デフ・ボイス 丸山正樹

耳が聞こえない。
つい、五体満足の人間と比べ足りないと感じてしまい、聞こえないことが
マイナスと捉えてしまっていた自分がいた。
それがどんなに失礼で、相手を傷つけることだと気が付いていなかった。

けして足りないのではない、
まずその耳が聞こえないという選択をして生まれてきて、その分の学びをしようと現世に生まれていらした、強い方々なんだ。
そして、できない事はできる人に助けてもらえるように、
得意でできることは他の方を助けることができるように選択された方なんだと。
つい最近読んだ、ライフトラベラーという作品の中で生まれるときに、あえて
置いてくるもの、足だったり、目だったり、ないと不自由だろうと思う機能を置いてくる。そのためにいっぱいの人とまた会う約束をして生まれてきて、自分にないことを変わりにできる方に助けてもらう。そして自分が与えることができることを相手に提供する。そうして助け合うことが人生という旅を素晴らしく楽しむ方法だと。

英語と日本語、お互い言語が違うから会話をして想いを伝え合うことができなくても、通訳や翻訳機、ジェスチャー、言語を学ぶという形でコミュニケーションをとることができ、理解し合うことができる。

耳が聞こえない方たちとも、単純に言語が違うだけ、国が違うだけで
その国では伝え合える言語があり、コミュニケーションがある。
楽しく伝え合い笑い合える。
そんな世界があることを教えてくれる作品でした。

耳が聞こえない方は、ご高齢の方とはよく会うが、それ以外は自分にとってアンテナが立っていなく、お会いできたことがなかった。
きっと気が付いていなく、知り合えなかったんだろうな。
新しくアンテナを立てることができる作品でした。

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