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『やまとなでしこ』を読み解く〜なぜ桜子の相手は東十条さんでなく欧介さんでないといけなかったのか〜

桜子の相手はどうして東十条さんでなく、欧介さんでないといけなかったのでしょうか…?
最終話で、桜子がバーで東十条さんに謝罪をするシーンがありますが、あのシーンを見ると、

全てさらけ出した桜子のことでさえ受け入れて、やり直せないだろうか?って言ってくれるなら東十条さんでもよくない??
と思ってしまったのは私だけでしょうか…、、?

なんで欧介さんじゃないとダメなのか?
前回書いた「お金には変えられないたった一つのものとは」に気付く前、私が非常に疑問に思っていたことでした。

ただ、読み解くにつれ、やっぱり桜子は欧介さんじゃなきゃダメだったんだ!!!と思った理由の一つとして、私なりに気付いたことを紹介させて頂こうと思います!

まず、読み解く上で整理させて頂きたいのですが欧介さんと東十条さんの違いってなんでしょう?

…貧乏とお金持ち?

まず真っ先に出てくるのがこの答えですよね!

そうです!コレが今回の読み解きの答えです!!
えーいきなり!?って感じですかね、、?

でも桜子は”貧乏の”欧介さんとじゃないと幸せになれなかったんです…!

なんででしょう?

ヒントは桜子が見る夢のシーンです。
「きっとあなたの辛かったことも全部、忘れられる日が来るから…」

つまり、欧介さんだと「辛かったことが全部忘れられる」けど、東十条さんだと忘れられないはずなんです。

では、桜子の辛かったことってなんでしょう?

貧乏だったことですね。
それがコンプレックスで彼女は合コンの女王になり、玉の輿を狙っていたわけですから…

一見、桜子の考えた通り、東十条さんと結婚することは彼女のコンプレックスを克服するベストな道の様に思えます。でも、それはあのセリフの通り、辛かったこと”ぜんぶ”は忘れられないということなんですね。

なぜでしょう?

東十条さんと結婚すればお金持ちになりますね。資本主義のピラミッドの下位から上位にあがるわけです。さぁ、上位にあがったら、辛かったことも全部忘れられるでしょうか?

おそらく、そうなったら桜子の中で「”玉の輿に乗ってお金持ちになった” 私」というのが出来上がりますよね?

まだ、貧乏⇔お金持ちの概念に囚われていることがわかりますか?

つまり、東十条さんと結婚すると地位は上がるのですが、根本的に彼女に辛い想いをさせたピラミッドのしがらみからは抜け出せられず、辛かったことは”全部”は忘れられないというわけです。

一方で欧介さんは貧乏です。最初でさえ欧介さんの嘘によってピラミッドの概念の中での関係が成り立っていたものの、貧乏であることがバレたことで、そもそもの枠が取り払われたわけです。

現に、桜子は先述のバーのシーンで東十条さんに「だって私、また嘘つくもん」とお断りをしますが、お金持ちの前では本当の自分を隠さないといけない。貧乏な過去の自分が癒されることはないわけです。でも、欧介さんの前だと桜子は言いたい放題ですよね、、笑

そして、最終話、最後、桜子が欧介さんを追いかけてボストンに行った際のセリフに「“残念ながら”、私はあなたといると幸せなんです」の“残念ながら”は貧乏のことですね。

ということで、なぜ欧介さんが相手でないといけなかったか、“貧乏な”欧介さんでないと辛いことも全部忘れられなかったからというのが、理由の一つになりそうですね…!

もちろん、前回書いた「お金で買うことの出来ないたった一つのもの」も桜子が欧介さんを選んだ理由の一つでしょうし、他にも理由は沢山ありますが、少なくとも今回の読み解きは相手が欧介さんでないといけなかったベースとなる部分かなと思いました…!

私たちも、案外、コンプレックスを逆の物で克服しようとするより、同じ物で癒されて、そもそもこだわっていたことから解放される方が幸せの近道かもしれませんね。

また、コンプレックスや辛かった経験を忘れられる相手かどうかということも自分にとって幸せな人間関係を築いていく上で大切なことかもしれません。

今回も少しでもみなさんが大切なことについて考えるきっかけとなればと思い、書かせて頂きました!
まだまだ私なりの気づきがいくつかありますのでまたの機会に共有しますね〜それでは今回はこの辺で〜

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