まさかのぼったくり?退去費用を巡る戦い
最近、退去費用をぼったくろうとする不動産業者がまだいることに驚きました。今回は私が体験した退去費用トラブルについて、実際の会話をそのまま残してお届けします。皆さんの参考になれば幸いです。
引っ越しと退去時の準備
子どもが大きくなり、借りていた部屋が手狭になったため、昨年末に引っ越しをしました。私たち夫婦は物をあまり持たず、ロボット掃除機が毎日稼働できるよう部屋を整頓していました。キッチンの油汚れや水回りのカビ対策も徹底し、部屋全体が綺麗な状態でした。
ところが、退去当日に洗面台のコンセント付近のプラスチック部分に約1cmの亀裂を発見。原因に心当たりはありませんが、「壊してしまったのなら仕方ない」と思い、施工会社の知人に相談しました。
知人:「部品代は500〜1,000円、交換費用を入れても3,000円以内で直せますね。」
私:「それなら安心や。」
驚きの連絡:一式交換が必要?
退去から2週間後、管理会社から電話がありました。
管理会社:「洗面台の亀裂についてですが、洗面台全て交換する必要があります。」
私:「全部交換ですか?」
管理会社:「はい、本体価格と工賃を含めると15〜20万円ほどかかります。」
私:「…絶句。」
一旦電話を切り、納得がいかなかったため、インターネットで情報を調べることに。
国土交通省のガイドラインを発見
検索してみると、「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」が国土交通省から公表されており、電話相談も可能とのこと。早速電話。
対応してくれた男性の方は非常に丁寧に説明してくれた
国交省の担当者:「ガイドラインによれば、損傷部分に限定した最低限の施工が基本です。部品交換だけで済む場合は、それにとどめるべきです。」
私:「そうなんですね。ただ、ガイドラインに強制力はあるのでしょうか?」
国交省:「賃貸契約書に『ガイドラインに準拠』と明記されていない場合、法的拘束力は弱いです。ただし、住まいるダイヤルという第三者機関で見積もりを依頼することをお勧めします。」
管理会社との交渉開始
国交省のアドバイスを受け、管理会社に再度電話をしました。
私:「見積書を送っていただけますか?」
管理会社:「見積書ですか?通常は請求書だけで対応しています。」
私:「見積書がないなら支払いません。こちらの権利です。」
管理会社:「保険に使うのですか?」
私:「適正な見積もりか判断するため。保険が何か関係あるの?」
管理会社:「いいえ、忘れてください。」
そこで電話は終了。後で調べたら契約時に(半ば)強制的に加入させた火災保険で補償されるみたい。なんで使えること教えてくれないのかなあ。
10日後、見積書が届きました。その内容は以下の通りでした:
洗面台上部 一式 70,000円(LIXIL製)
工賃 10,000円
廃棄費用 150円
合計:80,150円
さらに交渉:疑問点を追及
再び管理会社に電話をしました。
私:「届いた見積書についてですが、上部一式交換となっていますね。全部交換ではないのですか?」
管理会社:「現状確認の結果、上部交換で済むと判断しました。」
私:「その判断は誰が行ったのですか?」
管理会社:「私です。」
私:「施工会社に確認したところ、プラスチック部分のみの交換で対応可能と返答がありました。国土交通省のガイドラインでは、損傷部分に限定して最低限の施工が基本とされていますが、それに該当していますか?」
管理会社:「…。」
私:「見積もりを第三者機関に確認してもらうので都合の良い日取りを教えろ」
管理会社:「改めて見積もりを出すのでお時間ください。」
私:「それは良いけど、今回の見積もりの洗面台上部 一式 70,000円ってやつの型番教えて。」
管理会社:「…お時間いただきます。」
最終的な決着
数日後、管理会社から再び連絡がありました。
管理会社:「過剰請求があったことを認めます。請求額を2,222円に修正しました。」
私:「そうですか。ところで、お願いしていた7万円の洗面台の型番を教えてもらえますか?」
管理会社:「型番ですか?それが必要ですか?」
私:「はい、正当な修繕をする意図があったかを確認するためです。」
管理会社:「少々お待ちください。」
--30分後--
管理会社:「型番は〇〇です。」
調べたところ、値段は1万円ほど。
私:「今調べたら1万円で買えるみたいだけれどなにこれ?」
管理会社:「間違って別の型番で見積もりを出してしまいました。」
私:「…まあ、意図は大体わかるけどさ。大家には何て伝えているの?」
管理会社:「お客様に修繕費用を請求していると。」
私:「二重で馬鹿げた請求してないよな?大家に連絡するよ?」
管理会社:「…別の者が担当しているのでもしかしたら情報の入れ違いになっているかもしれません。」
私:「あんたを追い詰めるつもりはないからいいんだけどさ、いい加減な仕事しなさんなや。大家に確認するかどうかはここで明言はしないけれど、大家さんからは余計なお金とらないでね?あんたに逃げ道はないよ?」
管理会社:「承知致しました。」
私:「んじゃ、とっとと敷金返して。」
管理会社:「誠に申し訳ありませんでした。」
まとめ
基本的に管理会社の人間は退去費用の精算時は強気なことが多いみたいです。ただし、こちらが法的な知識や曖昧な点をつくと一点弱気になります。それは後ろめたいことをやっている自覚があるからでしょう。
退去費用に関するトラブルは、適切な知識と冷静な交渉で解決できます。不動産業界には、知識のない人を狙った不正が存在することを今回の経験で痛感しました。この体験を共有することで、同じような状況で困っている方が適切に対処できる助けになれば幸いです。