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パリタクシー。今映画を観たかった
免停寸前のシャルルは、パリでタクシー運転手をしている。お金も休みもなく、家族に会わせる顔のない彼に、ある日、パリの反対側まで送る依頼が舞いこむ。依頼人のマドレーヌは、道中でシャルルに人生を過ごしてきたパリの寄り道を頼み、過去を明かしていく。
人の運命とは数奇なものだ。
一人ひとり色々な人生を歩み、出会いによっても人生に大きな変化は起きる。
たった一人、たった一瞬、たった一言の出会いが自分の人生に大きな何かをもたらすことだってあるように、この2人も一日に満たない出会いの中で互いの人生に変化が起こる。
それは自分たちにとっては大きな変化でも、周囲からしたらそうは感じないことかもしれない。
そう感じるほど、この映画はある意味静かに美しい道中のパリの街並みを映しながら、ただ2人の会話で進んでいく。
それが心地いい。
時に苦しくなる会話、時にチャーミングな会話。時に救われる会話。
ただ耳を澄ますだけでも心地のいい会話でストーリーは進んでいく。
大きく何かが起こるわけではないからこそ、パリの街並みと2人の会話に酔える。夜にそっとゆっくりと観たくなる、そんな映画。
そうして誰かを大事にし、誰かとの会話を次に楽しみたくなる、そんな心がゆっくりと温かくなる映画。