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自転車輪行を考える


自転車輪行の概要

輪行、それはいいとこ取りである。
自転車で長距離走るの面倒くさいよね、でも短距離歩くのもやだよね、でも自由に出先で行動したいよね、を解決する数少ない手段である。

載せられる公共交通機関に制限もあるものの、

  • 都市部を巡る

  • 事前に宿を抑える

のであれば、全体としては非常に満足度の高い旅行手段となる。

輪行に用いるタイプの自転車は主に以下2点である。

  1. ロードバイク

  2. 折り畳み自転車

それぞれで感じた利点欠点をまとめたい。

ロードバイク

これまでに2台のロードバイクを乗り継いだ。
1台目はjamisのアルミロード、コンポはclarisという入門用であった。wiggleで型落ち品を購入、¥65,000程度。2012年ぐらいだったかな。
初めてのロードバイクのスムーズさに感動し、ろくに練習もせずに琵琶湖を1周したり、大阪から東京を目指して三重の山中で挫折したりと無知なものであった。今は伯父の家の飾り付けを担当している。

2台目は下記の写真にもあるFOCUSのカーボンロード。コンポは105(当時の型落ち)。17万ぐらいだったか。
この頃は山登りにも目覚め、毎週山道を含む100km前後走りに出掛けていた。
片道だが大阪→岐阜を何度か、大阪→浜松を一度実施。体力的には全盛期。この辺りで帰りだけの片道輪行にハマっており、ある程度の輪行経験はある。

浜名湖湖畔にて

利点

▪️機動力が高い
→当人の体力にも依るが、初めて乗っても恐らく20〜30km走るのは余裕である。数キロなら余裕で漕ごう!となれる。

▪️疲労しにくい
→ロードバイクは速度を求めなければ大変楽に漕げる。同じ距離を走ってもママチャリなどど疲労度は段違い。5km走るのが億劫にならない。

▪️追加装備が容易
→キャリアを追加してパニアバッグであったり、フレームバッグ、フロントバッグ、サドルバッグと様々なバッグが存在し、フル装備での容量は折り畳み自転車に勝る。
ただし載せすぎの後輪荷重には注意(1日で4回パンクさせ、旅行中断した経験あり)

▪️アップダウンに強い
→ギアの選択肢によりアップダウンが多少あっても登る気になれる(もちろん体力にもよる。ロードバイクに乗っても坂がキツいのは同じで、ある程度キツさを感じにくくなるためにはトレーニングが必要)

欠点


▪️新幹線輪行においては、特大貨物の予約が必須
→かつては不要だったのだが、インバウンドで観光客が増えたあたりから予約が必須になった。
これはかなりイタい変更であり、特に特大貨物スペースはそう数がなく、シーズンになると予約難易度が跳ね上がる。

▪️盗難に気を使う
→ある程度高価であることも知られているため、いわゆる地球ロックをしたいところだが、地球ロック場所を探して難儀することがままある。
フレームだけロックしてもホイールが…と取り外しが簡単であるゆえの苦悩もある。

▪️汗をかく
→消費カロリーの代わりに、大量の汗をかく。観光地やお店など、ビッショビショで訪問すると大変気が引ける。
カフェで一休み…も自転車乗り御用達ならまだしも、街中だと…

▪️ホイールの脱着が手前
→手間とはいえ慣れたら5分10分の話なのだが…

▪️手が汚れる
→輪行時にどうしてもチェーンやスプロケットに触れることが多く汚れる。手間も含めて、頻繁に電車に乗ろうとは思えない。都市部の数駅程度なら走った方が早い、というのもある。

注意点

▪️輪行には専用の輪行バッグが必要
→2輪外すか、1輪のみか、で形状が変わる。
 正直電車内のスペースの占有率から言って、2輪外すべきだと思う。手間ではあるが…

折り畳み自転車

私は選考に選考を重ねた結果ブロンプトンM6Rを購入したが、その前にはA-BIKE plusという6インチタイヤの折り畳み自転車も利用していた。

A-BIKE自体は軽量で折り畳み性能も高く、歩くよりは断然早く楽に進めたが、6インチタイヤの段差への突っかかり、ノーギア故のペダル回転数の高さが気になり乗らなくなっていった。
後に8インチのA-BIKE cityや、さらにタイヤをゲル化したものも出たが、既にブロンプトンを購入してしまっており、重量も増加していったために手を出すことはなかった。

