樹海に泊まる
カーナビが示す道を行こうとしたら、杭が打ってあって通れなかったことってありますか? 樹海村にはあります。通り過ぎて、今度は目視で樹海村方面に伸びる道を発見したとて、これまた杭が打ってあって通れない。
旅人を拒否する村なのか!
「これ、イチかバチかで杭に突進すると、ふわっと行けるハリーポッターパターン?」
「我が名は、ななっとう! とか名乗んないといけなかった?」
などとドリーミンな打開策を講じてる最中に杭のない道を発見。でも、めっちゃ細い道で一度通り過ぎてしまい、Uターンしたくても全然曲がれず。
死亡フラグのよな目に遭って、ようやくUターン場所を見つけて辿り着きました。夜だったらあの道見つけられなかったかも。
そんなミステリーな樹海村なんですが、別に深い森の奥にあるわけでもなく、杭なし道を入って拍子抜けする程すぐ辿り着きました。普通の田舎町でした。
驚くことといったらエアコンがないことでしょうか。でも標高1,000m位あるんで暑くはなく、窓を開け放して扇風機が回っていれば、私と夫と次男は平気でした。が、ひ弱長男にはちょっときつかったようです。
泊まった民宿は漫画コーナーがあり、朝から渋滞に巻き込まれた後に、3時間ほどSUPとゆーアクティビティをやって、疲れた私たちは観光もせずに畳に寝っ転がって「闇金ウシジマくん」や「カイジ」を読むタイプのリゾートを満喫しました。
畑をやってる民宿さんだったので全ての野菜や、お味噌汁の味噌の大豆に至るまで手作りで、お食事はとても美味しかったです。お汁は広間に着くと同時に運ばれてくるのですが、ご飯は広間に設置された爆音インターホンを鳴らして台所にお願いする独特のオキテ。インターホンを押すと、ビー! とちょっと笑っちゃう位の爆音に次いで熟女が、
「ご用件をどうぞ」
とアンニュイに聞いてくるのも味わい深かったです。兄弟は3杯ずつご飯をお代わりした上にお水までお代わりしたので、ひっきりなしに爆音&アンニュイ熟女の応報が樹海にこだましたものと思われます。
あと、広間の換気扇が、部屋の内側に大きいファン(というかもはやプロペラ)がボコっとついてるタイプで、
「この位置であってるの?」
「外側どうなってるの?」
などと言いながらご飯が食べられたのも貴重な体験でした。
帰りに民宿の方から、お土産にたくさんお野菜をいただき、全部美味しかったので得した気分になりました。
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