ラピスラズリさんは有能執事だった
天然石ブレスレットの大御所(説明の雑さよ)愛光堂さんから、ブレスレット完成の電話が12月25日に来た。
咄嗟に小粋な「メリークリスマス!」という掛け声をしそうになるもこらえつつ冷静を装い電話に出る。
愛光堂は通販でブレスレットを申し込むと、完成時に石について説明をしてくれるのだ。
その時ある鉱物がブレスレットの一部として入っていることを知り、脳内BGMがクリスマスソングからロマンシングサガ3の四魔貴族のテーマに切り替わった。
「ラピスラズリ」
夜空のように深い蒼に、キラキラ輝く星のようなパイライトが散りばめられている美しくも儚い(汗や水に弱い石は私の屈強な汗に耐えられない)鉱物である。
昭和生まれ、マイバースデイをたしなみつつインターネット老人会員の私にはこの名前は「試練の石」というイメージが強かった。
恐る恐る愛光堂さんに質問すると、
「ラピスラズリというとそういったイメージがついていますが、単純にいうと…」
「やると決めたらやりましょう、という石ですね」
つまりこういうことだ。
年頃の乙女が「痩せたーい☆でも食べたーい☆」と言いながらLAWSONで購入した意識が高そうなおしゃれスイーツをさあ食べよう、と口にいれようとした瞬間。
端然とした所作で乙女の手首をつかんだのは、整った面差しの美青年。
彼は天使の微笑を浮かべて、ひとこと。
「ダイエットして3キロ痩せる、と仰いましたよね?」
そう。ラピスラズリさんは試練を与える、とか厳しい、というのではない。
私たちがこうなりたい!こんな願いがあるの!という夢を叶えるために、最善の道筋を示してくれる有能執事なのだ。
どうしても心があちこちさ迷いがちな弱い人間にとって、一貫性のあるサポートというのは「厳しいー!」と言われてしまうのかもしれない(理不尽
でも愛光堂さんの話を聞いていたら、ラピスラズリさんと出会うのが楽しみになってきた。
2023年、イケメン有能執事ラピスラズリさんと共に歩んでいこうと心に誓った。