『恋せよキモノ乙女』
主人公は着物を着てお出かけするのが好きなOL、野々村もも。
亡くなったおばあちゃんの着物をとても大切にしています。
そんな彼女のお出かけ先に、「喫茶店の君」が登場します。
喫茶店の君が、なんだか気になる存在から恋に変わっていきますが……。
ももの恋はうまくいったりいかなかったり。でも、彼女の傍らにはいつも素敵な着物たち。行先や季節、目的や相手に合わせてコーディネートを考える場面は、着物の知識がない私でもわくわくします。
特に心がくすぐられるのが、帯や着物以外の小物たちの使い方。
きれいな帯揚げやかわいらしいモチーフの帯留め。上品な半襟や帯の結び方など、「着物ならでは」が知れる楽しい作品です。
引っ込み思案な性格のももですが、自分の「好き」にまっすぐで、自分の世界を広げようと勇気を出す姿や、ここぞという時に踏ん張る姿がとても魅力的に描かれています。
転職をする場面があるのですが、「好きを仕事に」と頑張るももの背中を「大丈夫！」と押してあげたくなります。なんだか仕事に悩む自分にも重ねてしまう……そんな漫画です。
関西が舞台の中心なので、京都の古本まつりや大阪の中之島図書館などのイベントや街並みが描かれているところも読んでいて楽しいポイントです。