そのためここではブロンプトンを基準に輪行について述べる。

いわゆる『おすわり』状態。フロントはt-bag(モデルチェンジ前)
完全に畳んだ状態。サドルに輪行袋がついておりいつでも輪行できるようにしている。

利点

▪️小さい
→折り畳んだ状態がロードバイク比で体感で縦半分、横半分、厚みは0.75倍、という感じで圧倒的に小さい。
具体的に言えば中型コインロッカーに入る。さらにカバンも詰められる。なので気分次第で自転車を置き徒歩旅にシフトもできる。
カフェに持って入るのも気兼ねしないため、駐輪場所を探すか持ち込むかの選択肢がある。
そして大きいのが、漫画喫茶泊の際に店内に持ち込めること。盗難を気にせず寝られることは大きい。

▪️折り畳みの手間が少ない
→畳むだけなら1分とかからない。輪行袋に詰めるのを合わせて2分かかるか、という塩梅。
ここまで来ると電車乗り換えで開いて畳んで、という行為が苦にはならないため、数駅ほど電車に乗ろう!という判断ができ、前述のコインロッカー作戦も相待って相性抜群。

▪️新幹線の大型貨物扱いにならない
→予約なしでの乗車が可能に!ただし上部の棚には入らない(一見入るがカーブの遠心力で落下した経験あり。下に人が居なかったため難を逃れたが、本当に危なかった…2度とやらないし、誰もやらないようにしてほしい)
→なので私は足元に無理やり詰めている。斜めにはなるがギリギリ隣の方のエリアを侵害しない。ただし自分の足元は大変窮屈であるので、大柄な方にはできないだろう。

▪️(キャリア付きのみ)転がして移動できる
→そこそこ重いのだが、エスカレーター、エレベーターのないところ以外はコロコロ移動なので重さが無関係になる。

▪️バッグアタッチメント
→そこそこの容量のバッグが付き、しかもハンドルが振られない構造。意地でも背中に荷物を背負わない派としては本体にバッグを搭載できるのは必須。キャリアもあるのでブロンプトンに背負わせることも。

欠点

▪️重い
→12kg程度と大変に重い。その分頑丈ではある。
よくコロコロがあるから平気!…と言うサイトはあるが、地方駅で階段しかないなんて珍しくもないため、最悪持ち上げなければならない、ということは心しておくべき。
人によっては肩掛けできる装備が必要だろう。

▪️長距離や速く走ることには向いてない
→ロードと違って5km走るには少しだけ気合いが要る。また山越え100kmに挑戦した際はロードバイクの山越え250kmに近い疲労を感じた。
あくまで街中をのんびりぷらぷらするにはとても良い速度で走れる。街中観光で景色を楽しめる速度で走るには良い。

▪️パンク対応が困難
→ロードと違いホイールがすぐに外せる構造にないため自前修理が手間(というよりやる気にすらならずやったことがない)。また街の自転車屋さんの通常触る自転車とも違うため、自転車屋さんに持ち込んでも対応できない可能性も高い(これもやったことがない)
幸運にも出先でパンクしたことはないが、自分で対応できないことが僻地への利用を躊躇う要因にもなる。

▪️専用品が高価
→ブロンプトン自体が割と高価なものであるが、装備も専用品になってそれなりにお値段が張る。
バッグなど買わなくても、破損品の交換で4万とかは経験あり。

注意点

▪️こちらも輪行袋が必要
▪️小さいからといってバス輪行が許されている訳ではない(バス会社ごとに決まる)

最後に

折り畳み側はほぼブロンプトンに寄った話になってしまったが、経験談を共有したいだけなので許して頂きたい。
どちらを買ってもそれなりの金額にはなってしまうことばかりだが、自分の足で進む旅とはまた違った趣きがあるので、輪行旅に迷っている方の一助になれば幸いである。

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