四十一条)。

(法定退社)
第六百七条 社員は、前条、第六百九条第一項、第六百四十二条第二項及び第八百四十五条の場合のほか、次に掲げる事由によって退社する。
(中略)
 死亡

会社法 | e-Gov法令検索

(解散の事由)
第六百四十一条
 持分会社は、次に掲げる事由によって解散する。
(中略)
四 社員が欠けたこと。

同上

業務執行社員【相対的記載事項】

(業務執行社員)
第9条 社員◯◯◯◯を業務執行社員とする。

 本件定款は一人合同会社のものなので、なくてもいい。ただし、社員が複数人かつ、その中のひとりもしくは特定の複数人のみを業務執行社員とする場合には記載が必要。

代表社員【相対的記載事項】

(代表社員)
第10条 当会社の代表社員は◯◯◯◯とする。

 一人合同会社なので、なくてもいい。ただし、社員が複数人かつ、その中のひとりもしくは特定の複数人のみを代表社員とする場合には記載が必要。

事業年度【任意的記載事項】

(事業年度)
第11条 当会社の事業年度は毎年◯月1日から12月31日までの年1期とする。

 記載しなくてもいいが、通常記載されている事項。

計算書類の作成【任意的記載事項】

(計算書類の作成)
第12条 業務執行社員は、各事業年度終了後、各事業年度に関する計算書類を作成しなければならない。

 なくても作成しなければならない(第六百十四条以下)のでなくてもいい。

最初の事業年度【任意的記載事項】

(最初の事業年度)
第13条 当会社の最初の事業年度は、当会社成立の日から20◯◯年◯月31日までとする。

 会社の設立時期が、事業年度の途中であったので記載。

定款に定めのない事項【任意的記載事項】

(定款に定めのない事項)
第14条 本定款に定めのない事項については、会社法その他の法令の定めるところによる。

 そりゃそうですよね、という内容だけど一応記載。

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