映画『HAPPYEND』を観てきた

 先週の土曜日、映画『HAPPYEND』を観てきました。

 ありえるかもしれない未来を舞台に描く青春映画の新たなる金字塔が誕生!
ユウタとコウは幼馴染で大親友。いつもの仲間たちと音楽や悪ふざけに興じる日々を過ごしている。高校卒業間近のある晩、こっそり忍び込んだ学校で2人はとんでもないいたずらを仕掛ける。翌日いたずらを発見した校長は激昂し、学校に四六時中生徒を監視する AI システムを導入する騒ぎにまで発展。この出来事をきっかけに、コウは、それまで蓄積していた、自身のアイデンティティと社会に対する違和感について深く考えるようになる。その一方で、今までと変わらず仲間と楽しいことだけをしていたいユウタ。2人の関係は次第にぎくしゃくしはじめ...。
 決して遠くないXX年後の日本。多種多様な人々が当たり前に暮らすようになっている一方で、社会には無関心が蔓延し、むやみやたらに権力が振りかざされている。それはまさに今の世の中と地続きであり、あまりにもリアリティのある未来だ。そんな世界で当たり前だった“友達”という存在が揺らいでいくさまを、環境音やテクノなどが織り交った独特なサウンドと、圧倒的にエモーショナルな映像美で見事に表現。脈々と受け継がれる青春映画の系譜でありながらも、これまでに見たことのない切り口で“友情の危うさ”を描いた青春映画の新たなる金字塔が誕生した。

映画『HAPPYEND』公式

 素敵な映画でした。なんというか『公平』あるいは『フェア』に、とてもていねいに作られていると感じました。
 上記Introductionのように、政治的な要素もありつつ、一人ひとりの登場人物あるいは立場に対してバランスがいい。一人ひとりが駒ではなく、人物として描かれているようです。だから緊張感があるシーンでも、どこか温かみが感じられます。
 描かれているのは特定の思想や考えの主張ではなく、やるせなさや焦り、怒りだったり、楽しさといった感情やその変化(時間経過)と他方で変わらないものであり、まさに青春映画という感じ。あたかも自分もまた登場人物たちと同じ時間・空間を過ごしたかのような気持ちになります。
 映画監督の滝口竜介さんが次のようなコメントを寄せていますが、本当にそのとおりだなと思いました。

見終えた後もずっと
『HAPPYEND』の登場人物たちが
自分の中を生きている。
遥かな未来への予感を抱かせる、空音央と若者たちの出発点。

映画『HAPPYEND』公式

 しばらくしたらまた観たくなるだろうし、なんどもなんども観るだろうなと思います。

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