『デモンズ』(1985)


Amazonで映画『デモンズ』を観たのでその感想を。
なお、80年代アメリカ映画が観たくてぱっと選んだのだが、イタリア映画だった……。
ネタバレ注意

あらすじ

市街地の真ん中に忽然と姿を現した謎の映画館メトロホール。そこの覆面試写会に招かれた人々は、上映される悪魔〈デモンズ〉のホラー映画に魅せられてゆく。そして映画の進行と同時に場内では恐るべき惨劇が起こる。映画に映し出されていた悪魔〈デモンズ〉たちが、実際にスクリーンから飛び出し観客を襲い始めた。劇場の出口は塞がれ誰も脱出できない。襲われた観客はひとり、またひとりとデモンズ化してゆく…。デモンズ降臨!恐怖は、銀幕(スクリーン)を破って出現する―。

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主人公は女子大学生。地下鉄の駅で試写会のチケットを貰って友達と古い映画館に向かう。
そこで二人の男性と知り合い、一緒に映画をみることになる。
映画は、教会に肝試しに来た男女4人がノストラダムスの墓を暴き、その中にあった仮面を被った男がデモンズになり、仲間を襲うというもの。
劇中の内容と同様に、映画の上映前に劇場の入口にあった仮面をふざけてつけた女性がデモンズになり、人々を襲い始める。
劇場の出入り口は壁で塞がれて脱出ができず、襲われた人は次々とデモンズになり、生き残った主人公たちが追い詰められていく。
というパニックホラー映画。

感想

まず、劇中劇と劇場がリンクするという演出が面白かった。
上映されている映画内で、テントに隠れたヒロインをデモンズが外からナイフで襲うシーンが上映されているとき、実際にデモンズがスクリーンを引き裂いて登場する。
スクリーンが破れて映画の世界から現実世界にデモンズが現れる、という安易だけどわかりやすい構図は楽しい。
劇中劇/劇中/現実のうち、前2者が混乱し、そして劇中と現実をリンクさせるのはグロテスクな描写だ。
襲われた人がデモンズになるとき、歯が抜けて別の歯が生えてくるのだが、今の映画のようなCGではなく、リアルな模型を動かしているため生々しい。
全体的に、お化け屋敷的な演出による脅かしというより、壊れる身体の描写に力を入れている感じがあった。
あと、全体的にツッコミどころ満載なのもいい。
ノストラダムスの墓? なんでヘリコプターが落ちてくるの? 映画館に迷い込むジャンキーいる? なぜ日本刀? など頭にいろいろ「?」が浮かぶが特に説明はない。
エンタメとしてのホラー映画なんてそんなものでもいいと思う。
しっかりと構成されているのも面白いけど。

最後、街にもデモンズが溢れ、主人公たちは脱出しようとする、という続編がありそうな終わり方をしているが、実際にあったらしい。

製作国はイタリアで、1985年に公開された(日本では1986年)。続編として『デモンズ2』(Dèmoni 2: L'incubo ritorna)がある。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%82%BA

個人的にはスプラッタは苦手なので、2は機会があって暇だったら見るかもしれないし見ないかもしれないくらいかな……。

『デモンズ2』(Dèmoni 2: L'incubo ritorna)は、閉鎖された映画館で悪魔と戦う人々を描いた『デモンズ』の続編である。この後にも『6』まで出ているが『3』からは日本の配給会社が勝手にデモンズと名づけたものであって、正式な『デモンズ』は『2』で終わりとなる(『3』は当初シリーズ3作目として企画されていた)。そのため『3』以降の作品は「悪魔と戦う」というコンセプトとは全く違った作品になっている。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%82%BA2

3以降は、沈黙シリーズみたいな扱いになっている……。

そういえば仮面をつけると悪魔になるという設定がどこかで見たことがと思ったら、ジョジョの奇妙な冒険の元ネタ映画の一つと言われているらしい。
なるほど。

”ジョジョ”の元ネタ映画の一つと言われる本作。ホラー好きの荒木先生ならきっとこれも観ていたはず。”ジョジョ”の連載開始がちょうど本作の日本公開の翌年なんだよなあ。

http://seimei777148.blog.fc2.com/blog-entry-385.html

追記:
続編を観たので感想を書きました。


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