SCP-2719 - Inside 考察

代表的な意味不明系SCiP。説明はわずか3文。

Description: SCP-2719 is a variable abstract-metaphysical construct pointer. Concepts acted upon by SCP-2719 will either go or become inside. Further information on SCP-2719 should not be provided to personnel who are both sapient and biological.

説明: SCP-2719は可変抽象的形而上学的構成ポインタである。SCP-2719に作用された概念は内側に行くか内側になる。SCP-2719のさらなる情報は知性のある生物学的な職員に提供されてはならない。

このSCPのクリアランス設定は特殊である。財団の最高権力者たるO5ですら、ごく限られた情報しか入手できないのだ。このような制限は認識災害系SCiPを除けば珍しい。情報を制限する対象は、personnel who are both sapient and biological (知性があり、かつ生物学的な職員) という回りくどい記述になっているが、要するにほぼ全ての職員である。現時点ではSCP-2719は禁忌として扱われ、人工知能の職員が管理しているのだろう。

go insideとbecome insideの意味は、実験データを一通り読めば推測することができる。端的に言えばbecome insideは容れ物になること、go insideは容れ物に入ることである。この際、物理的存在は物理的に、抽象的存在は抽象的に、容れ物になったり容れ物に入ったりする。

人間は物理的に人間に入る。凄まじい状況だが、Inside distressed (容れ物は苦しんだ) で片付けられてしまう。それどころか収容ユニットまで物理的に人間に入り、当然の如く、容れ物となった人間は死ぬ。死んでも容れ物としては機能するらしく、そこからさらに収容ユニットを入れられている。財団は冷酷だが残酷ではない。

私欲に利用する輩も出てくる。O5を容れ物にして、Zermelo博士が入る。野心的なのは結構だが、やり方が安易である。もちろん放置されるはずもなく、処罰を容れ物にしてO5-7が入ることになる。Zermelo博士はO5-14になったのではなく、既存のO5-7と入れ替わったのだろう。元のO5-7はどうなったのかは不明。

その後、ついでにBright博士も処罰に入れられそうになるが、自らが容れ物になることで回避する。さらにIntestinal distress (腸障害)を入れられそうになるが、outsideにしてこれも回避する。"Nice try." とコメントが付記されていることから、これらの試みが失敗に終わったことが確認できる。犯人はBright博士に恨みがあると思しき████博士で、腸障害の中に入れられてしまい返り討ちにあう。

財団職員に気軽に使われてきた節のあるSCP-2719ではあるが、オチでO5-4が消失(自滅であり自業自得である)する事態となる。ここに至ってようやく生身の人間が扱うべきでないと判断されたのだろう。上記説明の如く、禁忌として半ば封印されることになる。

Title: SCP-2719 - Inside
Author: Randomini
Source: https://scpwiki.com/scp-2719
Year: 2015
License: CC-BY-SA 3.0

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