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誰がやっても楽しいアート
臨床美術をベースにしたアート教室準備初期段階の今、サービスを提供する対象者について考えていることを書いておこうと思います。
アートの教室で、目立つ場所に建屋があり、経営の成り立っているところは、ほとんどが美術系大学進学のための予備校や、子供向けの絵画教室という印象です。
大人も、絵を習いたいという人は、例えば水彩画教室、油彩画教室、デッサン教室といった、主に技術面を教える教室やサークルを探すのではないでしょうか。
そんな中、臨床美術の教室ですよと言われても、「何それ?」となりますよね。
臨床美術との出会いは2018年。母校である美大の同窓会が主催するアートセミナーの案内の中に、臨床美術の資格取得講座が載っていました。
何しろ、受講料が高額で、案内が載り始めた数年は「無理だなー」とスルーしていたのですが、やはり興味があったのでしょう、ある年、思い切って受講する事にしたんです。
そこで出会ったのが「りんごの量感画」。
この方法、本当に、絵が苦手な人でも描けそう!
そして、人の存在価値をメインに考える姿勢。どんな人でもできるように、緻密に組み立てられたプログラムでした。
教員生活の中で、子ども達への美術の教え方を試行錯誤して来ましたが、私に足りなかったのは、この丁寧さだったんだと思いました。
私、基本的にガサツなんです。
さあ、描け!じゃ、描けません。
相手のつまずく部分を丁寧にカバーしていく姿勢とプロセスが必要だったんだなと、教えられました。
絵を描く楽しさって、たくさんの人に経験してもらいたいのに、「絵は苦手なんで描けません」という人のなんと多いことか。もったいないもったいない。描く事に没入しているときの、何とも言えない充実感、みんなに経験して欲しい。
ということで、臨床美術は、対象者は基本的に全ての人ということになります。特に、今、いろんな難しさを抱えている人達に届けたいと思います。