宝物の指輪と出会った話
「男には地図が必要だ。荒野を渡り切る心の中の地図がな」
ジャイロの父の名言ですねこんばんは。
女にも人生を生きていく中で心の地図がほしいです。
私には好きなジュエリーのブランドがあります。
そのブランドのバイヤーさんは非加熱のクリスタルやルースにこだわりを持ち、海外で開催されるツーソンやミュンヘンのミネラルショーまで一人で買い付けに行かれる方です。行動力の塊。
さらにはインドでジュエリーを作ったり、イタリアのアッシジの教会で買ったメダイをジュエリーにしてみたりと、もはや行動力カンストしてる。
そんなバイヤーさんのパッションと石愛により日本にやってきたクリスタルたちは、見るたびキラキラ輝いていて、ひとつひとつが「イェーイ!俺はブラジルから来たぜ!」「私はマダガスカル産のラブリーな子なの(はあと)」と語りかけてくるような(幻聴)それはもう生き生きとしたクリスタルばかりなのです。
私はいつかそのバイヤーさんから、一生の宝になるような、見るたびに自分の想いや生きる力を思い出させてくれるような、心の地図のジュエリーを嫁に迎えたいと思っていました。
しかしそのブランドジュエリーの価格は、決して安くはありません。
全てバイヤーさんが世界中を飛び回って買い付けた非加熱の美しいルースたち。
そして既成の型はなく、全て職人さんが一から作り上げる完全な一点物なので無理もない…くっ…
そんな欲求を抑えるために数年間「買えそうな価格帯の石やジュエリーを買う」ということをしていましたが、一番の悪手ですね。
本当の願いは満たされない、でも一瞬の快楽のために数万の浪費をしてしまう。
そして自己嫌悪によりそれは大事にできない。
そんな中、出会いは突然にやってきました。
このアッシジからやってきた大天使ラファエルのメダイのリングは、2021年のクリスマスの時期にInstagramにアップされました。
メダイのジュエリーは毎年クリスマスの時期にあわせて販売されるのでルースジュエリーに比べて数が少なく、特別感もありすぐ売れてしまうのです。
デザインも美しく大好きで、かつ価格もゴージャスで高嶺の花のリングでした。
そんな瞬殺で嫁に行きそうなリングでしたが、私が出会ったのは2022年の年末。
そのリングのことも忘れて、たまたまバイヤーさんとお話しできる機会があり、ジュエリーを選びたいので見せてください!もうなんでも!と鼻息荒くバイヤーさんにお願いする私の目の前に、
このリング。
君まだいたんかい!と思わず口走る私。
にっこり笑うバイヤーさん。
トランペットがほしくてガラスケースの向こうからのぞく少年のようにInstagramを見ていた私の目の前に、大天使ラファエル。
私召喚術使えたの?具現化系だった?
とぐるぐるする頭の中で、私の思考とは裏腹に動いた指は、リングを中指にそっ…とつけていました。
「人差し指につけてみてください」と、バイヤーさん。
「私の人差し指太いから入りますかね…」
恐る恐る人差し指に入れてみると、人差し指が「やっと会えたな…もう外さねーぞ」と言わんばかりにぴったりジャストフィット。
「意思の強い指輪は人差し指に合うの」
と、にっこり笑うバイヤーさん。
値段は私なんかには分相応すぎるけど、もう外したくないと思うくらいこの指輪が好きだ。
そう確信した。
不思議なことに本当に欲しいものを買えたことにより、細かい散財や物欲が一切無くなった。
今もInstagramでジュエリーを見るのは大好きだけど、人差し指を見るたびに「この指輪より大切にできる子には会えないな」と確信し、物欲がおさまるのだ。
とにかく好き!
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