『やまとなでしこ』を読み解く〜お金では買うことの出来ないたった一つのものとは〜
この作品を見た視聴者の誰しもが抱くのが今回のタイトル「お金では買うことの出来ないたった一つのものとは?」ではないでしょうか。
ドラマの中でもこの答えのヒントとなるセリフはいくつかあるものの、残念ながら明示されているシーンはなく、視聴者に答えを委ねるかたちになってます。
んー…たぶん、、「愛」なんだろうけど、、なんかスッキリしない!!!
というのが、私の率直な答えでした。
なんというか、お金⇔愛だけではあまりにも単純で味気なさ過ぎるし、東十条さんだって愛はある、、!という部分で納得がいきませんでした。
ただ、ここ最近、これかも…!!と思うことがありましたので恥ずかしながらちょっと紹介したいと思います…!
ここからは私の答えがあっていると仮定して読んで頂けるとありがたいのですが、
先述のとおり、私が引っかかっていたのは東十条さんでした。だって東十条さん、めっちゃ良い人じゃないですか、、!?
最終話、桜子が東十条さんに謝罪するシーンなんて、結婚式当日に他の男の元に走った元婚約者に「キミの本当の気持ちが聞けてよかった」なんて言える人います??
しかも、「僕たちここからやり直すこと出来ないだろうか?」って提案するぐらいなので愛はあります。ちゃんと桜子のこと愛してます。
ただ、桜子が欧介さんのお母さんを見舞う病室で、お母さんが”お金には変えられないたった一つのもの”について語るシーンがありますが、そこでお母さんは“欧介は(それを)持っている”と言うんですよね。。つまり、作品的には欧介さんは持っているけれども、東十条さんは持っていないはずなんです。
欧介さんが持っていて東十条さんが持っていないものってなんでしょう?
貧乏であること??、、
ヒントは「嘘」です。
話が飛びますが、このドラマの主題歌がMISIAが歌う『Every Thing』であることは有名ですが、私はこの歌のある部分にちょっとした疑問を抱いてました。
なんでサビでわざわざ嘘の話持ち出すの??
そう、サビの「優しい嘘ならいらない〜欲しいのはあなた〜♪」の部分です。
確かに、このお話はそもそもは欧介さんの嘘によって始まった話ですから、やまとなでしこにおいて嘘はキーワードであることは間違いありません。
でも、そんなサビに出すほど、嘘の部分って大事??
なんというか、歌のサビってもっとその作品の本質的なことを歌わない?と思ったのですが、やっぱり本質だったということに気がついたんです…、、
欧介さんと東十条さんの違い…それは嘘なんです。
最初のお金持ちのフリをする嘘を始め、欧介さんが嘘をつくシーンは何回かあります。一方で、東十条さんが嘘をつくのはたった一回しかないんです。その嘘、思い出せますか?
東十条さんがついた唯一の嘘、それは桜子が倒れた時、病院で一晩中手を握っていたのは自分だと言う嘘です。
もう、わかりましたかね?
欧介さんの嘘は何回もありますが、すべて桜子や誰かを想っての優しい嘘なんです。
でも、東十条さんがついた唯一の嘘は自分にベクトルが向いたものなんです。
実は若葉ちゃんも同じなんです。若葉ちゃんも東十条さんと同様に優しいですよね。でも、桜子の結婚式の次の日、欧介さんに結婚式は素敵だったと何事もなかったかのように嘘をつきます。もちろん、2人ともそれぞれ、桜子と欧介さんに振り向いてほしくてついてしまった嘘なのですが、愛のベクトルが自分に向いてしまっているんですよね。しかも、2人とも桜子は本当は欧介さんが好きなこと、欧介さんは桜子のことが好きなことをわかっていますし、わかっているから嘘をついたわけです。
そして、桜子さんも嘘をつくシーンがありますね。そうです、東十条司病院の場所を変えてほしい、その理由は魚春ではないと言う嘘です。その嘘は欧介さんを想っての嘘ですね。欧介さんと同じ優しい嘘を欧介さんに返すんですね。
あと、もう1人、作品の中で桜子に優しい嘘をつく人物がいます。誰でしょう?
お父さんですね。そうです、「ボンボンオヤジ」「父ちゃん、嘘つかしてゴメン。」のシーンです。
ということで、お金で変えられないたった一つのもの…それは”相手の幸せを想う心”であり”無償の愛”ということでいかがでしょうか?
もちろん、答えは視聴者に委ねられているのでそれぞれだと思います!
この作品は何回見ても新たな発見があるので、私もまた答えが変わるかもしれません。
でも、”どんな嘘をつくか”ということが日常でも本当の愛か、自己愛の延長か、自分の愛の本質を知るヒントになるかなと思いました…!
あなたは大切な人や、周りの人にどんな嘘をつきますか?
ちょっとでも大切なことについて考える機会になったなら嬉しいです!他にも発見がいくつかあるのでまた共有できたらなと思います!それでは今回はこの辺で〜
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