瞳と涙
今日
僕は君の顔を汚してしまった
君の顔は君の瞳から流れた涙で
くしゃくしゃにぬれていた
君はあれだけ僕を知ろうとしてくれたのに
僕を真っ直ぐ見ていてくれたのに
君みたいに真っ直ぐ
君を見ることは僕には難しかった
きみを知っていく事が怖かったらしい
君の瞳はきっと何でも見える
魔法の瞳
僕の心の中も、
考えてる事も全部見抜いてしまう瞳だ
だから何を言えば
喜ぶも何を言えば泣くも全部見えてる
でも僕は君みたいに
魔法の何かを持ってる訳でも
凄い技ができたりする訳でもない
だから当たり前のように君の思ってる事をすぐに見抜く事なんて出来るわけない
いつも強がりの君が
いつもへらへらしてる君が
どんなことで泣くのか、どんな事で笑って、
どんな事で怒るのか悲しいぐらいに分からない
沢山長くいるのに
未だに君の心を読めない
だから僕は君をもっと知る必要があるみたい
この日
僕は君の顔を僕が汚した
僕の言った僕の言葉で
君を泣かせたんだ
僕は君の心が読めない
だから何を言ったら喜ぶのかも、
何も言ったら怒るかも知らない
まるで
僕は何が出るか分かりもしない
当たりくじを引いてる
みたいなそんな気分だった
でも君が
あの君が泣いたその時
泣かせた罪悪感よりも
君の何かを知れた気がして
僕は嬉しくて仕方がなかったんだ。