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ASD長男、「見通し」が独特すぎる

「喘息の薬、無くなる前に言ってね」
と言いつつ、私がいつも在庫切れ1週間前くらいで気がつくのに、
今回に限って気が付かなかったのがいけなかったのか。

ASD長男、高卒認定試験の前日、旅行の前々日の夜というタイミングで、
「薬あとひとつになったー」
と言い出す‥。

よりによって、なんでこんなややこしい日まで黙っていたのか?
聞くと、うっかり忘れではなかった。旅行と試験がある事も覚えていた。
明日、試験だよ。明後日から旅行だよ? いつ診察&薬取りに行くのさ!

そう問い詰めると、長男は澄んだ瞳で、
「言われた通り、薬が無くなる前に言った」
そう。間違ってはいないのである。長男にこの類の期待をしてはいけなかったのである。私が悪いのだ。今更あーだこーだ言ってもしょうがない。
高卒認定の受験科目と診察時間をチェックすると、幸いこの日は
昼頃1科目のみ受験。

試験の前、朝イチに病院に行って10時までに出れば間に合う!
年に2回しかない高卒認定を、そんなついでのように受けていいのか、
という気もするが仕方がない。

病院&高卒認定の朝。洗濯が終わらず、長男だけ受付開始30分前に病院に行かせた。長男が到着したころ、LINEで聞いてみる。
「受付何番?」
「まだわからない」
そんなに並んでいるのか、と戦慄する。
「前に何人並んでいるの?」
試験優先で最悪の場合、私が長男の代わりに診察を受ける覚悟をする。
「誰も並んでいない」
「じゃあ1番じゃん」
「まだ受付札渡されてないからわからない」

なんでだ。

誰も前に並んでいないなら自分が1番ではないのか。透明人間いるのか。
透明なのに見えるのか。洗濯終えて駆けつけ、1番札持っている長男に聞くと、
「待っている人の病状により順番入れ替わる事があるかもしれないから」

細やか。10年来、一度たりとてそんな急病人が優先された事などないのに、受付の貼り紙「患者様の病状により診察順が前後する場合がございます」
が自分に降りかかるかもしれない、と無駄に細やかな憶測から、自分の診察順など自分には決められない、と思ったようだ。

そんなら自分の薬が切れるタイミングにも細やかな気遣いを発揮してほしいんですが。

診察は1番目に受けられたし、10分くらいで終えて試験には十分間に合って、
めでたしめでたしだったのだが、試験の手応えを聞くと、
「難しいのか簡単なのかもよくわからなかった」
と照れ笑いをされて、私は笑えませんでした。

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